表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰キャの日常 if  作者: 陰キャ代表 if
第2章 あなたと一緒に
17/85

本当の恋人送りたい日常

第20話 ~嫉妬~


こんな日々が、1週間ほど続いた。

楽しく3人で普通の日々を送っていたが、今日は違った。

たまたま日直だったので、ちーちゃんには先に帰ってもらい、日直の仕事をしていた。

日直の仕事と言っても、ただ教室の机を並べ直し、日誌を書きそれを職員室に持っていくと言うだけの仕事だが、誰も好き好んでやらない。何故ならば職員室までが遠いから。

例えば、國守先生に「もう一回!」と言われれば、また教室に戻らなければならない。

國守先生は実際には、教室へ足を運ばずその日の日直の態度や性格で勝手に決めているだけだ。

偏見により、多大な迷惑をかける先生だが、特に性格も歪まず、態度も良い僕は、1発で帰れる。

もちろんちゃんと机を並べて直している。

そして、昇降口へと行き、靴箱を開けると、

手紙が入っていた。

もう驚かない。

こういうのに耐性がついてしまったようだ。

特に何も思わずにその紙を開けて、中身を見る。

またちーちゃんだろう。

まだ、何か用があるのだろうか。

そう思って中身を見ると、

「えっ!」

思わず声に出してしまった。

差出人は、神崎さんからだった。

『今日の夜6時あの公園で会いましょう。』

それしか書いていなかったが、あの公園でピンと来た。

先週いたあの公園だろう。

僕は、そう確信し家に帰った。


家に着くと5時ちょうどだった。

1時間ほど余裕があるので、何しようかと迷っていると、

「ピーンポーン」

チャイムが家中に響く。

僕は、扉を開けて

「はい。」

チャイムを押したのは、ちーちゃんのようだった。

「りょーくん。遊びに来たよ。」

笑顔でそう答えるちーちゃんだが、帰ってきたばかりでこのタイミングはあまりにも良い気がする。

「ごめん。今日、用事あるんだ。」

そう言って扉を閉めようとするが、

「ガシッ」

ちーちゃんが扉を掴み閉まるのを妨げた。

「えっ!ちーちゃんやっぱり力強いね。」

僕がそういうと、

「か弱い乙女になんてこというの!あっー力がー」

そう言ってちーちゃんの力が抜けていく。

「ハダン、ガチャ、ガチャ。」

僕は、扉が閉まると同時に2つある鍵も両方閉めた。

「ドンドン」

「ねぇ、ちょっとりょーくん‼︎」

「ピーンポーンピーンポーンピーンポーン」

ちーちゃんはチャイムを何回も押し音が家中に響き渡る。

これを耐えれば、諦めて帰ってくれる。

そう思って耐え抜いた。


流石に諦めて帰ってくれたようで、チャイムの音も鳴り止んだ。

はぁー疲れた。

心の中でそう言い、時計を見る。

6時まで30分ほど。

あの公園に行くのには、自転車に乗って10分ほどだ。

だから、10分前にはこの家をでなければならないため、制服から私服に着替えて、家を出る。

まだ5時40分ほどだが、あたりは真っ暗だった。

自転車のライトを頼りに、あの公園まで行く。

5時50分。

スマホの時計を見るとそう表示されていた。

自転車を公園の柱の側で止めて鍵をかけ、公園のベンチに座る。

神崎さんはまだ来ていないようだった。

ただ10分間ぼーっと意味もなく半月の月を見ていると、

「こっちこっち。」

その声は、複合遊具のトンネルから聞こえ手を出して手招きをしていた。

僕がその中へ入ると、神崎さんがいた。

薄暗く、ひんやりしている狭いトンネルに僕たちは、何も言わないまま、時間だけが過ぎていく。

痺れを切らした僕が、

「どうして僕を呼んだの?」

と聞くが、

神崎さんは何も答えない。

ただ僕の方をじっと見ていた。

この状況でこんな狭い場所にいるのが僕は嫌になって、

「ここから出て外で話をしない?ここ狭いし。」

そう言って出ようとするが、

手を掴まれた。

僕は、その場を離れたくない。と神崎さんが無言で訴えかけていたので、元の位置に戻る。

そして、ようやく神崎さんが口を開いた。

「鈴木くん。今、緊張してる?」

僕は素直に、

「うん。してる。」

そして、神崎さんはホッとしたようにため息をつき、

「私もだよ。早乙女さんがあんな変貌を遂げた気持ちが、今わかるよ。」

「えっ?」

その言葉を聞いて僕は、動揺を見せる。

「そんな怖がらなくて良いよ。別に何もしないから。だけど、鈴木くん本当に鈍感。」

「うん。わかってるよ。だから、今神崎さんが何を考えてるかわかんない。」

「わかってほしいな。だけど、鈍感な鈴木くんには言わないとわかんないか。私、今早乙女さんに嫉妬してるの。」

全くわけのわからないことを言う神崎さん。

「鈴木くんって、早乙女さんと一緒にいるときってとっても楽しそう。しかも私と休み時間に一回も話さないし。」

言われてみれば、そうだ。神崎さんと付き合っているはずなのに、あの日から何もなかった。何も話さなかった。

「ご、ごめん。別に忘れてた訳じゃなくてさ。いつもちーちゃんが•••」

そう言いかけた時、

「もう、嫌なの! 早乙女さんの話ばかりして、私との話全くしない。鈴木くんは、私よりも早乙女さんと一緒にいたいの?私は違う。鈴木くんとどこまでも一緒にいたい。寄り添いたい!」

