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2尾
これは、その後日談。
件のエピソードを耳にした貧乏漁師が、一計を案じた。わざわざサンマを目黒に運んで、目黒ブランドとして売りだしたのだ。
これが大当たり。娯楽に飢えていた江戸の庶民が、面白半分話半分でこぞって買いにきたもんだから、たちまち貧乏漁師は大金持ちになった。
すると便乗商法、パクリ商法というものはいつの時代もあるもので、他の漁師たちも我先にとサンマを目黒に運んで、やれ元祖だ本家だと声高にナウオンセール。
嘘から出た何とやらではなかろうが、おかげで目黒はホントにサンマが名物になっちまった。