私は俺様最強な只の妄想ではなく、本物の知恵と戦術が大好きです
なろう小説でも少年漫画でもそうですが、主人公を始めとしたキャラクターの描写でよくこういうのが有ります。
・物凄い光線を出して、敵が吹っ飛んで死んだ。同じ技を使う敵との戦いでは光線の太さと力を競い、歯を食いしばって「うおおぉぉ!」と頑張ったら勝った。
・主人公の魔法が最強すぎて、魔法を放てば敵が地形事吹き飛んで消えた。
・物凄いパワーの籠った筋肉キャラで、パンチやキックでクレーターが出来る。
・超俊敏キャラで、一瞬で背後に回り込んで喉元に刃先を当てて挑発された。
むなしくつまらないと私は思います。
ポン〇ッキの様な幼児向け番組が、大人向けの大人の理想とするファンタジーを前面に押し出して歌い踊って熱病にかかったような妄想を表現しているのを見て、悶々とした異物感と嫌悪感を感じるのと同じくらいに、あまり好きでは有りません。
本当の戦術、Art of warはとても美しいもので、多くの人々が感心するものです。
だからこそ歴史的な奇策、作戦が語り継がれて、ドラマや映画になって何度も何度も表現され続けます。
私が最初にその美しさに震えて感動したのは、DOOMと言うゲームの攻略でした。
世界で最も古いFPSの一つで、一人称視点で地獄から来た多数の怪物が埋め尽くすマップを進み、カードキーを手に入れてゴールを目指すゲームです。
主人公は拳銃やショットガン、ロケットランチャーと言った近代兵器で戦うのですが、途中で死亡してしまった場合、そのマップのスタートから拳銃一丁でスタートしてやり直す事になります。
死ななければ前ステージから持ってきた武器は持ち越せます。
で、後半のステージになるとこの拳銃一丁からの復帰が極めて難しくなります。
近場の敵目掛けてパンパン撃ってたら、その音を聞きつけて多くのモンスターが押し寄せて来て殺されたりします。
本来はロケットランチャーで戦うべき強敵を拳銃で相手しなければなりません。
無理だろ、こんなもの無理だ、出来る訳がない。
そう思いながらも攻略本を買って読むと、以下の様なやり方が記載されていました。
・開始したら多数のデーモン(噛みつき攻撃する牛みたいなモンスター)が路地から押し寄せてくるより先に突っ走り、道中の狭い通路に居るインプ(人型で火の玉を放つモンスター)の横をすべてすり抜けてて突き進め。
そして隠し扉内にあるショットガンを入手し、さらに突き進んで火の池に飛び込んで隠し扉を開けてロケットランチャーを入手せよ。
その部屋から出る扉にはその頃にはプレイヤーが起こした多数のデーモンが押し寄せているから扉が開くと同時にロケットランチャーで一掃せよ。
・開始したら四方八方からバロン(ボス級のモンスター)が押し寄せてくるがグルグル走り回って火の玉を回避しながら誘導して寄せ集めろ。
そして隙を見て隣のホールへと駆け込み、カコデーモン(中ボス級モンスター)の大群の周囲をグルグル走り回って誘導して寄せ集め、バロンの放つ火の玉をカコデーモン達に当てて同士討ちを引き起こせ。
どちらかが全滅する頃には、残ったほうも瀕死だから走り回りながら回収した武器で止めをさせ。
実際にやって拳銃一丁から開始して、絶対無理だと思ってた最悪の状況から勝ち残り、クリアが出来ました。
人間は普通、目の前にモンスターが居たら当然手持ちの武器で攻撃を試みますし、そうすると絶対に詰みます。
横をすり抜けてさらに奥に突っ走るなんて発想、出来ません。
それが私が最初に魅せられた戦術でした。
そういった感動出来る本物の戦術はドラクエのような和ゲームではなく、洋ゲーから多く学ぶ事が出来ました。
私は廃ゲーマーだったので、多くのゲームを何度も何度もプレイしました。
その中でも戦術を多く学べたのは以下の様なものです。
〇DOOM
単純に目の前の敵に会えば銃で攻撃する、そういう単純な次元を脱却したエリア攻略。
〇QUAKE3
対戦FPSですが、位置取りの重要性や相手の行動予測をする事を学びました。
相手の動線が分かっていれば、即時着弾しないロケットだって当てる事が出来ます。
〇ウルティマオンライン
ファンタジーMMORPGです。
プレイヤーとプレイヤーの駆け引き、嫌がらせ、どんなに不可能に見える程高難度なダンジョンの奥底でも踏み込めるテクニック。
