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とある小説を投稿した作者の絶望(加筆修正版)

作者: 柴犬

前回の短編に手を加えた物です。


内容は殆同じです。



詳しく書いただけです。


 


 僕はとある小説投稿サイトの常連である。


 読み専門ではなく小説家の方だが。


 このサイトに入り浸り気がつけば八年。


 気がつけば長く居たものである。



「切っ掛けは何だったか……」


 ああ。

 思い出した。


 漫画家に成りたかったんだ。


 25歳の時だ。

 僕は陰鬱な思いで仕事をしていた。

 だけど漫画家に成りたい思いが強く上手く行かなかった。

 

「福岡の専門学校に行けばなんとかなると思ったのが運の尽きだった」



 結果は惨敗。

 致命的な絵の下手さ。

 パースの理解力の乏しさ。

 ストーリー構成の不足。


 全てが駄目だった。


「そうして働きながら漫画家を目指したけど此れが止めだったな」



 一言で言えば環境が悪かった。

 親からの干渉が酷かった。


 そうとしかいえない。


 特に母親。



 原稿を駄目にすること数十。


 デッサンの練習を親切のつもりで台無しにする。


 徹底的に作品を貶す。




 多分。


 漫画家に成ることを断念しなければ殺してたと思う。





 アパートで一人暮らしを考えたがそれも断念。


 母親が干渉するのが目に見えてるから。


 過去の経験で分かる。



 


 いや本当に。


 母親を殺さないでいたのが奇跡だろう。


 

 いや本当に。


 良い母親なんだろう。


 でも厚生年金手帳の古い物は捨てて良いとか。


 適当なことを言う人間性は信じられない。





 それで親からの干渉を受けず創作活動をと考えたのが小説。


 しかし。


 普通に書いてもプロに成れない。



 それで投稿サイトを調べたんだが……。


 パソコンの問題があった。


 まあ~~直ぐに解消されたが。




 機械音痴で悪戦苦闘してここまで来たんだ。


 八年。


 感慨深い物がある。



 まあ~~ね~~。


 でもね~~。


 このサイトの常連の中ではまだ若手に分類されるがね。


 中学から投稿し続けてる年長者に比べればねえ。





 いや本当に。


 努力が足りん。




 そんな時だった。






 このサイトの季節ごとの企画に今年も投稿しようと思った。


 練習のために。


 そうして何時ものように書いて投稿した時の事だ。


 異変が起きた。


 異変が。



「おかしいな~~何でアクセスがないの?」


 普通なら投稿した瞬間に数分内にアクセスされるのに……。

 


「こんな時もあるか」



 いつもなら投稿した瞬間に有るアクセスが無い。


 気のせいかな?


 そう思い時間を置いて見た。


「二分経過したから見るか」


 あれ?


 アクセスがない。



 気のせいだろう。



「多分」


 時間を更に置いた。




「さてともう一度見るか」




 アクセス数が0。




「え?」




 投稿してからずっと。



「嘘だろう」





 誰も見てない。




 誰も。




 誰も。



「そんなまさか」


 面白くない。




 そうなのか?


 そうなんだな。


 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。

 面白くない。




 絶望が心を満たした。






 自分の中で何かが無くなった気がした。




 作者として。




 小説家としての夢を諦めるか。




「よし小説家になるのは止めよう」





 そう思った時だ。



「あ……再投稿したら良いかも」


 リセットしたら上手くいくかも。

 そう考えての事だ。




 そうして最後の希望を胸に再投稿することにした。


「たのむ……見てくれ」






 再投稿したらアクセス数が増えました。




「凡ミスかいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!」



 夜中に吠えたら親から怒られた。

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― 新着の感想 ―
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