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71話 色は匂えど

「取れなかった~……」


「結局こっちも1つしか取れなかったよ、はいこれ」


「サンキュ」


 射的は結局1対0で実の勝ちとなった。


 実から手に入れたお菓子を渡され、それをカバンの中に仕舞う。


 それからいくつか出店を巡り、途中遊んだりもしながら。


「そろそろ、食べ物とか買おうか?」


「いいですねぇ~! 何買いましょうか?」


「私は……何でも良いかな。……余程のゲテモノとかじゃなければ」


 そういう訳で、食べ物系の屋台にターゲットをシフト。


 いくつか屋台を巡って夕食になるものをいくつか買った。


 そこで気になることが一つ。


「よく見てなかったけど、皆何買ったんだ? 俺は大きめの焼きそば1つ買ったけど……」


「私はチョコバナナとたこ焼きかな」


「私は漬けキュウリとブドウ飴ですね!」


「……彩梅ちゃんのは……独特だね……?」


 それって相性あんまり良くなさそうだけど……


「センパイはアケビとか買わなかったんですか?」


「彩梅ちゃんは何でそんなに変わり種みたいなのが好きなの……。あとアケビって売ってた? 見なかったんだけど……いやあっても買わなかったけどさ……」


「ありましたよ、正面入り口あたりの屋台で売ってました」


「マジで……?」


「私も見たの憶えてるよ?」


「マジか……」


 何でそんなに人気なの、アケビ?


「皆、机とかなくても食べられそうな感じ? 必要なら探すけど、座るだけでいいなら3人座れそうなところがあったから、どう?」


 本題に戻り、食べる場所について聞いてみる。


「私はそれで良いよ」


「さんせ~い」


 2人の了承が得られたので、先程言っていた場所へと移動する。


「ちょっと暗すぎない?」


「ここまで草木に近いと虫が少し心配ですかね……」


「確かにちょっと暗いけど、虫とかは大丈夫だと思う。寧ろ明るい所には誘蛾灯とか吊るされてるから、そっちの方が虫が集まりやすいかも」


「へぇ~そういうものなんですねぇ~」


 興味があるのか無いのか、彩梅ちゃんは頷いて納得してもらえたようだった。


「じゃ、いただきますっと」


「「いただきます」」


 長椅子に3人並んで座りながら食べ始める俺たち。


「はむはむ」


「もきゅもきゅ」


 松前家組は2人とも長いモノから食べ始めた。


 彩梅ちゃんは兎も角、実はたこ焼きの方がまだ晩飯感のある食べ物だし、チョコバナナはデザート感ある食べ物なのに何故そちらから……なんて思ったけど、持ちにくいからか、と自分の中で解決してしまった。


「もぐもぐ……ごくん」


「ぽりっ……ちゅーちゅー」


 ……何か艶めかしいなぁ。あと、何で彩梅ちゃんは漬けキュウリ吸ってるの?


「まー君、一口焼きそば貰っても良い? ……こっちも、チョコバナナ食べてもらっても良いから……」


「んー……おっけ」


 一口と言いつつメチャクチャ食べるヤツとかいるよなとか思いつつ、実はそんなことをするようなヤツでもないかと思って了承した。


「センパ~イ、私も交換しましょうよ~」


「え? え~……? 漬けキュウリを……?」


 正直、漬けキュウリは別に良いような……。


「そ、そんなぁ……」


「……分かったよ」


 彩梅ちゃんがあまりにも悲しそうな顔をしているがために、思わずこちらも折れてしまった。


 食べ物を交換して食べてみるけど、やっぱり漬けキュウリって……栄養ないよなと思ってしまう。食べ物のボリューム感が無くて彩梅ちゃんは交換を言い出したのかも知れない。


 交換し終わってそれぞれ食べると、その内に2人はチョコバナナと漬けキュウリを食べ終わって次の食べ物へと移ったようだ。


「センパ~イ、もう1回交換しましょうよ~」


「ブドウ飴って交換すると4分の1が無くなるわけだけど、それで良いの?」


「私はセンパイの焼きそばと私のブドウ飴と交換したいと思ったので。全く問題無いです」


 ……やっぱり、漬けキュウリとブドウ飴だけだと夕飯としては微妙なのだろうか?

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― 新着の感想 ―
[一言] 例え将来に試練があるとしても。例え目に見えない危険が彼に迫っているとしても。美人姉妹と間接キスを繰り返すリア充に非リア充が「爆発しろ」と願うのは不可抗力ですよね。 TNT火薬よりもプラスチ…
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