2 生きたくない?
本日2話目です。
「死にたくなアアアアァァァァァアアァァァァァアァアァァァアァい! !」
先ほど叫んだと言ったな。あれは嘘、ではないが重要な情報が足りていない。
実際には、
地面に大の字に寝転がって両手足を力の限り振り回しさながらまな板の上の鯉のようにびたんびたんとのたうち回りながら、叫んだ。
しかも成人男性。周りがドン引きするわけである。
「あのぅ、そうはおっしゃられますが、貴方はもう……」
「嫌アアァァァアアアァァァアアアアアァァァァアアアァアアアアア! !」
びったんびったん。
「ねぇ、あれなぁに?」
「指さしちゃだめよ」
天使と女神(推定)がなにかヒソヒソやっている。周りの死者(推定)も迷惑そうだ。
まるで不審者のような扱い。ひどい。確かにこの行動はいささか不審かもしれないが、その原因の一端はここにあるのに。
実はここ、天国ではないらしいのだ。
ここは死んだものがとりあえず集められる場所。ここから自分で行き先を決めて、「天国」やら「地獄」やらに行くらしい。ちなみに地獄は常に定員割れしてて困ってるって担当の天使さんが言ってた。今は俺の横でおろおろしている。すまねえな。でも俺も命が懸かってるから……。
話を戻すと、ここは死者の待機場所。つまり、ここから手違いなどが発覚すると生き返ったりすることもあるらしいのだ。
このチャンス、逃す手はない。絶対に俺は死にたくないんだからね!
そして冒頭に戻る。
「死ィにィたァくゥなァアアアァァァァァァアアアアァァァアアァァアい! !」
「雲遊さぁん…… 一旦落ち着いて……」
ごめんね担当さん! 俺は駄々でもパンでもなんでも捏ねるよ! 生きるためなら!
「どうしたの?」
「あ、ザエリス様」
ザエリス様? もしかして神か?
ということは……
神様である
↓
神様に駄々をこねる
↓
こんなやつの相手したくない
↓
「ここから出てけー!」
↓
俺 ☆ 復 活 !
完璧なフローチャートが出来てしまった。うおお、やるしかない!
「俺ェェェエエエ死にたァァくなアアァァァァアアアアァァアアアいよオオオォォォオオオォオオ! やァアアアアアァァァァァァアアアアァァだァアアアアアァァァアァァァァァ!」
「えー、どうしよっかなー」
は? どうしよっかなーって何。
「あの、ザエリス様……」
「うちのとこ来ない?」
「死にたくなアアアアァァァァァアアァァァァァアァアァァァアァ」
「わかった!」
「あの、あの……」
あれ、全然話が通じないぞ。愛想も尽かされないし。完璧なフローチャート(仮)の第一ステップしか踏んでないのに。
おかしい。
さらに叫ぼうとしたら普通に手で口を塞がれた。さすが神……力が半端じゃないぜ。
「雲遊さん!? ちょっとザエリス様、困ります!」
「もがむぎむむむぐぐぐぐぐぐむむむ」
それでも俺は諦めない! 死にたくない! 死にたくない!
発声は禁じられても手足は自由! ならば鯉、いや龍のごとく暴れてみせようじゃないか!
びったんびったんをどったんばったんに格上げして暴れ狂う。
「とりあえずここじゃ何も出来ないから、うちの事務所に行こっか」
「むぐも?」
事務所?
「そー事務所。リエルはもう帰っていいよー、手続きこっちでしとくから」
「……雲遊さん、すみません……お助けできず……ご無事をお祈りしています……」
ああ、担当さんが申し訳無さそうに去っていく! 俺の方こそ申し訳ないよ! 次会えたら謝ろう。
死にたくない死にたくないと暴れ続けてみても所詮はヒト。神パワーでずるずる引きずられて、結局事務所とやらに連れて行かれた。ふよふよしている地面だったから良かったものの、普通の地面(土とか砂利とか)だったら顔がモザイクものになっていただろう。
いや、そんなのはどうでもいい。モザイクものでも生きていたならなんでもいい。
ともかくこの状況は非常にまずい。
神に連れ去られてやってきた事務所とかいうところ。妙に見覚えがあって立派なそこの一室で、豪奢な椅子に適当にぐるぐると、これまた高そうな紐? リボン? で拘束されていた。
目の前にはティーテーブル、その向こうに神様。神様が、何度目かわからないがティーカップをおいた。
「それでねえ……」
神の!話が!終わらない!
筆が遅〜〜い。今日「なんかこういう話書こうとしてたよね〜」とか言って始めて、ストックとかないので、もう、気合いです。プロットもねえ。
狂ったやつには狂ったやつをぶつけてみろって心の中の天使が言ってた!(誰)
誤字脱字等がありましたら、一発ぶん殴ってから直してやってください。喜びはしません。
ここで切って良かったのかな……