誰かの幸せ
すると突然真っ白な空間はBARの一室へと戻っていた
「お見事!やはり君を選んで正解だった!」
少佐は拍手をし、俺の手を握る
「さぁ!私に聞くことがあるのだろ?何でも聞くといい!」
手を広げ笑顔でこちらに聞く
「俺はタイムリープってのをしてるんだろ?」
「……というと?」
きょとんとする少佐
「俺は初めて会ったはずのお前のことを何故か知っていたし、まるで今までの展開を知っているかのような行動を取ることができていた」
「それで俺の願いは一つだ」
一度大きく息を吸い、少佐に言い放つ
「夜見を生き返らせ、俺を別の軸に飛ばせ」
「何故だ?君にとってはあんな女など気にも留めていなかったではないか?」
と、哀れんだような目で俺を見る
あんな女など?
俺はタイムリープしているのではないかという考えがこの男の反応で仮説などではないと分かった
俺が初めにその違和感を感じたのは夜見に会った時、何故か既視感を覚えたからだ。
そしてそのすぐ後に兵士が夜見の命を狙って後ろから襲おうとしていたこと、夜見が豹変した時、何故か俺はこの展開を知っていたこと。
全てにおいて俺は分かっていたんだ
夜見を殺すこと、これがこの世界でのループを終わらせることだというのも本能的に。
だがどうしても1つだけ分からない、俺がタイムリープしている目的だけが一向に掴めない
「別になんだっていいだろ、化物のお前には分からないだろうさ」
「ほぅ?では私のこの計画、そして私の最後の作戦。その作戦次第で死ぬか死なないかその運命を変更するチャンスを与えようか」
「やり残したことはないか?恐らく二度と戻ることはない」
「……結局、俺の要求を飲むのかさっさと答えを言え」
俺は急かすように言う
「まぁ結論としては夜見を生き返らせるなんて嫌だね。とても嫌だ。蘇生なんてものは死者への冒涜としか思えない、死なせたくないと言うなら自分で未来を変えるがいい!救いたければ過去をに行って私の過ちを止めるがいい!吸血鬼を!我らを君一人の手で!」
「あぁ、お前の野望とやらも止めて自由にしてやるよ、何度も繰り返すのはお前自身辛いだろ?」
「ふん、戯れ言を言うんじゃない、人間風情が」
少佐が手を合わせてパチン!と音を立てると俺の意識は段々と薄れていった
______________
目的が分からない?
いや、これが俺の目的だったな…夜見を救い出し、少佐を止めること。
俺が戦い続けてきた理由…
何度も何度もやり直した挙句見つけることのできた答え
「そうか…だから俺は…」
俺の…俺だけが成し遂げることの出来る誰かの幸せ……
確かなる決意を抱き、俺は過去へと飛ぶ
これで最終回となります。
壊滅的なサブタイトルに薄っぺらい戦闘描写などが多々ありましたがここまで読んでいただき、誠にありがとうございました。
また気が向いたら書かせていただくので読んでいただけると嬉しいです。




