戦前
「我がブリュート王国が新たな未知の領域を発見した!!」
壇上に立ったその女性は両手用の大剣をかたてで高々と掲げ、兵士達は誇りを持った目で彼女の話を聞いていた。
「我が国から300キロメートル離れたところに遠征にいっていた兵たちがゲートを発見した。それを、我々は密かに調査をすると行き先が資源の豊富な世界ということがわかった。そこで、私は宣言する!!我々はその世界を侵略する!!!」
彼女はそう宣言した。だが、兵士達は黙り込んだままだ。しかしそれは、決して怖いから戦いたくないから。そういうことではなかった。
彼女の話は続く。
「我々はまだその世界の戦力は未だ分かっていない。しかし侵略する!!そこで我らはこう思うかもしれない相手の国の戦力がわからないのに攻めるのは馬鹿だ。もしそのまま攻めて逆に敗北したら惨めだ。そんなことになるならば、はなから攻撃しないほうがいい。そう思うかもしれない。」
その言葉を聞いてある兵士は下を向きある兵士は息を飲んだ。
だが、彼女の話は終わらない。
「しかし、我ら兵士はそんな未知数な敵に敗北したことがあっただろうか!隣国ミニタリア王国と争ったときはわれわれの軍勢3万に対し、ミニタリア王国は10万であった。そして我々は負けたか?違う!勝ったのだ。ルテティア王国の科学力にも、テリトアール王国の未知な魔法にも勝った。ならば次の戦いにも負けるのか?我々の勝ちはたまたまなんかじゃない。」
彼女は悠々として語る。
彼女の自信は、結果から基づくものだ。ブリュート王国は連戦連勝の無敗であった。周りの国々はブリュート王国に取り込まれており、大国として名を挙げていた。
大国になるまでの戦線の指揮は彼女がほぼ果たしている。
故に彼女は絶対なる自信を持っていた。
故に彼女の兵士たちは彼女に忠誠を誓い、瞳には揺らがない燃える意志があった。
彼女は最後にこう語る。
「この手で我々は勝ち取るぞ!ゲートの侵略はこれで二度目だ!!一度目は成功している我らなら二度目も成功する!!王のため市民のため国のため、この手で掴み取るぞ!!」
「うおおおおおおおおお!!!」
兵士たちは彼女に剣を掲げ、彼女は剣を国に掲げた。
そして、三ヶ月後、彼女が率いる軍勢20万が地球と呼ばれる惑星の日本と呼ばれる国に攻め込んだのであった。
初めは、圧していたのだが、魔法ですら、かなうことのない科学力と統率された軍勢に圧倒され負けるとも知らずに。