私が心惹かれた様々な表現
毎週最低でも土日に一話書こうと思っていたのですが、今週の土日はひたすら寝てしまって無理でした。
楽しみにしてくださっていた方々には申し訳ないです。
ここのところ忙しくて、週6日出勤、22時終業とかが続いた疲労が抜けきれなかったのだと思います。
代わりにこちらのエッセイを一話書きます。
小説という表現方法は今でこそこうあるべきだと言う形式が確立されていますが、元々は世界に文字なんて珍しかったはずなんですよ。
使っても何かの記録や証文を取る為の物。
そこに物語を作ろうとした変わり者が開拓した表現手段だったのだろうと思います。
そして同じ小説形式でも様々なものがあります。
〇ゲームブック形式
私が小学生の頃はゲームブックという物が流行っていました。
物語がプロローグから始まり、次の様に選択肢が出たところで読み進めるページが変わる。
右の道へ進む:P.12へ
左の道へ進む:P.25へ
そしてそれぞれ物語が分岐していきます。
凝った物であれば、ペンでチェックを入れるフラグ管理のあるものや、プレイヤーのステータスや持ち物を記録するシートがあり、要所要所ではその内容に応じた分岐が有ったと思います。
この形式では世界感により深く入り込む事が出来ました。
今の技術ならばやろうと思えばなろう小説でもそういうシステムを作れると思うんですよ。
フラグ管理して、主人公やパーティーのステータスを保持したり計算を自動で行って、時にはサイコロを振った分岐を作る。
なろう作者にそういう簡易スクリプトを組めるようにしてくれればもっと楽しめる。
〇PCゲームの洋ゲー、指輪物語
古い時代なので、グラフィックはドラクエ1~3辺りに毛が生えた程度の、2DスクロールRPGでした。
私が心惹かれたのは、イベント発生の際に状景を説明する文章が入るところです。
文章を細かく覚えてないので勝手に作りますが、例えるならマップチップの中で主人公がトレントと一緒に行動している時、切り倒された木の後を調べると次のような説明が淡々と流れます。
トレントは切り倒された木の前にかがみ込み、動かない枯れ枝を抱きしめた。
「何という事だ、この木は私の古くからの友達だったのだ。
この木だけでは無い、この辺り一帯の木々は皆友達だった。
オーク共め、なんという卑劣な奴だ。
この沸き上がる怒りは奴らを滅ぼすまで消える事は無い」
トレントは果てしない怨念と悲しみを込めながら雄叫びを上げた。
森のあちこちからそれに呼応した声が上がり、トレントたちが集結する。
そしてナレーションが終わると、ぱっと仲間のトレントの小さいキャラが3、4体仲間に加わります。
当時のPCのパワーではこの説明の状景を実際にグラフィックで表現する事は無理でした。
今のPCならばフルポリゴンやムービーでトレント達の集結シーンを描写するでしょう。
でも当時、時々流れる上記の様な文章表現で十分にイマジネーションが高まりました。
表現はリアルで現実に忠実であればいい訳でも無く、むしろそうしようとすると高い技術と労力と予算が必要になるばかりか、残念な出来だと逆効果にもなります。
〇エロゲーの宇宙怪盗〇ァニーBee
今では会社も無くなったのかな?
アリスソフトのエロゲーで、その会社自身が配布無料宣言してて只で遊べると思います。
18禁ですが、私が心惹かれたのはゲームマップが以下の様に表現されていたことでした。
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ドット絵で書かれたファミコン時代のマップチップですらありません。
マジで絵文字レベルでマップ画面が表現されていました。
そして私が感心したのは、それで十分に状況が分かって楽しいと言う事でした。
何千円も出して何だこの手抜きゲームはと怒る人も居たかもしれません。
でもゲームはこうあるべきという固定観念を無しに考えれば、ちゃんと文章とシナリオとナレーションとキャラの掛け合いが上手く描かれていれば、これも表現手段として有りなんです。
実はこれに影響を受けているのが魔法銃士ルーサーの小説です。
絵文字のマップ表現も十分に面白いし、伝わるし、まっとうな小説家であればふざけるな何だこの落書きはと怒るかもしれませんが、そもそも小説自体が変わり者の奇抜な発明なんです。
絵文字マップ表現も、見栄えは悪くても有りだと私は思います。
どうせステータスオープンするゲーム小説ばっかりなんだし、小説家になろうもゲームブック形式とか、テンプレートのマップチップ表現とか付けてくれないですかね。
自力で絵文字頑張っても、どうしても文字幅の問題とか、作者画面と読者画面の見え方の違いなどでズレてしまうんですよね。




