忘れられた日常
第45話 ~酷~
僕はある手紙を見て、
「同窓会?」
僕は光莉にもう一度言う。
「そうよ。1年生の頃の人たちが集まってパーティを開くそうよ。」
「まだ20歳も迎えていないのに?」
「みんな、面影がないとか言われるのを避けたいらしいのよ。だから早い方が良いって。」
そこが同窓会での一番の醍醐味だとは思う。
「どこで開くの?」
「美智香和ホールでやるらしいわよ。早乙女や捺加環も誘う?」
「誘った方がいいとは思うけど、行くの?」
「もちろん行くでしょ。仲の良かった子もいるんだから。」
「うん。まぁいっか。いつなの?」
「今週の日曜日だってさ。じゃあ『参加』に丸するけど良いのよね。」
「行かないって言ってもどうせ勝手にらるしてるんでしょ。」
「まぁ、そうね。」
「そこは、『してない』って答えてよ。」
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ディスカッションの次の日。
クラスは元に戻っていた。
昨日の出来事が何もなかったかのように。
「やっぱりあの子が1番だって!」
「俺は、光莉ちゃん派かな?」
「お前、NTRするつもりかよ!やめとけって!」
「ねぇねぇ、今日の部活あの先輩が久しぶりに参加するらしいわよ。」
「えっ!マジ!ヤバイ、メイク気合い入れてない。」
「先輩は純粋な女の子が好きらしいよ。」
「えっ、じゃあ今すぐメイク落とさないと!」
「私は気合い入れよっかなー。」
などなど全然いつもと変わらない日常だ。
みんな昨日の記憶は無くしたのかなんなのか。
気味が悪い。
「光莉、昨日って何した?」
そう聞くとモジモジしながら、
「き、昨日って、稜駿とその愛を•••」
記憶にはあるようだ。
つまりみんなわかっていていつも通りに過ごしているのか?
昨日はあんなにも無言で先生が焦っていたのに。
何故だろうか。
「キーンコーンカーンコーン」
チャイムが鳴ってしばらくして、
「はーい。おはようございまーす。今日も全員出席ですねー。」
いつもと変わらない國守先生だ。
この雰囲気に置いていかれているのは僕だけらしい。
訳がわからない。
昼食もそうだ。
誰も僕のことを変な目で見ていない。
あの僕のことを屑人間と呼んだ女子も友達と仲良く話している。
そこで僕は3人に、
「昨日のことは夢だったの?昨日ってディスカッションしてなかった?」
するとちーちゃんが、
「もちろんしたわよ。」
「じゃあなんでみんなこんなにも何事もなかったかのように振舞ってんの?」
「それは、みんな忘れたのよ。ほら、なんでも試合とか大会で負けたりした後って悔しいとか思うじゃない。だけどみんなは悔しいとかよりも負けたことを思い出したくないんだよ。だから昨日は何事もなかったかのようにそしてディスカッションをするって決めたことも全て。」
なんて理不尽な人達なんだ。
もし僕が退学していたらそれは思い出として残ったのかもしれないが、負けたことによってその記憶をなかったことにして新たに青春の1ページを書こうと。
やはり今時の高校生というのはヤバイ奴なのだろうか。
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夜、光莉と空が帰ってきて同窓会について聞いた。
「同窓会?うん!行きたい!」
「俺も、行ってみたい。」
空と千春も行きたいようだ。
「みんな元気なのかなー。まぁ私は半年しかあの教室にしかいなかったけど。」
「俺も、いろんな奴を見てみたいな変わったやつとかいるのかなー。」
多分いないと思う。
まぁ整形か何かで変わった人もいるのかもしれない。
「ねぇディスカッション覚えてる?」
僕は3人にそう聞いた。
「ディスカッション?あぁ。あの私たちが公で初めてをしたときね。」
「ちょっと待って!言い方!色々語弊が。それに僕たちそういう関係には•••」
「何よ!いっぱいしたじゃない。今更していないというのはナシよ!」
「してないから!ちょっと待って!」
そして千春は、
「あんまり覚えていないかな?」
空は
「俺の超優秀な弁護のおかげで命拾いしたことだよな。」
間違ってはいないのだが、思い出とは人それぞれなんだな。
「じゃあ来週の日曜日に同窓会行きましょ!稜駿ポストにこれ入れるの付いてきて。」
「あっ、うん。」
僕と光莉はポストまで向かうことにした。
「高校生、色々問題もあったけど楽しかったなー。」
「うん。山積みだったよ。」
「それでも、こうしてまた2人っきりじゃない。ねぇこれをポストに入れたらちょっとだけついてきてもらっていい?」
「どこに?」
「思い出の場所。」
全ての高校生が、記憶を消去するわけではありません。もしかしたら1日1日思い出を大切にしている善人のような人もいるかもしれません。
次回は現在で、
光莉の思い出の場所に行きます。
それでは読んで頂きありがとうございました。




