聖母サーバルちゃんのありがたいお言葉
最近ふと、けものフ〇ンズの何に自分が心酔していたのか、その理由に気が付きました。
サーバルちゃんを始め、登場するフレンズの名言にこういう物が有ります。
【偉大なお言葉その1】
「ごめんね、あたし、狩りごっこが大好きで! あなた、狩りごっこがあんまり好きじゃないけものなんだね」
サーバルちゃんは自分の趣味嗜好でかばんちゃんと遊ぼうとしますが、かばんちゃんがそれが好きでは無い事に気付き、立ち止まってその行動を止めます。
これは相手の立場で、相手をしっかり思いやりを持って観察しているからできる事です。
現実の世界では、これが出来ない人、自分がやってしまっている事に気が付かない人が多数います。
親が子に何かを強制し続ければ毒親となりますし、学校の同級生に相手の意思を無視した事を強要し続ければそれは虐めとなります。
この時点で人類の何割かを超越しています。
【偉大なお言葉その2】
「どうして? なにかめずらしい? あなたこそ、しっぽとみみのないフレンズ? めずらしいね!
どこからきたの? なわばりは?」
サーバルちゃんは突如登場した不思議な生き物のかばんちゃんに対して興味津々です。
些細な事のようですが、ちゃんと相手の存在を尊重してくれていると言う事です。
これはある種の愛情であり、世間の大部分の人間は相手の事になんて興味を持ちません。
薄情な奴なら、それでもまだ多少の良識が有ったとしても、
「(変な奴だな……)セルリアンが居たら危ないから近寄るんじゃないよ。
じゃぁ、頑張って。
俺今から帰って寝るから。
狩りで疲れてるし」
で終わりです。
かばんちゃんに興味を持って、その顔を見つめてくれません。
【偉大なお言葉その3】
「ゆっくりな動き……。あなたもしかして、ナマケモノのフレンズとか?」
からの
「へーき、へーき!フレンズによって得意なこと違うから!」
目茶苦茶EQ高いです。
世の中では、自分の物差しだけで人の悪い点を見つければ、完全に侮蔑してまともに相手にしなくなる奴が結構な割合います。
サバンナの野生の世界で生きるサーバルちゃんにとっては、機敏で抜け目無く、強い事が最大の価値観だったはずです。
なのにその価値観だけですべてを判断する自分を諫めて、カバンちゃんを最大限フォローしています。
ここまでの対応が自然に取れる人間はあまり居ないと思います。
【偉大なお言葉その4】
「ただ、ジャバリパークの掟は、自分の力で生きること。自分の身は、自分で守るんですのよ。サーバル任せじゃダメよ」
これはカバのセリフです。
当たり前の事ではありますが、相手の為を思った愛情のある厳しい言葉です。
世間にニートや子供部屋おじさんがいっぱい居るそうですが、その親は子の将来を考えず、自分の私欲だけを基準に愛情のない甘やかしをしてきたんだと思います。
子供向けアニメとしての描写では深い部分はその場では察せませんでしたが、カバはサーバルちゃんの優しさを熟知していたからこそ、今のカバンちゃんの境遇を推測し、この言葉が出てきたとしか考えられません。
【偉大なお言葉その5】
「すっごーい」
サーバルちゃんはカバンちゃんの悪い所、弱い所は見て知っています。
でもその何十倍も、良い所を見てくれています。
人間関係の中で、人の悪い所、悪い所ばっかり見つけて指摘する奴はいます。
逆に良い所を見つけて指摘する人もいます。
これは只の個性だと思っていたのですが、結局のところ悪い所ばかりしか見てこない奴は、相手の事を本心では嫌っていると言う事です。
そしてそういう奴と長い間関わっても、自分にとって何一つ利益はありません。
相手は本質的に自分に対して悪意を持っているのですから。
関わるだけ損な相手、自分にとって害にしかならない相手なんです。
自分の身近な人をふと思い返して下さい。
その人はどれだけの数、貴方の欠点を見つけて貴方に指摘しましたか?
その人はどれだけの数、貴方の良い点を見つけて貴方に指摘しましたか?
人の良い点と悪い点、口に必ず出さなければならない訳でも無く、黙って飲み込むという選択肢だってあるんです。
それがニュートラルな状態とも言えます。
要するに思い起こせる指摘の数で振ったポイントが、自分自身が気が付いてない相手の価値なんだと思います。
多くの経験と失敗と時間を経て初めて、聖母サーバルちゃんの有難さが分かります。




