最近更新が滞る理由
すいません。
三国志ドラマの日本語吹き替えにハマりました。
面白いですねこれ。
多分子供の頃の未熟な私だったら、面白さは理解出来ない。
小説や原作からどれほどアレンジしてるのか知りませんが、何十話とあって数日間見続けても終わらないくらいあるのにダレる事も無い。
どこかの24時間とか脱獄ドラマのような露骨な引き伸ばしもない。
私が偏見として持っていた、中国人、特に古代中国人の作る物語なんてサイコパス過ぎて情緒が理解出来ない点もあんまりない。
趙雲が必死で助けてきた自分の子の赤ん坊を、ポイッと地面に投げ捨てる劉備のシーンくらいしか無かった。
見てて感心した点を挙げるとこんなですかね。
【感心した点】
・登場する人々の感情や言葉に偽りが無い
「スゲェェ」BOTな登場人物どころか、登場人物全員の考え方や結論に違和感が無い。
しかもそれぞれの言葉が重く深いから、人生経験を経てない子供には理解出来ない。
・策略や政略が良く考えられてて有り得ねーだろがほとんど無い
流石に関羽が無双したりとか有るけど、それは拒絶感なく受け入れられる。
その辺は流石にそういう物語なんだから仕方が無い感が有るからかも知れない。
日本の作家や漫画家は連載で締め切りに追われる中作るせいか、無理な展開や粗は良くあるけど、このドラマは隙が無い。
・長編でありながら、長編としての起伏が付けられて飽きさせない。
劉備の負けまくりなんて普通はブラバ要素だけど、物凄い長期的なカタルシスを与える為の溜めだと考えると有りですね。
序盤は主要人物が苦労して地味な戦いを続けるけど、後半は孔明見たいな妖術っぽいのまで使うスターが登場して少し様相が変わって来る。
・ちゃんと恋愛要素埋め込んでて奥方視聴者も取り込んでいる
呂布と貂蝉の関係とかですね。
・只の国盗り物語ではなく人間ドラマを常に織り込んでくる
だから飽きないんですね。
それが無ければただの軍師が常時小難しい事をいって、兵士がワーワー言ってるだけの物語が続いて飽きられる。
私が三国志に触れる機会、入り口に立つ機会は人生で何度もありましたが、この部分が表現されてない物ばかりだったから、やたら人物が多数出るだけのつまらん物語と思って読むことは有りませんでした。
変な奴が武将や地名を暗唱して喜んでるだけのつまらん物語と思ってました。
【気に入ったシーン】
・「惨敗です!」
ほぼ常時ドヤ顔で達観している曹操が、まだ熟練した戦闘経験を持たない状態で兵を率いて長安に遷都した董卓を責めに行き、帰ってきてボロ負けを報告してブチ切れるシーン。
切れると言う行動と、どれだけ偉そうなこと言ってても慣れない事やったら上手くいかない点がリアリティあっていいですね。
二流な物語なら天才が完全成功させてしまうか、明らかな馬鹿役が馬鹿な負け方してヒーヒー泣くのみ。
逆に自分はリアリティに欠ける孔明は嫌いです。
・司馬懿が曹操が赤壁の戦いで負けた理由を言ったシーン
同じ物事も色んな側面から様々な見方が有るけど、それをよく象徴したシーンで、この人の異質さの表現がいいですね。
こんなの深く色々な物事を知って、積み重ねが無いと物語としてぱっと書けないですね。
曹操の末っ子が暗殺された時も、末っ子が本当に賢い人間では無くこの結果は当たり前だと言ってたシーンもいいですね。
人間はたかが一世紀しか生きられず、記憶も蓄積も全部リセットされて生まれてくるから、この悟りの段階に達してる人なんて現実にも何割も居ないでしょう。
・曹操が寝ずに物音に怯える曹丕を見て、暗殺の犯人を察しながら無かったことにするシーン
行動がいちいち深いし、こんな物語誰もが描けないですね。
やっぱり物語は歴史書じゃ無いんだから、人間の物語を書かないといけないですね。
淡々と戦いと戦術描いてても面白くない。