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95話 リパルシェン

―Minol Side―


「もう校内に親御さんらはいないと思いますし、外に出てインタビューを続けますか」


「分かりました。カメラと三脚持ちます」


「松前先輩! 私が持ちますよ!」


「ああ、良いって。それよりマイクちゃんと持って。ケーブルとかも」


 保護者集会を狙ってインタビューに駆けつけるも取れ高は微妙。工夫すれば使いまわせなくもないけど、作品としては話題の伸び代に欠く可能性は高い、といったくらい。


「どこでインタビューします?」


「学校前の大通りでいいんじゃないかな。流石にショッピングモールだと人が多すぎて通行の邪魔になりそうだし。早く行かないと人も減るし、活動時間ももったいない。兎にも角にも出発しましょう」


「はい。……って早っ!? 先輩! 少し早過ぎませんか!?」


 足早に校舎から出る。後輩たちが多少急ぎながら付いてくるのを申し訳なくも思いながら、この足の速度を緩めることは出来なかった。


 まー君と彩梅が仲良く一緒に撮影しているあの場所から、一刻も早く出て行きたかった。


 今でも、あの光景がフラッシュバックする。


 2人がお店で食べさせ合いをする、あの光景を。


 どれだけ理性を働かせて、私があの2人の関係に口を出す正当性がないと分かっていても、私がまー君を好きなのは変わらないどころか、寧ろ更に好きになっていってしまっているように感じる。


「もう~、先輩早いですよ~」


「ゴメン。つい、ね? 心が急いちゃって」


 校門を出てから足を止めて、後輩らを待って心を落ち着かせた。外気の冷たさと肉体的疲労、それらを抑えるための深呼吸がさっきまでこみ上げてきていた不安を静めたのかもしれない。


 学校の外に出て行うことで残りの不安を振り払えるだろうとも思い、真剣にインタビューに臨もうと心に決めた。


「インタビューにご協力していてだき、ありがとうございました」


「ありがとうございましたー」


「いえいえ。じゃ、頑張って」


 手をヒラヒラとさせて、インタビューに答えてもらったマダムが去っていった。


「時間も丁度良い頃ですし、取れ高もこれだけあれば良いでしょう。そろそろ帰りましょうか」


「うん……そう、だね」


「どうしました、先輩?」


「いや、なんでもない。帰ろうか」


 少なくともインタビューをしている最中は顔に出なかった、はず。


「はぁ……」


 他の誰にも聞こえないよう、小さく溜息を吐く。


 逆にというか、寧ろ思った通りというか。外でのインタビューをし始めたときは忘れていられたけど、時間が経つにつれてあの2人のことで頭の中が渦巻いていった。


 どれほど気にしないようにしたとしても、気になってしまう。振り払おうとすればするほど、思いは馳せてしまっている。


「私は……どうしたいんだろう」

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