第6章 - 暴風雨の中で
物語が始まる前にちょっとした注意!!
私は日本語のネイティブスピーカー/ライターではないので、この物語の大部分はChatGPTを使って翻訳しています(◞‸◟)
でも、この物語はこのサイトの雰囲気に合ってると思ったので、ここに投稿させてもらいました!
フィードバックや建設的なアドバイスをもらえたらとっても嬉しいです!ദ്ദി(ᵔᗜᵔ)
時の流れは本当に早いものだ。
あの二人の友人が言い合いをしたり、笑い合ったりしている姿を見ていると、カイオの胸にはほのかな温かさが広がった。
空を見上げると、夕焼けの橙色が広がっている。その光はどこか心を落ち着かせてくれるが、地平線の先には暗く重たい雲が漂っていた。――どうやら、もうすぐ雨が降りそうだ。
アイスクリームはすでに溶けてなくなっていた。
ほとんどを食べたのは狐の獣人アグリッパで、カイオはマヤを通して彼の昔話を聞いていた。
どうやらアグリッパは獣人というだけで噂の的にされ、子どもの頃は酷い虐めを受けていたらしい。
カイオの胸に、知らず知らずのうちに罪悪感が込み上げてくる。
吹きつける風が彼のジャケットと髪を揺らし、それに気づいたマヤが口を開いた。
「そういえば聞いてなかったけど、カイオってここ出身じゃないでしょ?どこから来たの?」
「えっと、俺は――」
言いかけたその時、アグリッパがそっとカイオの口の前に手をかざした。
「俺が説明するっス。」
そう言って、カイオも不思議そうに頷く。
「ほら、前に連絡しただろ?新しいギルドに入ったって。覚えてるか?」
「うん、覚えてるよ。なんか変わったヒーラーをリーダーが入れたとか言ってたっけ? その人、兄弟とか?」
マヤはスプーンを舐めながら首を傾げる。
「いや、そういうわけじゃねぇんスけど……まぁ、同じ場所の出身、ってとこっスかね。」
アグリッパはぼそりと呟く。その嘘は、マヤの目にはあまりにもわかりやすかった。
「やっぱり何か隠してるね。アンタ、昔から嘘つくの下手なんだから。」
スプーンを突きつけるようにして彼女が言う。
「ちぇっ、仕方ねぇな。」
アグリッパは舌打ちして肩をすくめた。
「二人とも……“日本”ってとこから来たんスよ。」
「……うそ、まさか! じゃあ、あの伝説の戦士たちと同じなの!?」
マヤは勢いよく椅子から立ち上がった。
「異世界から来た強大な戦士たち! その中に“日本”出身の人がいたって記録、ちゃんと残ってるんだよ!」
興奮で目を輝かせながらカイオを見つめるマヤ。
その視線に、カイオは少し居心地悪そうに俯いた。彼女はすぐにそれに気づき、咳払いして椅子に座り直す。
暗雲が夕空を覆い始めていた。
「こほん……ごめんね、ちょっと取り乱した。
実は私、“セペア”の歴史にすごく興味があってね。昔々、異世界からやってきた戦士たちが邪悪な王を討ち倒した――そんな伝説が残ってるの。ずっと作り話だと思ってたけど……あなたがここにいるってことは、本当だったんだね。」
そう言って、彼女は柔らかく微笑んだ。
その直後だった。
空が大きく唸りを上げ、雷鳴が響く。三人とも肩を震わせた。
「……こりゃ、本格的に降るな。」
アグリッパは空を見上げながら、空の器を机に置いた。
「行こう。宿を探さねぇと。」
「せっかく来たのに……もう行っちゃうの?」
マヤの声は風にかき消されそうなほど小さかった。
肩を抱くようにして、俯く。
その呟きに、アグリッパは足を止める。
彼の耳が少し垂れ下がった。
「なぁ、マヤ……」
何か言おうとしたその時――
川の向こう岸から、悲鳴が上がった。
「リュクリギスだーっ!!」
三人が振り向くと、橋を渡って逃げてくる人々の姿が見えた。
そして、彼らを追うように現れたのは――
暗い青色の毛並みを持つ六匹の狼。
尾の先には紫の炎が燃え盛り、三つの真紅の瞳が獲物を見据える。
そのうちの一匹が、橋の上に取り残された少女へと飛びかかった――!
