運命の日常
第56話 ~運命の人~
私は何がしたいのだろうか。
りょーくんとどうしたい?
キス?それともそれ以上のこと?
私にもわからない。
離したくない。奪われたくない。私の運命の人はずっと私といなくちゃダメ。
救ってくれたあの日。
守ってくれたあの日。
そのお返しをしなくちゃならないのだから。
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「皇さん。一体どうしたのですか?」
担任の先生がそう聞く。
小学1年生の私は、ポカーンとばかりしていた。
2年生も3年生も、卒業するまでずっと私は何もしなかった。
中学生になって私は斎宮という名字になった。お母さんの旧姓。
私の元お父さんが不倫していたらしく私の世話のことで2人で揉めたらしい。だから家庭裁判所で決着をつけた。結果はお母さんが私の世話をすることになって毎日働き詰めの日々だった。
それでも私は動じなかった。
急に名前が変わって、中学校の中では少し有名になったけど反応しなかった。
みんな不審に思っていたらしい。
どれだけ接しても『うん。』『そうだね。』と必要最低限の言葉を使うのみ。
私の周りには何もなかった。
そういう人をなんと呼ぶか私は知っている。
『陰キャ』
そう総称されるものなのだろう。
そして私は、それを9年以上続けた。
高校に入っても最初の1学期は今までと一緒だった。
お母さんと元お父さんは私をみてくれなかった。
小学1年生の頃から仲が悪く喧嘩ばかりしていてせめて千春が卒業するまではこうして3人で暮らすことを取り決めたらしいが、少しでも相手との距離を置きたかった2人は私の態度で察してくれているとでも思ったらしく小学生のころの思い出は1つもない。
中学生でも変わらず私を受け取った母親は私のためにより仕事が忙しくなり保育の仕事と副業をしてなんとか食いつないでいたという状況で私をみてくれなかった。
だけど変わったのは夏休みだった。
ある日、母親が結婚を前提に付き合っているという人を私に紹介した。
あまり興味があることではなかったので今までと同じように接した。
お母さんとお父さんは緊張していると錯覚して『落ち着く時間が必要だ』と言いまた私を1人にした。
それで構わない。
既に私の人生は死んでいたのだから。
そして2人は結婚してお父さんの仕事の都合で美智香和に引っ越した。
懐かしの思い出の地。
あの元気だった私。
私は“過去”に縋り“今”を捨てていたのだと思う。
灰色の人生。
時代が変わっても私は成長したいない。
勉強していても私の心は幼稚なまま。
身体が成長しても私の身体は幼きままだと錯覚している。
生きたまま死んでいる。
それが私の“今”の状態に相応しかった。
生きる目的を失った私は、何度も死にかけたことだったある。だけどあの思い出だけが私が生きる目的だった。
死にたくない。と思えたのはあの人との日々。
そして私はどこにするでなく私の能力に合わせて高校を選んだ。どちらかというと親によって算出された。
それが美智香和高等学校。
運命の人との再会。
私が“今”を生きるようになったきっかけの人。
美智香和高等学校に受かりクラスの名簿を見たとき、これは運命だと実感した。
唯一、私を見捨てなかったあの人。
私を大切に思ってくれる、たった1人の人。
そんな彼がいる学校に私はまた生きる目的を見つけた。
今度は私が彼を守ってあげなくちゃならない。
今度は私が彼を救ってあげなくちゃならない。
そして、今までの想いを伝える。
そう決心して私はいろんな情報誌を読み漁り、美容室でお洒落な髪型にしてもらい、私を磨き上げた。
全て彼のために。
早乙女の心理を読み解くと、こういった症状が何と呼ばれるのかがわかると思います。
もう精神的にちょっと ですね。
それとたまにこうして嘘をつく癖を治したいです。
すみません。
今回は過去まで遡れなかったので、次回かその次回で幼少の過去が明らかになると思います。
もし、過去でなかった場合はあの続きか鈴木 稜駿の独白かあの続きです。
(有耶無耶なのは保険です)
それでは読んで頂きありがとうございました。




