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趙雲が助けてきた阿斗を劉備がポイ捨てするシーンの意味がようやく分かりました

 GYAOで三国志のドラマが放送されてたので、また最近見始めてました。

 なろうで物語を書く、ストーリーテラーの端くれとして、2回目にしてようやくあのシーンの意味が分かりました。

 これは対比ですね。

 曹操は赤壁の戦いから生き延びた後、自分の生きている間に天下を取る事は無理かもしれないと思い始め、親子孫の2代、3代にわたる戦略を既に考え始めていました。

 なので司馬懿という名士を手に入れ、狡猾な者だと悟ると自分の子の教師にしようとしました。

 自分の私益のみを考えるのではなく、子をあらゆる意味での強者へと育てようとしたのです。

 そして曹沖の死と、曹丕の罪を見ながら「仲の良い兄弟達であり、曹沖は毒鼠に噛まれて死んだのだ」と断定します。


 まずここで、曹操は所詮子供である曹丕をコケ降ろすことも、最悪死罪の罰を負わせる事も出来ました。

 曹操の気持ち一つで曹丕の運命はどちらにも転び、そののち延々と死ぬまで「兄弟を殺した悪漢」として生きる道も「兄弟思いだが不幸にして弟を先に亡くした者」として生きさせる道も曹操が選択出来たんです。

 曹丕はそれに逆らう事は出来ませんし、その曹操の選択は世間にとってどちらであっても後に真実となります。

 さらに曹丕自身にとっても曹操の選択が、真実となります。

 しかし曹操は人間としての器の大きさと、将来に対する深い洞察をもって、後者を選びました。

 曹操は曹丕を信じる選択を行い、それは後の真実となったのです。

 そしてその深い仁愛と深謀遠慮が巡り巡って天へと通じ、魏が最終的な勝者となったのです。


 それに対して劉備の本当の血の繋がった方の家族の描写はあまりありませんが、劉備は義兄弟や同僚、仕事に対しては誠意と情熱を持っていましたが、阿斗はポイッと捨てました。

 劉備は自分の事、現在の事に必死で、何世代にもわたる戦略など思い描く事が出来ず、子を愛する事も出来なかったのです。

 それが結果として敗北と亡国に繋がります。

 つまり人としての器、親としての器の大きさで順当に曹操に負けたのです。


 これに関連して日本の座敷童(ざしきわらし)という妖怪に関しても、個人的にはこうなんじゃ無いかなぁと勝手に考えている事が有ります。

 座敷童の伝説はこうです。

 座敷童は古く大きな家に住み、そこの子供達にいつの間にか交じって一緒に遊んでいる。

 でもその場では誰も違和感を感じる事が出来ない。

 そして座敷童が住んでいる家には、幸福が訪れる。

 しかし座敷童がその家から立ち去れば、いずれその家には不幸が訪れて滅んでしまう。


 個人的に、この座敷童の正体は、その家に生まれた少し障害を持った子供だと思うのです。

 子供の頃はそんな事を気にせずに皆が遊びますが、年を取るにつれてそう言った子供を座敷牢に閉じ込めて世間から隠す、そういう冷たい家族が存在する。

 最悪の場合は手に余って殺してしまう事も。

 そして周囲の人々から


「あれ? そう言えば〇〇坊やが居なかったっけ? 子供の頃よく遊んだと思うんだけど。

 彼はどこ行ったの?」


 と尋ねられたら、その家の親はこう答えます。


「うちにそんな子は居ないよ? 幻でも見たんじゃ無いの?」


 古く大きな家、つまりそこそこの社会階級の家庭が、このような冷たく人間性に欠ける者しか居なければ、それを止める只一人の人間味のある者もいない家庭であれば。

 人徳もなく、助け合いも無く、希望も無く、お互いに高め合う事も無い。

 結局はその家系と血筋は崩壊し、途絶えてしまうと言う事です。

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