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ゲームの軍隊と異世界攻略  作者: RIGHT
第2章 Operation Dragon Slayers
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第2章9 Operation Dragon Sleyers PART1-1

[8月27日 11:30時]

<アメックス王国東部 魔術都市ルーン 近郊 フェンリル空軍第160特殊作戦航空連隊第1大隊『ナイトストーカー』 ナイトストーカー・リード MH-60M>

フェンリル軍GDU1stIB 七海優香 TACネーム:フェアリー



私達1stIBは国境沿いにある魔術都市ルーンに向かっていた。


「全員いい?私達が今向かっているルーンの街には、およそ3000人の帝国軍の侵攻部隊が向かっている。街への到着は3日後。帝国軍が到着する前に防衛陣地を構築する必要がある。既にこの情報は王国の親衛軍に伝わっており、順調に行っていれば住民の避難が開始されているはずだ。

私達は街に到着後、親衛軍と合流し、翌日までに避難を完了させ、トラップゾーンを構築する。

ここまでで質問は?」


メタル隊の隊員が質問してきた。


«住民が避難しない場合は?»


「その時は、東部の平原に射撃陣地を構築する事になるわ。ただ、親衛軍と私達の被害を最小限に抑える為にも、野戦はやりたくないわね。」


«航空支援は?»


「野戦になる場合にはSOAF[特殊作戦航空団]の飛行隊とヘリ部隊が来る事になっているわ。」


«それなら大丈夫そうですね。»


「ただ、ここは他国の領土で、そこに攻めて来た敵を全て私達が叩く訳にもいかないでしょう?だからこそ、作戦の初期段階を王国軍と行う事になっているのよ。」


«面子ですか。自分は結果が出れば良いって考えなので面子を気にする奴の事は良くわかりませんね。»


「面子は大切よ。潰され過ぎるとなめてかかって来るバカが出て来るしね。」


«お話中のところ悪いが、街に着くぞ。ETA1マイク。»


機長が割り込み、街に接近した事を伝えてきた。


「よし!全員、街に到着したらまずは親衛軍と合流する!何が起こるかわからないから気を抜かないように!いい?」


«««««了解。»»»»»


«LZに到着。俺達はここで待機する。»


ヘリが着陸し、私は開け放たれていたドアから外に出て、街に向かった。



[11:50時]

<魔術都市ルーン 西門広場>



「動くな!」


門に入った私達を待ち構えていたのは、杖を持ち、殺気だった目をしている魔術師の集団だった。


「貴様等、一体何者だ!」


隊長格の男が叫んだ。


「私達はフェンリル軍よ。この街に向かっている帝国軍に対する作戦の指揮を執る事になっているわ。親衛軍の部隊に確認を取ればわかるはずよ。」


私がそういうと、


「そんなわかりやすい嘘が通じると思っているのか?!指揮官が貴様のような小娘な訳がない!全員!構わんからこいつ等を殺『止めろ!』」


隊長格が攻撃を命じようとしたとき、広場に親衛軍の鎧を着て、剣とM1A1に似たライフルを持った騎士達と指揮官らしき青い鎧の男性が入ってきた。

良く見ると、彼等はOperation Freedom Guardiansで共同作戦を行った部隊と、ギャレンさんが基地に連れてきた5人の幹部の1人のドレイク・カーマインさんだった。


「軍が一体何の用だ?」


隊長格の男が露骨に嫌そうな顔をして言った。


「貴様等こそどういうつもりだ?この方々は我がアメックス王国の最大の友好国にしてこの世界で最高の軍隊であり、王国政府の要請でここに来られたんだ。その方々に手を出すと言うならば、貴様等全員、国家反逆罪で捕らえる事になるぞ。」


