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3 死にたくない……

《忘れちゃった人のためのこれまでのあらすじ》

 神、話、長すぎ! きェェエエェェェェェ(交通事故で死んだけど)ェエエエエェェェェエ(生き返りたいから絶叫)エエェェエエエ!!!(してたら神様登場した)

 

「でー、そこにね、今めちゃくちゃヒトが居るわけなんだけどー」


 こいつなんで止まらないんだ?

 かれこれ5時間に渡って延々と喋り続けているこの神、あれか? 長話の神とかなのか? と思うほど口を閉じる気配がない。口を挟む隙もないし。

 俺は途中、具体的に言うと2時間を過ぎたあたりから何も話を聞いていない。

 その2時間分の話も要約すると

 ・この事務所は日本の国会議事堂の中身を参考にした

 ・外側はパルテノン神殿を参考にした

 ・正直ここら辺で一番かっこいいと思う

 だった。逆にすごいな、話の引き伸ばし方。これで2時間か。

 仕方がないので、紅茶とクッキーをかじりながら完全に聞き流す態勢に入っている。拘束はいつの間にか外されていた。神パワーすごい。


「そこで、君にチャンスをあげようと思うのね」


「え?」


 何だ突然。


「君、生きたいんでしょう?」

「生きたいですもちろんです生きられるなら何でもします」


 なんだかよくわからないが、奇跡的にこちらの要求が通じたっぽいぞ! ここから一気に畳み掛けて相手を錯乱させればきっと……!


「じゃあ、こっちの世界で美少女に転生してみてくれない?」

「きっ……」


 多分神様に対して最も飛び出してはいけない言葉がまろび出そうになったので慌てて口を抑える。

 危ねえ、キッショとか言ったら多分希望消えてた……

 俺はもしかしたら今やべえ奴に捕まっているのかもしれない。だが! 諦めてはいけない! そこに生きる術があるのなら! 飛び込むまで!


「……いい、ですよ」

「えー、ホント! ? やったー!」

「ただし、条件があります」

「なんでも言っていいよ、全部叶えてしんぜよー」


 よし、言質はとったぞ。あとなんか口調がゆるいな。大丈夫か?


「まず、不老不死にしてください」

「はいはい」

「寿命とかはなくて、何が起きても、絶対に、死なないようにしてください!」

「うーん、それだと種族はエルフとかかな」


 耳尖ってるやつか。まあ人間じゃなくても死なないならいいや。強そうだし。


「あとなんかチートがほしい」

「具体的には?」

「……飯に困らない?」

「りょうかーい」


 少し欲が出てしまったが、まあ、神はにこにこしながら聞いていたので大丈夫だろう。多分。


「あ、UIはゲームみたいなので良いよね?」

「ゆーあい?」

「ステータスとか見れるようにしとく? ってこと。……あれ、最近こういうの流行ってるんじゃなかったっけ?」

「友人がそんなようなことを言ってたような気も……」


 俺はハーレム作りてーなーギャハハハと続けていた気がする。


「んー、とりあえず転生してから改良してこうか」

「てことは、俺はまだ死なない……」

「そーゆーこと。おめでとー!」


 神がぱちぱちと手を叩く。じわじわと喜びが湧き上がってきて、俺は、


「やったァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア! !」


 叫んだ。今までここに来てから一番の大きな声で叫んだ。いえーい!


 俺 ☆ 復 活 ! !


 やっぱり頑張れば努力は報われるってことだな! 死ななくていいって最高!


「じゃあ、この契約書にサインしてね」

「はい!」


 渡されたのは少し分厚い紙。透かし模様も入っていて豪華である。やっぱり神だから紙にもこだわるのかな。

 細かい文字でなにか長々と書かれているのは全て読み飛ばし、一番下の四角い枠に


 雲遊(ウニュウ) 悠斗(ユウト)


 とサインをして、俺の復活は決定事項となったのだった。



 俺の人生は、これからだ!


 何をもってして生きるというのか…… 私はよくわからないので、そこら辺がぼんやりしてしまうのです。

 狂人のふりをするものは狂人だ、と言ったそこの君! 良い眼の付け所だね……ちょうど眼窩にはまるように? 賢いなぁ!

 ふざけてはいません。場所をわきまえていないだけなんです。ほらこの通り、あ、ちょっと、そこで前転は痛いんじゃないの、頭皮とか、わあ……


『次回、主人公死す! 決闘待機(デュ工ルスタンバイ)!』


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