神崎さんは、涙を流した。

「••••」

何も言葉が出ない。

どうしようも出来ずあたふたするばかり。

すると、

「鈴木くん。私のこと好き?」

「す、好きだよ。」

そして、

「どこが?」

「•••」

また言葉が詰まる。

わからない。一体僕は神崎さんのどこを好きになったのだろう。

いつからこんな気持ちに•••

僕は、

「神崎さんの誰とでも話せる気さくなところ。僕は、誰とでも話せる訳じゃないし、会話も得意じゃない。だけど神崎さんは、みんなと仲良く話すことが出来て、誰に対しても態度を変えなかった。僕と話した時も。僕と大抵話する人は他の人と態度を変えて上から物を言うのに神崎さんは僕と同じ目線で話してくれた。そんなところが好きになった。」

本心で神崎さんに訴えかける。

すると神崎さんも

「私も、鈴木くんの頑張るところ。いつも朝鍵を開けて、みんなが嫌がることもして、とっても優しいところ。私は、そんなところが好きになった。」

神崎さんも本心で言っているのだろう。そう感じた。

「私たち、やっぱり両想いなんだね。」

神崎さんを見ると、いつの間にか涙は流れていなかった。

「そうみたい。」

「ここで1つ教えておくよ。鈴木くん。君は優柔不断なんだよ。早乙女さんは鈴木くんが他に好きな人がいるってわかったからあんなことになったんだよ。つまり嫉妬。私は、早乙女さんと一緒にいるときに嫉妬した。つまり、鈴木くんは、彼女を見ようとしないんだよ。わかってあげたいだとか、もっと知りたいだとか思わない?だから私は、本当に私が好きなのかって疑っちゃたよ。だからしっかり私をみて!」

肩を掴みそう訴える神崎さん。

相手を見る。

思えばそんなことしていなかった。

神崎さんを好きになった時も、早々に諦めて神崎さんを知ろうとしなかった。

そこが自分の落度なんだろう。

相手をしっかり見るか。

「ところで鈴木くん。君にちょっとして欲しいことがあってさ。」

モジモジしながら話しかけてくる。

「ん何?できることならなんでも言って。」

そういうと、神崎さんは

「じゃあ、私のことをこれから光莉って呼んで。私も稜駿って呼ぶから。それと恋人同士“キス”して欲しいな。」

ちーちゃんみたいに急に襲ったりはせずただじっと僕の方を見ている。

相手を知る。

どこまでそれが適用されるのか疑問に思う。

僕はしばらく悩んだあと、小さく頷く。

そして、神崎さんの顔がだんだんと近づいてくる。

近づくにつれ、僕の心臓はバクバクしてくる。

ヤバイ。

頷いたけどまだちょっと。

いやでもなんでもするだとか言っちゃったし、

そんなことを思っているうちもだんだんと近づいてくる。

もう触れそうなくらいに近づいてきた。

あーーどうしよう。緊張する。

僕の心臓はバクバクバクバクと心拍数が上がる。

そして、

僕たちは“キス”をした。

すぐに神崎さんは元の場所に戻り、

「私の“ファーストキス”だよ。だけど稜駿は、早乙女さんに先を越されちゃったか。だけど書き換えることはできたよね。」

僕は、神崎さんのこと方を見ることが出来ず顔を伏せてしまう。

「だから稜駿。私言ったでしょ。相手を見ることが大切だって。」

僕はそう言われて、ゆっくり顔を上げる。

神崎さんの方を見ると、神崎さんも頰を真っ赤に染めていた。

「稜駿大好きだよ。」

そう言って狭い場所の中僕を抱きしめる。

「僕もだよ。神崎さん。」

そう言って僕も神崎さんを抱きしめる。

「『神崎さん』じゃなくて、『光莉』って呼んでって言ったでしょ。」

「わかったよ。光莉。」

僕たちは、しばらく抱きしめたあと、トンネルから出て2人とも自転車に乗る。

「じゃあね。稜駿。」

「うん。光莉。」

「私を嫉妬させないでね。」

そう言い残し神崎さんは公園を後にした。

そして、僕も公園を後にした。







いよいよ、神崎編の始まりではありません。


次回は、3人目の登場です。


※ここから3人目が誰かわかってしまうかもしれないので、ここで読み終わりたい方は、今回読んで頂きありがとうございました。








3人目ですが、男です。

この話、注意書きに「ボーイズラブ」の要素が含まれていますよね。

そこから読み取れる人はすごいですが、次回新しい人は登場しません。

つまり、この物語での男は、主人公と•••

という感じです。

ですが、今回で20話目だということは、後4話で第2章が終わります。ですが今回は、第3章にはまたがずに第2章で終わる予定です。

これでネタバレを終わります。


それではここまで読んでくれた方がいたなら読んでくれてありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