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明日の涙壺  作者: カラスヤマ
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ママにおやすみを言ったあと、僕はベッドの中に素早く潜った。ワクワクしながら目を閉じる。


今日は、どんな夢が見れるかなぁ。



夢の始まりは、いつも突然でーー


最初は寝ぼけているから、気をつけていないと大変なことになる。前に一回、夢の中で崖から落ちそうになったし。


白い光。まぶしい。

乾いた空気。どこまでも広がるサラサラした砂。砂。砂。

まだまだ、砂。

体が、焼けるように暑かった。汗が全身から噴き出す。

砂漠の真ん中に、僕は立っていたんだ。

ここが、夢の中だってことは分かった。

だって、さっきまでベッドの中にいたし。


「また、会えたね。マモル君」


僕に話しかけてきたのは、オモチャのロボット。左手が壊れていて、ぶらぶら垂れ下がっている。僕の夢に必ず登場する相棒だ。


「ここは、どこ?」

「遠い遠い未来だよ」

「えぇっ! 未来は、砂漠になっちゃうの?」

「そうだよ。戦争が起きてね、世界中が壊れてしまったんだ。残ったのは、この砂漠だけ」

「そんなぁ……。空飛ぶ車とか想像してたのに。これが、未来。はぁ~」


砂山の向こう。花火のような音が、聞こえた。

僕は、滑りながら砂山を登った。

山のてっぺんから見下ろすと、お爺さんを一人発見した。ピストルをバンバン撃っている。


「あのお爺さんは、何をしてるの?」

「戦争が終わったことに気づかないで、今も見えない敵と戦っているんだよ。危ないから近づいちゃ、ダメだよ」


なんだか、悲しそう。


「おじいさーーーん!! 戦争は、終わったよーーーー」


僕は、思いきって叫んでみた。お爺さんは、驚いた顔でこっちを見ている。


「……戦争が、終わった?」

「そうだよーーー!!」

「それは、本当なのか?」

「本当だよーー。だから、もう一人で戦わなくて大丈夫だよーーー」

「そうか……。戦争は、終わったのか……。長かった。本当に……。本当に……」


お爺さんは、空を見上げていた。

僕も、相棒のロボットも空を見た。

青空が、さらに青く澄んで見えた。


……………………。

………………。

…………。


ピピピピ。ピピピピ。

目覚まし時計の音がする。


「また、今度」

「うん。またね」


僕は、ロボットとお爺さんに手を振って、サヨナラした。



【 七十年後、僕は、彼らに会う。そして、やっと思い出す。ロボットの隣にいた少年が、『昔の僕』だったということを 】


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