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128話 LASTART

 さて、高校3年の始業式を迎えて高校最後の年が始まった。


 成績も留年が危惧されるほど低い訳では無いし、事故に遭ったりしない限りは卒業できるはず。……これ事故フラグになったりしないよな? 流石に。


 で、気になるクラス分けは……。


「去年と変わり映えはしないね」


「仲良いと別クラスにさせられるとか中学までは感じたけど、高校では結局3年間俺たち同じクラスだったな」


「船木、河豚名、林さんも同じだもんね。林さんは1年の時は別クラスだったけど」


「この高校のクラス分けの基準は一体どうなってんだろうな?」


 相も変わらずの面子に少し感じる気恥ずかしさを、呆れた素振りで振舞う実をイジることもなく質問を投げかけた。


「さあね?」


 俺の質問を流した実だけど、その頬は淡い桜色が表れていた。


「さ、新しい教室に行こうか」


「うん!」


 こうして始業式後のHRを済ませ、真っ先に放送委員会室へと向かった。


「センパイ! どうも、今朝ぶりです!」


「彩梅ちゃん、今朝ぶり」


 委員会室に向かう廊下を歩いていると、今朝一緒に登校した後輩に声を掛けられた。


「委員会室までご一緒しても良いですか?」


「聞かれなくても良いけど……」


 告白されて以降、彼女も割と普通に接して来ていたけど、春休みと年度替わりで距離感が掴めなくなっている感じなのだろうか? 春休み中、委員会活動で普通に会話していたと思うんだけど……。


 というか昨日、新入生の入学式で合ってたよね? 確かに殆ど会話は無かったけどさ……。


「おはようございま~す」


 そこまで委員会室までの廊下は距離が無かったので、すぐに到着した。


「はーい、前から言ってたアレ、準備するよー」


「「「はーい」」」


「アレっ? 何かありましたっけ?」


「センパ~イ、忘れてるんですか~?」


「な、何かあったっけ?」


 昨日の入学式で気が抜けたのか、俺は完全に今日の委員会の予定を忘れていた。


「2、3年生は今日、基本部活や委員会活動以外に放課後することないですけど、部活や委員会の生徒の一部と私たち放送委員会の全員は部活・委員会紹介に出るんですよ? ……というか昨年センパイが私たちに紹介してましたよね?」


「……そういえばそうだった」


 去年は入学式と始業式の日の期間が開いていたから考えが連結していなかったのかも知れない。


「それじゃ体育館へレッツゴーです! ゴー!」


「ご、ゴー……」


「……」


 元気だな、彩梅ちゃん……。中途半端にノッた所為で微妙にスベッた感が出たし、実からは不真面目な人間を見るジト目で見られてしまった。視線が痛い……。


「それでは最後の委員会の紹介です。最後の紹介は私たち、放送委員会です」


 そして粛々と紹介を終えて、委員会室へと戻る。


「新入生、来ると良いですね」


「……そうだなぁ」


 放送委員会の大会参加でコンスタントに全国大会に出てはいるけど、そもそも放送の全国大会自体知名度が無いこともあって、委員会に放送を選ぶ生徒は多くない。


 ……全国大会に行っている学内団体は放送委員会以外、一部の部活が偶に行くくらいで、この委員会ほど多くないし、部活が全国に出たときは横断幕などが掲げられたりするのに委員会だとそれが無いのは中々に不公平さを感じるな。


 ま、最高学年となってこんなことを考えるのもあまり有意義かどうかは分からないので、新入生のことは2年生と天に任せて俺たちは後輩たちの指導をどうしていくかを考えていく方が良いかもしれない。


 なんてことを考えてから数日後、今年の新入生は例年より少し多めだったことに驚くのであった。

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