ポコとミーナの一時
初注意:今回はほのぼの系です
とにかく、ここを吹っ飛ばしたポコはため息をひとつついて辺りを見渡して伏せている皆に言葉をかけた
「もう大丈夫だよ、みんな」
じと目でにらむ皆・・・・僕そんなに悪いことしたつもりはまったくないのだが
ポコはそんなことを考えていたが無邪気とは恐ろしいと思う、邪気が無いというのだから誰もそこまで叱れないというもどかしさ
あたりは大ききなクレーターとなっていてその中に四人、ぽつりと立っているのはまさに地獄だ
一面、クレーターを除く大地がまっさらな荒野となっている
「殺す気かよ?」
真が首を締めてくる、こっちが殺されそうだ
「だけど・・・いいの?葉銀君・・・真君・・・」
ポコ達の味方をすると言う事は全世界を敵に回すと言う事に相違ないだろう、かつて愛した者、友人、知人たちを相手に戦う、そういうこと
「水臭いぞ、俺は最初からお前たちの味方だ・・・問題ない」
こっちに外套で目だけ隠された顔が笑っている、真も隣で激しく首を振っている・・・これで決まりだ。
「僕たちはこれから世界を変える、差別ない世界に・・・だれも泣かない世界に・・・その為に・・・僕は魔王になる」
そんなこんなで僕たちは町に潜伏することになった
「あ、お帰りなさいポコ先輩」
僕らが隠れ家にしている一軒の家に偵察から帰った僕をミーナの笑顔と料理の臭いが出迎えてくれた
「お腹空いたー!今日の献立は何かな?」
ミーナはニコニコして器に料理を盛りながら
「大根のお煮付けとアジの塩焼き…お味噌汁です!」
白い白米と共に僕の目の前に運ばれてくる
腹の虫が早く食わせろと文句を言っている
「美味しそう!早く食べよう」
僕とミーナは一緒に食卓に着く手を合わせていただきますと言った
余談と言うかなんと言うか、僕は髪の毛を茶色に染めて身長を魔法で伸ばし、ミーナは羽を隠し髪を短く切って黒く染めている
これだけでもかなりごまかせる変装となっている
「あ、ミーナ」
僕は思い出した様に口を開いた
ミーナは口をモグモグ動かして器用に首を傾げた
「明日デートしようか」
ミーナは口の中の物をゴクリと飲み込んで百万WaTの笑顔を僕に向けてくれた
「はい!喜んで行かせていただきます!」
本当に可愛い笑顔だ
「んで、どこに行こうか?」
僕がそう尋ねるとミーナは首を傾げて一生懸命にご飯をかきこみ始めた
あ、食べてから話した方がよかったな
二人共ご飯を食べ終わり、本題に入る
「どこ行きたい?」
「そうですねぇ…バイト代も今月は裕福ですし……映画でも見に行きませんか?ほら、これ!」
ミーナが僕に渡してきた割引券には【恋の魔法陣】と書かれていた
今話題の作品だ
「いいね、行こうか?三回目のデート」
あの日以来僕たちは恋人同士となっていた、とは言ってもまだキスもしてないし手を繋いで歩く位だ
「はい!ボク…嬉しいです!」
ミーナの笑顔には僕の疲れを一瞬で癒す力でもあるのだろう
僕はいろいろと元気になった
「んじゃあもう寝ようか?2時なるよ…ふああ…」
「そうですね、おやすみなさいポコ先輩、私も洗い物したら寝ます」
ミーナはそう言って食器を下げ始める、こう見ると結婚したての夫婦にみえるのかな
「おやすみミーナ」
僕はそんな事は言わず自分の寝室に入る、布団を被るとすぐに眠気が襲って来た
カチャカチャとミーナの食器を洗う音を子守唄に僕は眠りについた