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ショートショート4月~

迷い犬

作者: たかさば
掲載日:2020/04/29

雨の降るある朝、学校に、犬がやってきた。


なんだかとぼけた、秋田犬タイプの白くて大きな、犬。


あっという間に、子供たちが犬を取り囲む。


犬は、取り囲まれたまま、尻尾を振る。


愛想の、良い、犬だった。


ワンとも吼えず、ただ、おとなしく、尻尾を振る。


大きい犬だったので、誰も触ろうとは、しなかったのだが。


「うわ!こいつ、くさい!!」


誰かが言ったその一言で、子供たちは散って行った。


雨に濡れた犬は、獣臭がものすごかった。


あれほど賑やかだった犬のまわりが、静まり返った。


犬はただ、尻尾を振って、座っている。


私は一人、犬に近づき、声をかける。


「どこから来たの。」


犬は応えない。


「何か食べる。」


犬は応えない。


「どこに行きたいの。」


犬は応えない。


仕方がない。


市役所に電話をした。


職員が来るまで、犬を見張って、共に待った。


犬は、無事、連行された。


次の日学校は、噂で持ちきりだった。


犬が来たんだよ。


すごくくさい犬だったよ。


大きい犬だったよ。


白い犬だったよ。


犬と話してた人がいたよ。


ん?


犬なのに話し合ってたんだって。


犬と話してたんだって。


犬の言葉が分かるらしい。


犬が言うことを聞いていた。


犬を犬の世界に帰したらしい。


犬は尻尾をささげてた。


犬が敬礼してた。


犬が星へと帰っていった。


おかしな犬伝説が始まってしまった。


自分が学校七不思議の一員になろうとは。


今も語り継がれる、犬ババアの、正体は、私。

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― 新着の感想 ―
[良い点] この妙な現実味。クセになりそう [一言] 市役所に電話をした。 ↑自分にはできないし、書けないし、そもそも思いつく事すら不可能
2020/04/29 21:08 退会済み
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