プロローグ4 地獄と希望
貨幣の価値は
銅貨:1円 大銅貨:10円 銀貨:100円 大銀貨:1000円 金貨:1万円 大金貨:10万円 白金貨:100万円 黒貨:1000万円 ミスリル貨:1億円
で考えて下さい。
〈アメックス王国 調査船団 調査船甲板上〉
冒険者:エイミー・ウォーカー
私は今地獄の中にいた。
昨日まで元気だった仲間がいまは物言わぬ骸となって赤い水たまりに沈んでいた。
至る所から苦悶に喘ぐ声が聞こえてくる。そんな地獄を見て私はこう言うしかなかった。
「誰か…助けてよ…」
[2日前]
〈アメックス王国 冒険者ギルド〉
「王国からの緊急依頼?」
「そうよ。大陸西部で発生した異常な魔力の調査。船団には2隻の護衛がついて予定では1週間ほど、報酬は白金貨2枚。」
ブッ!
それを聞き飲み物をむせてしまった。
「ゴホゴホ!は、白金貨2枚って本当?!1ヶ月は遊んで暮らせるわよ!絶対受けるわよその依頼。」
「エルフは金にはあまり執着しないと聞いていたのだけど、もう今更ね、そう言うと思ってあんたが参加出来るようにしといたわよ。」
「さすがカリスマ受付嬢ね。帰ってきたら1杯おごるわ。」
「期待しないで待ってるわ。」
この時の私はこの依頼で人生が変わるとは思ってもいなかった。
[1日前]
〈アメックス王国 調査船団〉
「はぁー。のどかなもんねえ。」
船団は問題も魔物の襲撃もなく順調に進んでいた。
「まぁ良いじゃねぇか。これだけで白金貨2枚もらえるんだぜ。全く美味しすぎるよな。」
私のつぶやきに近くにいた冒険者が答えた。
「そこは否定しないけど、なんか張り合いが無いのよ。」
「それもわかるが、この船団に参加してるのは結構名のしれた奴が多いし、何かあっても十分対処出来るだろ。」
「それなら尚更私は呑気に船旅を楽しませてもらうわ。」
状況が一変したのは皆が寝静まった夜だった。
ドガン!
突然鳴り響いた轟音に一斉に目を覚ました。
甲板に出て目に入ったのは炎上する護衛船だった。
「海賊の襲撃だ!」
「どういうこと?!見張りはなにをしていたの?!」
「奴ら魔法具で姿を消してやがったんだ!」
「海賊がそんなもの持ってるなんて聞いたことがないわよ?!」
「とにかく奴らが護衛を片付けてる間に逃げるぞ!」
帆がはられ船団が加速していく、しかし海賊はすぐさま護衛を沈め追撃してきた。
「砲撃がくるぞ!」
その言葉に魔術師達が障壁を張ったが、敵の砲弾は障壁をすり抜けてきた。
「対障壁弾だと?!海賊ごときがどうやってそんな高価なモンを…」
「とにかく逃げるぞ!」
こうして海賊達との追いかけっこが始まったが、時間が過ぎていくとジリ貧になっていった。
船体に穴が空き、皆疲れ果てていた。
「もう…ダメなのかな…」
あきらめかけていた私の耳に”バタバタ”という音が聞こえてきた。
初めて聞く音に戸惑っていると、段々その音が大きくなってきた。
「なんなの…この音は?」
そうつぶやいた時、頭上を風車を付けた白い箱のような物が凄まじい轟音と風を残して飛去っていった。
「なんだあれは!?」
「魔物か?!」
周りからの声を無視し、箱が飛んできた方向を見ると、灰色の巨大な島のような船を見つけた。
「まさか、あれはあの船から?」
私は何故だか、その船から闇を照らす光のような安心感を感じていた。
何となくエルフさんに登場してもらいました。
それと国名とかは適等につけてるので後で変わったりするかもしれません。
ちなみに『フェンリル』の人間は、魔法を使えません。道具があればべつですが…。
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