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2話 TenkanしたSei

「……」


「……なんか言えよ」


「ああ、いや、えっと。……ご愁傷様?」


「言うに事欠いてそれかよ」


「改めて確認しておくけど……、ドッキリ……?」


「ではない」


「実は妹さん……?」


「でもない」


「……なるほど」


「何がなるほどだよ」


 “なるほど”以外に言うことが無いから言ったんだけど。そういうことではないか。


「今日休んだのって」


「この体じゃあな。胸に在って股に無いだけで勝手が変わらないなら、大きめの服でも着て、学校側に説明して登校したらよかったんだけど、そうでもないだろ?」


「あぁ……確かに」


 身体の造形がただ変わっただけなら問題は無いだろうが、ホルモンバランスだとか、基礎代謝だとかも変わってしまって、変化したあとの数日から一週間強は大幅に体調に変化があって大変らしい。


 さっき「体調は大丈夫だから」と言っていたが、今は安定しているのだろうか。


「これを知ったお前がなんともなくて良かったよ」


「知り合いが“こう”なったのは初めてだけど、なんというか……特別際立って何かいうこともないな、周りからすると」


「もう少し心配しろよ! さっきの『ご愁傷様』はなんだったんだよ!?」


「ノリ?」


「茶化すなよ!?」


「声がキンキンして、うるさい」


「お前の所為だろ!」


「うるさい、うるさいって」


 コイツ、こんなに感情的なヤツだったっけ?いや、元からうるさいツッコミをする方だったけど、ここまでなのとは違った気がする。これも女体化の影響か?


 まあそれとは別に、女になった影響で黄色い声が頭に響いて痛いってのがある。


「どっちかって言うと実感がまだないって感じだな。事故った訳でもなくて、こうして普通に喋ってるから、コトの重大さが分かってないって言うか」


「それは……そうだな」


 取り敢えず真っ当なことを言っておいて落ち着かせる。


「それはそれとして、学校はどうすんだよ?」


「連休までは休むかな。身体が“馴染む”まで暫く掛かるって話だし」


「その間の学校の課題とか、授業とかどうすんだよ」


「そこは……頼む!」


「はぁ、そう来ると思った。分かった、写す為に日ごとにノート持ってくる」


「おお! 助かる!」


「貸し1な」


「それは助からない!」


「やっぱりうるさいな」


 こんな態度でも一応は軽く心配していたが、それも必要なさそうで、一先ずは安心したのであった。

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