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103話 彩られる心

「はぁ……」


 朝、目覚め、溜め息一つ。


 昨日は激動の一日だった。


 実の胸を揉んでしまったし、それを彩梅ちゃんに見られて詰められた。詰められた上で何故か握手したりハグすることになったりしてしまったし。学校説明会という放送委員会にとっての一大イベントの記憶も頭から遠のいてしまっている気がするほどだ。


 考えてしまう。


 自分とは一体何なのか。


 思春期の学生と言ってしまえばそれまでな気もするけど、しかしてただのそれだけというには、自分自身、納得がいかない。これは未熟さなのか、どうなのか。


 似たようなことが前にもあったけど、今回はそれをなぞってしまい、確証に変わりつつある気がする。それも短期間の内に2度目だった。


 胸を揉んでしまったことはそれはそれで悩みの種だったけど、より大きな問題が後から来た。


 彩梅ちゃんとのハグだ。


 彼女とのハグが、実の胸を揉んでしまったことを上書きした。上書きしてしまった。


 全く以って、単純な男だ。俺は。


 そもそも、なんで彩梅ちゃんはあんなことをしたのだろうか。


 本当に学校だとか、委員会のためを思って?


 でもそれなら、日を変えて、場所は学校の外、なるべく学校関係者に知られないようにした可能性の方が高い……と、思う。


 もしかして彩梅ちゃんは俺のこと……いやいやいや。いやいや。


 しかし斯くも男の性というもの、性欲主軸の記憶だけではなく、人の心まで勝手に想像して希望的観測で考えてしまった。


 どうしちまったんだろうな、俺。


 ……。


 考えている内に、変な考えが過ぎる。


 逆に……、逆に彩梅ちゃんの方に意識を向けてみるというのもどうだろうか。


 彩梅ちゃんは俺に対して2人きりで出掛けに誘ってくれたりしているから、そこまで悪い気は向けられてはいないと思う。


 だが懸念点は勿論ある。


 バレンタインデーに渡しているという本命の人について、だ。


 この1年でかなり仲良くなったと思うけど、結局、その御仁については、分かることは無かった。


 彩梅ちゃんがそういった感情やらを隠すのが物凄く上手いのかも知れないし、その御仁のことを好きではなくなったのかも知れない。


 出掛けたりするときに腕を組まれたこともあったし、その人のことがまだ気になっていたならそのような勘違いされかねないようなことは慎むだろう。


 俺は実との距離を親友として適切な距離感を保てる。


 彩梅ちゃんと付き合えるのなら嬉しくない訳無いし。ま、玉砕しても多少ネタにされる程度で済むだろう。それで実とギクシャクはしないだろうし、彩梅ちゃんもそういったことで“コクハラ”だとか言ってくるような人柄でもないはず。


 うむ、受験シーズン前に決着をつけるべきことはちゃんと洗い出せた。


 これで安心して明日の学校に備えられるな。この気持ちで改めて、人間関係というのを見直していこう。

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