ドレイクさんがそう言うと、魔術師達は明らかに顔色を変えた。


「わかったらさっさと杖を降ろして立ち去れ!」


ドレイクさんが叫ぶと、魔術師達は渋々と立ち去っていった。


「お久しぶりです。七海閣下。」


ドレイクさんは私の方に歩みより、深々と頭を下げた。


「お久しぶりです。ドレイクさん。助かりました。」


「いえ。閣下のお役にたてて光栄です。」


「その閣下って言う呼び方は止めてもらえますか?好きじゃないので。」


「そうですか。ではなんとお呼びすれば?」


「名前かフェアリーで、敬称は無くても良いですし、敬語じゃなくても構いません。敬語は使うのは良いんですが使われるのは苦手なんですよ。」


「なるほど。ではフェアリーと。おっと、敬語は止めた方が良いんだよな?」


「それでお願いします。

それよりもドレイクさん。住民の避難が進んでいないようですが、何か問題でも?」


私がそう聞くと、ドレイクさんは苦虫を噛み潰したような顔をした。


「あ~。それにはこの街の領主に会ってもらった方が早い。着いて来てくれ。」


私は1stIBの各隊の隊長達を連れて、ドレイクさんに続いて領主館に向かった。



[12:20時]

<魔術都市ルーン 領主館>



私達はドレイクさんに続いて領主館に入り、領主の部屋に向かった。


「ここが領主のフィルデナンド・コーウェンの部屋です。」


[コンコンコンコン]


ドレイクさんはそう言って扉をノックした。


『どうぞ。』


すぐに中から返事がありドレイクさんが扉を開け、私達もドレイクさんに続いて中に入った。


「あなたは親衛軍の。話は既に終わっているはずですが?そちらの方々は?」


「初めまして。フィルデナンドさん。私は今回の帝国軍との戦闘の指揮を任された七海と言います。」


私が敬礼をして自己紹介をすると、


「ああ、軍の方ですか。私はこの街の領主兼ルーン魔術師隊指揮官のフィルデナンドです。お若いのに軍の指揮官をされておられるのですか。ご立派ですね。それで、何の御用でしょうか?」


「…………単刀直入にお聞きしますが、この地域で行われる作戦では住民を避難させこちらに有利な環境を構築することになっており、王国政府の承認も得ています。にも関わらず、避難が全く進行していないのは何故ですか?」


私がそう聞くと、フィルデナンドは呆れたと言うように溜め息を吐きながら立ち上がった。


「単純な話です。この街を守るのに軍の力は必要ないと言う事です。」


「ですが、来る途中で聞きましたが、この街に魔術師はおよそ700人。対して、帝国軍は総勢3000人以上です。戦力差があり過ぎると思いますが?」


私の質問に対して、


「問題はありません。私達魔術師は戦力換算で軍の一般兵士5人分になります。つまりこちらの戦力は約3500、帝国以上です。何を恐がる必要がありますか?

第一、私達が魔術で攻撃している時に剣を持ったあなた方に前に出られては迷惑です。

私が軍の助けはいらないと言った理由はわかりましたか?」


フィルデナンドはそう自信満々に応えた。


「…………ええ。良~く、わかりました。では、私達はあなた方に指示はしません。ただ、私達は私達で作戦を進行させます。よろしいですね?」


「無駄だと思いますが良いでしょう。」


「それでは失礼します。

あ。最後にひとつ聞いて良いですか?」


私は部屋を出る前に重要な事を聞いておくことにした。


「どうぞ。」


「今までに部隊の指揮を執った経験と、実戦の経験、部下を失った経験は?」


「?部隊運営と実戦は魔物の討伐で経験しました。私は優秀だったので部下を失った経験はありませんね。」


フィルデナンドは自慢するかのように応えた。


「……………ありがとうございました。失礼しました。」


「精々頑張ってください。」


私達は嘲笑の笑みを浮かべるフィルデナンドを残し部屋を出た。



[12:50時]

<魔術都市ルーン キサニア通り>



私達は部隊と合流する為に西門に向けて歩いていた。


「ドレイクさん。あなたがなんであんな顔をしたのかわかりましたよ。」


私がそう言うと隊長達も頷いた。


「…………この街の魔術師達は、実戦経験のほとんど無いド素人ばかりだが、魔術の腕は良く、住民からの信頼も厚い。いくら俺達が危険だと言っても『魔術師達がなんとかする』と言って聞かないんだ。」


