空作りのまち
久々の快晴の日、少し湿った原っぱにちょこんと座って、クリィは空を見上げていました。
砂時計のような美しい曲線が、上に広がりながら空を紡ぎ出していました。
クリィは空作りのまちの女の子です。
ここでは、空のもとと空の草を混ぜて、薄く延ばして空を作っています。
空のもとはとても軽くてそのままでは飛んでいってしまうので、空の草を混ぜてちょうどよい重さにするのだと、クリィは学校で教わりました。
空のもとは真っ白なのですが、空の草と混ぜると鮮やかな青色になります。
クリィはこのできたての青色が大好きでした。
でも、今日の空は何かがおかしいと、クリィは気づきました。
遠くの空に、小さなひびがあるような気がしました。
そこだけ色が薄いようにも見えます。
クリィはその場所から目が離せません。
でも空はどんどん離れていくので、しばらくすると見えなくなってしまいました。
「また空を見てるの?」
後ろから声がしました。
振り返ると、クリィのお母さんがいました。
「あなたは本当に空が好きねえ」
とお母さんが言いました。
クリィは、空のひびのことをお母さんに話そうと思いました。
「お母さん、空、割れちゃうよ」
お母さんは笑って言いました。
「お母さんはあなたの倍以上生きてますけどね。空が割れるのなんて見たことも聞いたこともないわよ」
クリィは合点がいきません。
でも、何度話してもお母さんは笑うばかりでした。
「あら! 飛行船が来たわよ」
お母さんがこう言ったので、クリィは空の話をやめなければなりませんでした。




