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どちらがお似合い?3

「それじゃ、困ります!議論が延々と続くじゃないですか」


クルーが拳を作って力を入れた。拳がプルプルと揺れる。


「他にすることはないのか。」


ついにディノスが突っ込みを入れた。


「いや、ディノスさん。これは男のロマンです!これに決着がつかなきゃ、『レティアーナさん応援の会』、『船長とレティアーナさんの行く末を見守る会』、『レティアーナさんに胸キュンして陰から見つめる会』の所属会員達が眠れないじゃないですか!」

「おい、何だそれは。お前達は変態か。」

「色々突っ込みどころはあるが、最後のは特に何だ!レティを目に入れて良いのは俺だけだ」

「待てリック。話をややこしくするな」


リックが怒って身を乗り出さないように、ディノスが肘で押し戻す形で間に入った。


「て言うかー」


ユーシュテがテーブルに頬杖をつき、フォークをブラブラと男達に向けた。


「トップが変態だから、部下(した)もそういう集まりになるんでしょうよ?」

「コラ。変態って何だ、ユーシュテ」

「何か想像したあとに赤くなるなんて、やらしーこと考えてたんじゃないの?」


フフンとユーシュテは笑った。図星を突かれ、リックの目が三角になる。


「勝手言うな!リボンつけた方が、より可愛いと思っただけだ。ディノスもそう言っただろ!?」

「いや、リック。俺は花と答えた筈だ。レティアーナは控えめだから、華やかさを添えられる花だと思ったんだが」

「そうっすよ!ディノスさんの言う通りです!」


花派のクルーが賛同した。それに対抗して、リボン派が騒ぎ出す。


「バカ言うな!清楚な女性にはリボン!」

「そうだそうだ。船長もそう言ってるんだぞ!その良さが分からんか」


本来の性格が災いして真面目に答えてしまったがために船員達がヒートアップし始め、ディノスはしまったと片手を額に当てた。


「はいはい。煩い、アンタたち。お黙り」


皿をいつの間にか空にしたユーシュテが手を叩いた。


「平行線辿ってたってしょうがないでしょ。仮にも海の男なんだから、勝負で決着つけたらどう?ね、レティ」


皿を持って戻ってきたお題の人物に、ユーシュテは後ろを向いて言った。


「……はい?」


ジャンと話していた為にこの騒ぎの内容を全く聞いていなかったレティは、首をちょこんと軽く傾げる。


「その案、乗ったぁああっ!」


その場にいたクルーが両手に拳を作って上げる。


「花派の代表はディノスさん」

「ちょっと待て。俺はこんなバカげたことに参加する気は……」


ディノスの訴えは虚しく、騒がしさにかき消されてしまった。


「リボン派の代表は我らがキャプテン!」

「いざ、勝負だぁっ!」

「おおーっ!」


レティはユーシュテの隣に腰を下ろして訊ねた。


「みんな何のお話してたの?」

「色々とね。久々のゲームよ!」




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