帰る日常
第85話 ~帰宅~
12月26日。
僕は光莉のベットで目覚める。
隣には光莉が寝ている。
僕は起き上がり、スマホを探す。
最後の記憶は鞄の中に入れたのを思い出し、鞄を取り出して中身を確認する。
スマホが入っておりバッテリーも60%とまだ余裕なスマホが示す時刻は8時55分。
昨日よりかなり遅い目覚めだが、取り敢えず光莉を起こそうとする。
僕は光莉に手を伸ばす。
•••可愛い。
いや、いやいやいや。何思ってんだ僕?
たしかに可愛い。
今までこんな可愛い彼女を傷つけていたなんて正直情けないし屑だ。
そう、2組的ヒロインと呼ばれているほどのあの神崎さんだぞ。
っていうか2組的ヒロインって何?
まぁ、とにかく容姿端麗な光莉を僕は今まで光莉をどんな風に見ていたんだろう。
さっきの疑問も可愛いと思って当然のことなのに。
可愛いし困ったときには助けてくれる。
それのどこが何を思ってんだという疑問に繋がるのか、僕はもしかしたら光莉を•••
「うーーん」
突然、光莉が声を上げてゆっくりと目を開けた。
僕の手は光莉に触りかけの状態だった。
「りょうま?」
「あっ、おはよう。」
「なにしてるの?」
「えっ、起こそうとして。」
僕は手を引っ込める。
「へぇー。」
「もしかして、信用してない?」
「うんん、してるよ。」
「ならいいけど。」
多分、信用してない。
僕はベットから離れ、鞄を持つ。
「僕はリビングに行ってるから。」
「あっ、朝ごはん作るから待ってて。」
「わかった。」
そう言い僕は光莉の部屋から出る。
暫くして、
「お待たせ。」
光莉は僕にお皿とお箸を渡す。
お皿には目玉焼きにカットしたウインナーと何故かアスパラガスのベーコン巻き。
「お弁当みたいでしょ。」
「うん。」
昨日のシリアルとのギャップがすごい。
光莉も僕とついになるように椅子に座る。
「じゃあ、いただきます。」
「いただきます。」
光莉が言い、僕が後に続く。
味は特に変わらない。
でも、光莉が作ってくれたと思うと少し美味しく感じる。
「どう、美味しい?」
「美味しい。」
「そう?ありがと。」
「こちらこそ。」
「ん、そういえば稜駿。今日で帰るのよね。」
「うん。」
「私の両親も今日のお昼ぐらいに帰ってくるから早くしないといけないわ。」
「じゃあ、これを早く食べて帰る準備をしよう。」
僕は素早く朝食を食べて、着替えを済ませて片付けを始める。
因みに着替えは、1泊分しかなかったが初日に着た服を洗濯してもらった。
だから微かに良い匂いがする。
そしてキャリーバックに色々とものを詰め込んで僕は帰る準備完了。
というよりラノベがなければキャリーバックもいらなかったくらいなんだけど。
光莉は食器洗いを終えたようで手を拭き僕の方へ近づく。
「終わった?」
「うん。」
「じゃあ、お家まで一緒に帰ろ。」
「えっ、お家って僕の家?」
「もちろんだけど、ダメ?」
「ダメってわけじゃないけど遠いし、僕の両親はもう家に帰ってるから多分家には上がれないよ?」
「そっか、じゃあエントランスまで見送るのは?」
「それなら別にいいけど。」
「じゃあ行きましょ。」
時刻は10時30分くらい。
12時までには家に着くくらいだと思う。
「お邪魔しました。」
「はい。」
僕と光莉は靴を履き替えて家を出る。
エレベーターに乗り込み1階のボタンを押す。
「楽しかったな。」
僕がそう言う。
「最後の日はね。イブは最悪だった。」
「あの時は、仕方なかったじゃん。」
「稜駿はお人好し過ぎ。」
「放っておけないじゃん。一応幼馴染なんだし。」
「ふーん。」
「また、なんでもしてあげるから。」
「そうだね。なんでもしてくれるもんね。」
「できる範囲でだけど。」
「そってなんでもなの?」
「そうだよ。それがなんでも。」
「違う気がするけど、稜駿は優しいもんね。」
「ちょっと言ってる意味がわかんない。」
そうしていると、エレベーターが1階に到着し扉が開く。
そして、自動ドアのところまで歩き僕がそこで立ち止まり、
「ここで大丈夫だよ。」
「えっ、でもまだ話したいこといっぱいあるのに。」
「またいつでも話せるじゃん。ラオンとかで。」
「そうだけど、会えない。」
「会おうと思えばいつでも会えるよ。」
「じゃあ今からとかでも?」
「ちょっと違うかな?」
「そうね、わかってるよ。またいつでも。」
「じゃあ。」
「うん、またね。」
光莉は軽く手を振ったので僕も振り返した。
家に到着。
時刻は11時45分くらい。
僕は家の扉を開けた。
今回、捺加環パートです。
なのでこの章は少しbl要素を含みます。
因みに早速、次回から捺加環登場です。
それでは読んで頂きありがとうございました。