「ヴルペス!!」
轟音のような叫びとともに、その巨体が弾き飛ばされた。
拳を振り抜いたのはアグリッパ。
膨れ上がった獣の手をぶらつかせながら、息を荒くして吠えた。
「かかってこいよ、クソッタレどもッ!!」
「ちょっと、あんたも何かしなさいよ!!」
マヤがカイオに怒鳴る。
彼は椅子の陰に隠れて震えていた。
「ど、どうすればいいのかわかんないんだよ!!」
「伝説の戦士なら、武器くらい持ってるんでしょ!? みんなそうだったじゃない!」
カイオが首を横に振ると、マヤはため息をついた。
「もう、仕方ないな……」
ポケットから小さなクロスボウと矢の入った袋を取り出し、カイオへと投げ渡す。
「私はまたアンタを一人にしない。今度こそ、守る番だ。」
そう呟くと、マヤはもう一つのポケットから二本のスイッチブレードを抜き放ち、駆け出した。
「カイオ、援護お願いね!」
「ちょ、まっ――!」
カイオが言葉を発するより早く、マヤは狼の一匹を切り裂き、アグリッパの背後に立つ。
「お前、何してんスか!」
背中合わせに構えながらアグリッパが叫ぶ。
「アンタの尻拭いよ、バカ! 後ろは任せて! カイオが援護してくれる!」
マヤは短く言い放ち、もう一匹の首を裂いた。
「はい、二匹目終わりっと!」
カイオは震える手でクロスボウを握る。
高校時代、弓道部に少しだけいたことを思い出す。
――できる、やれるはずだ。
一度深呼吸し、矢をつがえる。
照準を合わせ、放つ。
矢はアグリッパの巨大な腕すれすれを掠めて飛んだ。
「危ねぇっての!!」
アグリッパが叫びながら拳を振るい、別のリュクリギスを叩き潰す。
「ご、ごめん!!」
カイオは慌てて次の矢をつがえた。
雨が激しく降り始め、視界が霞む。
それでも、狼たちの炎はなおも燃え盛っている。
矢を放つ。
今度は一匹の口元に命中した。
悲鳴を上げ、狼がのたうつ。
さらにもう一矢。
矢は真紅の目を貫き、紫の血が溢れ出す。
血が地面に落ちるたび、濡れた草がじりじりと焼けた。
「ふふっ、ナイスショット、カイオ!」
マヤは笑みを浮かべ、倒れた狼の首を斬り落とす。
残る三匹は警戒の唸り声を上げると、そのまま闇の中へと逃げ去った。
追うことはできなかった。
雨脚が強すぎて、もう何も見えない。
三人は荒い息を吐きながら、その場に立ち尽くした。
「はぁ……今度こそヤバいと思ったよ、ほんとに……」
マヤは苦笑し、刃を収める。
「バカ言うな! お前、無茶しすぎなんだよ!」
アグリッパは彼女の肩を掴み、震える声で怒鳴った。
その手は、いつの間にか人間の姿に戻っていた。
「アンタこそ、私を信じなさいよ! あんたが私を支えてくれたんだ、今度は私の番でしょ!」
マヤの目には涙が滲んでいたが、それを雨が隠した。
「俺は……お前に呪いなんて背負わせたくねぇんスよ!!」
アグリッパの叫びが雨音に混ざる。
「“呪い”? そんなの、アストラル・ノヴァ騎士団が勝手に作った口実じゃない!
あんたたち獣人をほとんど絶滅させたくせに、残った者たちは奴隷か、悪魔の餌よ!」
マヤの声が震えた。怒りと悲しみが混ざっている。
アグリッパは言葉を失い、ただ雨の中で視線を逸らす。
その先には、静かに近づいてきたカイオの姿があった。
「二人の過去はよくわからないけど……それでも、俺たちはもう仲間だろ。」
カイオはゆっくりと手を伸ばした。
「一人じゃない。これからは、俺たちがいる。」
三人はその場で抱き合った。
冷たい雨が打ちつける中、奇妙なほど温かいぬくもりがそこにあった。
――皮肉なことに、それはアグリッパが“心からの温もり”を感じた、初めての瞬間だった。