絶対無理だと思うダンジョンに多数のプレイヤーで向かえば制圧が可能な事。
〇ディアブロ2
多人数プレイ可能なファンタジーRPGです。
無茶苦茶な強さのモンスター、理不尽な属性のモンスターでもあらゆる装備の特性を組み合わせれば攻略が可能な事。
モンスターがびっしり覆いつくすダンジョンを走り抜け、飛びぬけて数十秒の攻略時間で最深部に辿り着いて狩りを繰り返すテクニック。
〇ウォークラフト3
ファンタジー世界のRTSです。
私は廃ゲーマーかつライトゲーマーなので主に多人数戦をやってましたが、2000試合はやったであろうプレイ(アカウントを新旧二つ持ってて、新のほうで自分のアカウントの情報に試合数1700ほど表示されているのは覚えている)で、どんな人がどんな戦術を取り、どんな暴走をしがちか学びました。
起こり得るありとあらゆる戦局は体験したと思います。
〇カウンターストライク
テロリストと特殊部隊のチームに分かれる対戦FPSです。
一試合のプレイ時間が短いので試合数はウォークラフト3の3倍くらいはやったかも知れません。
私はプレイ環境と反射神経には恵まれていませんでしたが、その状態でどういう行動を取ってどういう位置をとれば敵を倒せるかを学びました。
どこに注意を払い、攻めるにしても守るにしてもどう立ち回らなければならないかは普通の人以上に知っているつもりです。
〇Natural Selection
エイリアンと宇宙海兵隊のチームに分かれる非対称の対戦FPSです。
エイリアンは天井や壁を這いまわったり、アップグレードで消える事も出来ますが基本は至近距離戦です。
銃無しで銃を持った集団にどう近づくか、逆に素早く攪乱したり背後から襲い来るモンスター相手にどういう位置取りとタレット配置すれば守りやすいかを学びました。
〇ポケットモンスター
有名な奴です。
意外に和ゲーがここに登場してますが、対戦のテクニックは本当に面白かったです。
ただ強いモンスターを使ってりゃ勝てて当然だと思い、私はそういうのを嫌って捻くれたポケモン選出をしていたので成績は良くありませんでした。
なお、私のパーティは『ゾロアーク』『フワライド』『アイアント』『ミルタンク』『フリージオ』『ルカリオ』でした。
ある程度のポケモンマスターなら私がどんな戦術を取っていたが想像が付くと思いますし、自分の手持ちを見て私が何を選出するか、それに対抗するために自分が何を選出するかこの場で想像が回るであろうと思います。
〇Age of empire2
人類の歴史上の軍隊で対戦するRTSです。
私は新作の3より2が好きでした。
ヒーラーが居るし、まだ銃がメジャーじゃない時代だと騎士が活躍できるからです。
当然どういう場所に陣を張り、どういう攻め方、守り方が有効かを学びました。
騎士、弓兵、弓騎兵、聖職者、攻城兵器、散兵などそれぞれがどういう編成でどうぶつかればどういう結果になるか、どういう事をされれば冷や汗を流すことになるかを学びました。
〇They are billions
多数のゾンビに囲まれたマップで町を広げていくRTSです。
難易度は本当に厳しいほど高く、一体のゾンビが民家を叩いているのを数秒間見逃せば、1、2時間かけて拡大した町が感染者の大暴れに巻き込まれて壊滅します。
難しすぎるんですが、敗北の契機となるのは常に自分の甘さを的確につかれる事が原因です。
間違いが決して許されない陣地構築と、守りやすい地形、守りにくい地形を学べます。
大体FPSとRTSですね。
なのでこの分野においては、全くの素人に比べて小説のシナリオを練る時でも人より深く想像、洞察出来ると思います。
ナイフで銃を持った集団相手に戦うシーンでも、積み重ねの無い人は主人公をスーパーマンみたいにして超人的なスピードで近づいて背後に立ち、喉を掻っ切ったり、敵の撃つ銃弾が全部主人公補正で命中せずに近づくというあっさい物しか作れないでしょうが、私は実際にそれが現実的に可能なシーン、絶対不可能な状況、実際にやったシーンをイメージ出来ます。
無数の架空の戦闘経験の中で、『あっ、これ絶対勝てないな。絶対負けるな』という地形や状況、シーンが何となく感じられます。
そしてそういうリアリティが有る本当の戦術こそ美しい価値のある物だと思います。
まぁ、日本人の中では少数派でしょう。
だからランクインなんて無理な低空飛行を続けているんですね。