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第7章 - 日本語訳

物語が始まる前にちょっとした注意!!

私は日本語のネイティブスピーカー/ライターではないので、この物語の大部分はChatGPTを使って翻訳しています(◞‸◟)

でも、この物語はこのサイトの雰囲気に合ってると思ったので、ここに投稿させてもらいました!

フィードバックや建設的なアドバイスをもらえたらとっても嬉しいです!ദ്ദി(ᵔᗜᵔ)

「へっくし!」

海王カイオが大きなくしゃみをし、濡れた毛布を腰にぎゅっと巻きつけた。

あの騒ぎから一時間ほど経った頃。案の定、外に出ることの少ない彼はあの雨でしっかり風邪をひいてしまったらしい。

今、海王はアグリッパと一緒にマヤの家に避難しており、三人は広い一部屋のみの家の中央に設けられた暖炉のそばで横になっていた。


「子どもでもそこまで簡単に風邪ひかないわよ……」

マヤは呆れたように呟き、温かい茶をひと口。

「前にも聞いたけどさ、やっぱあんた、伝説の戦士じゃないわね……ぷっ」

ちょうどその時、海王がまたくしゃみをし、マヤは声を上げて笑った。


「う、うるさい! ぼ、僕らは君たちと免疫が違うのかもしれないだろ! もしかしたらこの雨に“治らない呪い”でもあって、僕はもうすぐ死ぬのかもしれない! ほら、その時どうするのさ! 死ぬ直前まで僕をバカにしたんだから、君のこと一生化けて出てやるからね!」

海王はわざとらしく指を突きつける。濡れた腕から水滴がぽたりと薪の近くへ落ち、じゅっ、と小さく蒸発した。


「物騒ねぇ。嫌いじゃないけど〜?」

マヤも負けじと同じ調子で返す。


「はいはい、二人とも落ち着くっスよ」

アグリッパは二人の頭をぽんぽんと撫でた。

「海王、雨ごときで死にはしねぇっス。俺だって色んな毒殺パターン見てきたけど、そんなんじゃねぇっスよ」

彼は優しく笑い、二人の間に腰を下ろした。


「……ふん。ならいいけど……」

海王は腕を組み、鼻をすすりながら窓の外へ目を向ける。

雨脚は強い。窓越しにもはっきり分かるほどだった。

「ところで、あれは何?」

道のように並んだ明るい黄色の石を指差す。


「ああ、あれは“結晶化した火石”っス」

アグリッパも外を見やる。

「昔、長老に聞いたことあるんスけど……たしか何百年も魔法使ってるうちに、大気に魔力が溜まって、それが結晶化して……とかそんな話だったっス。細けぇとこは忘れたっスけど」

アグリッパは気まずそうに無精ひげをかいた。


「惜しい。正解の半分くらいってとこね」

マヤが補足するように言う。

「魔法を使うと微量の魔力が空気に混ざるの。特に大都市とか王都みたいに人が多い場所は濃度も高い。で、その“魔力のかたまり”が長い時間かけて石になるわけ。ま、雲の石バージョンって思えばいいわ」

彼女はにやりと笑った。

「テストなら40点中10点ね。おめでと、デカブツ」


「この世界、なんか変だな……」

海王はぼそりと漏らした。

「王都って何?」


「お、これは俺でも分かるっス!」

アグリッパは胸を張る。

「王都ってのは、この大陸――アルス・ノヴァの“中心”。大陸の名前はルキウスっス。俺らが向かってるサヴァからはちょいと遠いスけど……行きたきゃ連れてってやるっスよ」


「は……? ルキウスに? 獣人のあんたが? 正気?」

マヤが言い終える前に、アグリッパはそっと彼女の唇に指をあてた。


「分かってるっスよ……」

アグリッパは低い声で続ける。

「だから途中で“可視抑制の外套”買うつもりっス。それに……ルキウスは他大陸との境界。ここを抜けるしか……俺……いや、“俺たち”が逃げる道はねぇっス」


マヤはカップを握りしめ、沈んだ声で言う。

「……でもさ、その外套って、人の注意が向かなきゃ効果あるだけで……あんたみたいなデカい図体はすぐ目立つじゃない。

それに……“向こうの大陸”が、獣人を今よりマシに扱う保証なんてどこにもない」


「……それでも、賭ける価値はあるっスよ」

アグリッパは暖炉の火をじっと見つめ呟いた。


海王はそっとアグリッパの肩にもたれる。

「詳しいことは分からないけど……つまり、ここから外には出られないってこと?」


アグリッパは短く頷く。

「そうっス。もう何百年も。理由も、他の種族も同じなのかも分からねぇ。ただ……文句言わなきゃみんな静かに暮らせる。食い物も水もある。

だけど獣人は……“奴隷”か“魔獣の餌”の二択っス」


アグリッパは首を振り、表情を和らげた。

「暗くなんで申し訳ねぇっス。雨宿りと茶、助かったっス、マヤ」


「いいのよ。あんたたちならいつでも来ていいから」

マヤも静かに笑う。


「サヴァには……雨が止んだら朝一で向かうっス」


「また一人で行く気……? 今の話聞いてたでしょうに……」

マヤが呟く。


「だから、それは……」


「危険? リスク? 死ぬかも? そんなの分かってるわよ。

でもね、私もうガキじゃないの。自分で身を守れるくらい出来るでしょ。

お願い……私も連れてってよ……」


暖炉の火が、ぱち、ぱち、と静かに鳴る。

数秒……けれど何分にも思える沈黙。


そしてアグリッパは、深くため息を吐き――小さく頷いた。


「……分かったっス。

ただし、危ねぇと思ったらすぐ戻る。それだけは守るっスよ」


マヤは涙を滲ませながらも大きく頷いた。

「うん! もちろん! 任せなさいって!」

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