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サイク屋  作者: オセロニア
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工と麗美 パート1

平賀工は高校時代、何人かの女性と交際したことがある。 しかし、ほとんどの女性と長続きしなかった。 工は身長が175cmで、そこそこ高く、顔もなかなかいけてるため告白を受けることも多いが大抵3ヶ月以内で別れてしまうことが多かった。

彼の性格上、理屈っぽいところがあり、それが恋人と上手くいかない要因だった。


河童と遭遇してから一週間後、何事も無く店を経営していた。 一度、背の高いスーツを着た怖い感じの人が店に訪れたが、それ以外、何もなく平和に日常が進んで行った。

「あー、暇だ。 なんで天才発明家、平賀工の店に誰もこないんだ。 壊れた機械ならチョチョイのチョイで直してやるのに。」

工は父親から送られる生活費の大半を発明費に当てている。 いつも生活に困窮していた。まあ、発明しなければそれなりに裕福に暮らせるのだが。

「5000兆円欲しいな…」

まさか、ほとんど5000兆円を発明費に充てる気なのだろうか。


すると、不意に店に人が入ってきた。

「いらっしゃいませー。」

工はお客さんに挨拶をした。 そのお客さんは見たことのある人であった。

「お久しぶりです。工さん、今日はこの機械の修理をお願いします。」

佐藤麗美。 以前、うちの店に来たことがある。工は彼女の壊れたラジオの修理をし、さらに身体能力倍増装置の実験代になってもらった。 余談だが、彼女の実験のデータは身体能力倍増装置を改良するのにかなりの役に立った。

「お久しぶりっす。 このテレビですね。 具体的にどんなところが調子悪いですか?」

「テレビを長時間見てると、ときどき画面が荒くなって… 買い換えると結構かかるから直して欲しいんです。」

そういわれ、工は自信を持って答えた。

「なるほど、任せてください!」


工は作業時間約15分で修理を終えた。

「お客さん、スイッチをつけてみてください。」

そう言われ麗美はテレビの電源を入れた。 テレビの画質が前よりも良いものになってる気がした。

「画面が荒くなる現象はすぐに解決したんですけど、ついでにディスプレイと中身の部品いじって画質も良くしちゃいました。 余計なことならすいません。」

「いいえ、とても助かりました。ありがとうございます。」

平賀工。 彼はやはり天才だ。 そう感じ、麗美は本題を話す。

「工さん、実はテレビの修理はついでで、今日はお願いがあって来ました。」

工はそう言われ不審に思い尋ねる。

「お願いとは?」

「当社のエンジニアになりませんか?」

「へ?」


佐藤麗美が話すには彼女は世界的に有名な電機メーカー「ペアー」のシステムエンジニアで、現在ある機械を作るプロジェクトに携わってると言う。 なんでもそのプロジェクトはハードを取り扱う高度なエンジニアが必要なのだが他のエンジニアでは対応不可能だという。

「私は現場のエンジニアですが、人事も担当してます。あなたの開発技術は本物です。当社は就活生の優良企業ランキングでは毎回トップ3に入る会社です。 工さん、当社で働いてみませんか?」

すると、あっけなく工は答える。

「僕を評価してくれるのはありがたいですが、僕は会社勤めしようとは考えてません。この店が好きですか、ずっとこの店で働いていくつもりです。」

サイク屋は工にとって特別な場所である。彼はこの店を捨てて会社で働く気などミドリムシの大きさほどすらなかった。

「... 分かりました。 では、契約社員という扱いで私が担当してるプロジェクトに携わってもらえませんか? どうしても工さんの力が欲しいんです!」

少しの間、工は考えこう言った。

「部品と設計図は揃ってるんですか?」

困惑した様子で麗美が答えた。

「ええ、まぁ、設計図のほうはざっくりとですが…」

「では、部品と設計図をお貸ししていただけたら、僕のほうで完成させます。」

そう言われ麗美は驚いたように告げた。

「そんなことできません! 部品と設計図を会社外に持ち出すなんて! 会社に来て作業してもらえませんか?」

麗美は嘆願してみたが工は続けて言う。

「僕の本職はサイク屋です。 店を離れるわけにはいきません。 部品と設計図をサイク屋に持って来てもらえないなら麗美さんの手伝いはできますん。」

そう言われ、蚊の鳴くような声で言う。

「分かりました。 上司から許可をもらってきます。」

そう言い、麗美は店を出て言った。

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