表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/451

どちらがお似合い?4

たくさんのレーン、パコンパコンという軽やかな音、遠くに立つたくさんの白いもの。


「――と言うわけで、勝負の内容はボウリングとなりましたー」

「何故。」

「丁度近くに島があったことと、安全と参加人数など複数条件を考慮した結果です」


ディノスがマイクを持った司会者のクルーに問えば、指折り数えながらの回答があった。


「リック様、ボウリングって何ですか?」


後ろで手を組んだレティがリックに問えば、周りがどよめいた。ヒソヒソと言葉が交わされる。


「ボウリングを」

「知らないとか……っ!」

「前からちょっと思ってたんだが、レティアーナさんはどこでどう育ったんだ……?」


椅子に座っていたリックはレティの腰を引き寄せ、答えた。


「このボールを投げて転がし、あそこにある白いピンを倒した数で点数が決まる。多く点数を取ったら勝ちだ」

「このボールをですか?それなら私にも出来そうです!」


レティはリックの側のボールに触れた。


「んーっ!結構重いですっ」


両手で抱えるレティに笑い、リックはボールを取り上げた。


「それは俺が自分に合わせたボールだから、レティには合わない。片手で持てるくらいのサイズを選ぶんだ」


リックは立ち上がり、レティの手を引いてボールが置いてある棚に連れていった。


「レティならこのくらいじゃないか?」


差し出された水色のボールを持ってみたら、僅かに重く感じるくらいで片手で持てそうだった。


「この三つの穴に――上に中指、薬指で下に親指を入れて。で、レーンに投げる。やってみるか?」

「はい」


戻ったら、ゲーム数などのルール説明が終わったところで練習だった。

リックはレティを連れてレーンに立たせ、少し離れたところにいる一般客を示す。


「あんな風に投げる」


そこでは助走と共に、綺麗なポーズでボールを投げる客がいた。


「頑張りますっ」


レティが立ち、拍手をして全員が見守る。レティは少しだけ助走をかける。

そしてレーンのギリギリでボールを放した。が、足が縺れてボールの勢いと一緒に前のめりになった。

バタッと勢いよく前に倒れ、しかも下着が見えるか見えないかの瀬戸際くらいまでスカートが捲れてしまう。

慌てて起き上がるレティの姿を見て、クルーが心で呟く。


(うわぁ……)

(お約束すぎる)


「あーっ!」


レティの目の前で、ボールがガターに吸い込まれた。

ゴロゴロと転がりながら消えたボールを見て、座り込んだまま振り返り、リックに報告する。


「ボールが落ちました!」

「また戻ってくるから、もう一度やってみな?助走つけずに投げてみたらいい」

「はいっ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