ドレイクさんが疲れた顔をして言った。


「どうします、フェアリー?」


宮元大尉が質問してきた。


「どうするも何も、指示に従わない戦力不確定な素人の集団と戦うなんてごめんよ。」


「あいつら明らかに戦場をなめてたな。」


山上大尉がぼやくように言った。


「精々囮として有効活用させてもらいましょう。

そういえば、ドレイクさん。あの領主の言っていた魔術師は兵士5人分の、っていうのはどういう意味ですか?」


「ああ。あれは優秀な魔術師は正面から5人の兵士と連戦しても勝てると言う昔から言われている話だ。」


「でも、実際の戦場では敵は5人だけとは限らない上に、遠距離攻撃や伏兵を仕掛けて来ますし、意味無いですよね?」


「実際、その通りなんだが、中々消えないのさ。」


「なるほど。

とにかく、私達は私達で作戦を進めましょう。昼食の後、全員で東部の平原で穴掘りをするわよ。」


「「「「「了解。」」」」」


私達は部隊と合流し、準備を始めた。



[18:50時]

<魔術都市ルーン東部 シェーン平原 >

魔術都市ルーン魔術師隊隊長 トマス・マクスウェル



西門で小娘が指揮する怪しい集団との悶着の後、俺は街の東門から1kmほどの魔術師隊の陣地に来て、指揮を執っていた。


「ようやく完成ですね。」


副隊長のハリスが俺にそう言った。


「ああ、これでいつ帝国軍が来ても大丈夫だろう。」


俺の前には、魔術師隊の旗が掲げられた監視櫓が立っていた。


「それにしても、あのフェンリルとか言う奴等と親衛軍は何がしたいんでしょうかね?」


俺はそう言われて、丘の地面を掘って穴に寝そべったり、上から草が着いた布を被せたりしていた奴等の事を思い出した。


「知るか。軍のやる事が俺達魔術師にわかる訳がないだろ。それよりそろそろ食事にするぞ。」


俺達は軍の事など忘れて宴会を始めた。



[8月30日 13:40時]

<魔術都市ルーン東部 シェーン平原 フェンリル軍第1射撃陣地>

フェンリル軍GDU1stIB 七海優香 TACネーム:フェアリー



3日が経ち、私は完成した射撃陣地でAWACSに搭乗している母さんから帝国軍の動きの報告を受けていた。


「…………フェアリー了解。

全員聞いて。プロビデンスからの報告よ。後10分ほどで森を迂回してきた帝国軍が魔術師隊の監視塔から4kmの地点に現れるが、そいつ等は囮で、本隊は既に森にアンブッシュしているわ。」


«魔術師達は引っ掛かりますかね?»


「面白い位良く釣れると思うわよ。

有希、魔術師隊の様子は?」


『お酒飲んで騒いでます。』


無線から失笑が聞こえてきた。


「……………まあ良いわ。魔術師隊が動いて、本隊、特に飛竜を引きずり出したら、ガルーダを呼んで飛竜を叩き落として航空優勢[制空権]を確保、その後スナイパーとスポッターを陣地に残して、私達はジェットを使って魔術師隊と合流するわ。それと同時に、街の西門の外でステルスを使って隠れてるヘリが離陸し始めるわ。」


「優香、帝国軍が来たの。」


『魔術師隊も気付いて、陣地を飛び出して行きました。』


「了解。全員、作戦開始。見せてもらいましょうか。魔術師達の実力とやらを。」


激戦の火蓋が切って落とされた。

大学に落ちて少し落ち込んでいる作者です。

予測していたのでダメージはそんなにないので心配は無用です。


今回の迷言を。今回は『METAL GEAR SOLID』からです。


ソリッド・スネーク「性欲をもて余す。」


鎮痛剤が必要か聞かれてこう答えるとは、さすがスネークさんですね。


次回は戦闘回ですが機材トラブルで、3DSで書いているので遅くなると思います。


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