表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームの軍隊と異世界攻略  作者: RIGHT
プロローグ
8/88

プロローグ7 接触と救助

〈フェンリル海軍 第3艦隊航空隊 『サーペント隊』 サーペント2-1機内〉

フェンリル空軍パラレスキュー1st STS 1st STT隊長:ジェニー・クーパー大尉 コールサイン:ナイチンゲール


SBUが海賊船の制圧を完了したという報告を受け、船内で待機していたパラレスキュー第1、第2特別戦術中隊(STS)所属の7つの特別戦術班(STT)の各班はそれぞれシーホークに乗り込み目標地点へ向かっていた。


「全員、私達の目的は戦闘でなく、人命救助にある事を忘れないでください!」


「「「「「了解です!隊長!!」」」」」


私の言葉に機内にいる1st STTの隊員が勢い良く頷いた。余りの勢いに若干引きながら続けた。


「ですが、あなた達の命が最優先です!危険を感じたら躊躇わずに制圧してください。」


「「「「「はい!!」」」」」


他者を助けようとして自分が死んでしまったら意味はありません。


「どのような地獄絵図の中にも必ず生存者はいます!決して諦めないで!」


パラレスキューのモットーを口にし、到着を待った。


〈アメックス王国 調査船団 調査船甲板上〉

冒険者:エイミー・ウォーカー


「なんなのよ……あれは…」


空飛ぶ箱が海賊船を瞬く間に破壊し、箱から人が降りていく様子を、私達は驚愕に目を見開きつつ見ていた。


「とりあえず……助かった…のか?」


「……多分。でも、あいつ等はいったい何なんだ?」


窮地を脱したが手放しに喜ぶことは出来なかった。


「ん?おいっ!またきたぞ!さっきよりも多い!しかも一つはこっちに向かってくるぞ!!」


その言葉に戦慄が走った。


「た…戦いの準備をしろ!!」


「何言ってるの!あんなのと戦うなんてごめんよ!」


「だが……」


「それに殺そうとしてるのならもうとっくに殺されてるわ!今は、見極めましょう。」


船の上に箱が止まり側面が開き、ロープが投下された。


騒音の中、箱から女性の声が聞こえてきた。


「降下準備完了!警戒しつつ船員とコンタクトを取ります!降下開始してください!」


その声の直後箱から奇妙な服を着て、杖のような物を持った人間が勢い良く降りてきた。


「この船の方ですね!助けにきました!」


最後に降りてきた若い女性が近くにいた私に言った。


「負傷者が沢山いるわ!診てあげて!」


「ちょっ、おい!」


近くにいた冒険者が私を止めようとした。


「何よ!このままだとどの道死ぬだけよ!だったら藁にでもすがるしかないでしょ!」


「…………わかった。あんたらは負傷者の救助に来たんだな?こっちだ。着いてきてくれ。」


その冒険者が先程の女性に言った。


「協力感謝します!」


女性が笑顔で答えた。


「っ!あ、ああこちらこそ!」


冒険者が顔を赤らめ、船内に入っていった。女性もその後に続いていった。

彼らが船内に入った直後、静かな殺気を感じた。


「あの野郎。隊長に色目使いやがってっ!」 「貴様は治療してやらんぞ!」


そんな事を言いながら降りてきた男達も後に続いた。


「……………愛されてるわね。」


私は”若いのに苦労してるな”と思いつつもそうつぶやいた。



〈アメックス王国 調査船団 調査船内〉

フェンリル空軍パラレスキュー1st STS 1st STT隊長:ジェニー・クーパー大尉 コールサイン:ナイチンゲール


船内は負傷者で一杯でそこら中から呻き声が聞こえてきた。私はその惨状を見て直ぐに命令を出した。


「トリアージを直ぐに行って下さい!カテゴリーⅠはヘリを呼んで”いずも”に運んでください!ⅡとⅢはこの場で治療します!0は可哀想ですが無視してください!」


命令を受けた1st STTの隊員達は直ぐに作業に入った。


「こいつはカテゴリーⅠだ!直ぐに搬送するぞ!そこのあんた!手伝ってくれ!甲板に運ぶ!」 「君は大丈夫だ。傷は浅い。重傷者が先だ。待っていてくれ。」 「おい!聞こえるか!?くそ!心臓が止まってる、助細動器を使うぞ!」


私も近くに倒れていた左腕を失った若い男性の応急処置を始めた。よく見るとその男性は他の人より豪華な装備を身に着けていた。


「なあ…あんたらは何で……見ず知らずの俺達を助けにきてくれたんだ?」


男性が治療中に話かけてきた。


「そうですね…。打算的な理由もありますが、目の前で苦しむ人がいて、自分にその人を助ける力が合ったなら、助けませんか?」


「そうか…そうだな。ぐっ!もう少し優しくしてくれ!」


「長く痛みを味わいたいならそう言って下さい。ひとまず応急処置をしました。本格的な治療の行える場所に移動してもらいます。異議は認めません。」


男性を甲板に運び、初めて見るヘリに怯える男性をヘリから降下してきたメディックに任せて、私は船内に戻った。


搬送と治療は順調に進み、無事怪我人の治療は終了した。



甲板に1st STTの仲間達が作業を終え、集合した。


「ふぅ。終わったわね。それで、状況は?」


「はっ。この船団の3隻に乗っていた人数は251名、内197名が負傷し57が重傷です。重傷者の搬送は完了しています。また残り54名の内18名の死亡が確認されています。海賊船に降下した隊員の報告によると海賊の死者は187名、生存者は16名、内重傷者7名、軽傷者9名だそうです。」


「そうですか…。皆ご苦労様です。あの惨状で死者を18名に抑えられたのは、皆の協力があったからです。私は皆を誇りに思います。私達の仕事は常に死と隣り合わせです。時には傷ついた仲間の為に銃を撃たなければなりません。だからこそ自らの手で命を救った事を誇りにして下さい。以上です。帰りましょう。私達の家へ。」


「「「「「はい!!」」」」」


長かった1日が終わった。

アメリカ空軍の特殊部隊であるパラレスキューを登場させました。パラジャンパー(PJ)とも呼ばれ、医師並みの技術を誇り、負傷した仲間の為にいつ、何処へでも駆けつける事を誇りにしている部隊です。モットーは作中でもでた『That Others May Live.(必ず生存者はいる)』です。


推測で書いている所が多いので、この間違いは許せないということがあったら是非教えてください。


ご意見ご感想をお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