プロローグ3 状況確認と海賊
基地に帰還すると直ぐに緊急会議が開かれた。
会議場には既に陸海空海兵隊の各司令官と父さん、憲兵隊指揮官が既に席に着いていた。
「さて、誰か状況をわかっている限りで教えてくれないかしら。」
そう聞くと直ぐに陸軍司令のクリス・ベンストン大将が報告をしてくれた。
「先程の地震による目立った被害は現在の所確認されておりません。せいぜい転んで怪我した程度です。憲兵隊が現在治安維持に出動しておりますが、暴動もなく静かなもんです。」
「今のところ国内に問題は無いようね。山本さん、海軍の方はどうですか?」
海軍司令の山本正之大将に聞いてみた。
「はい、艦艇や基地施設に被害はありませんが、各地から海流の流れや釣れる魚が変わったとの報告を受け、現在海洋調査を目的とした艦隊を編成中です。」
海流が変わった?これは、本当に異世界にきたようね。
「次に、空軍の状況は?」
空軍司令であり、ベテランパイロットでもあるミーシャ・ホーキンス大将が答えた。
「はっ、衛星とのリンクが先程回復し、衛星写真の撮影を行いました。こちらがその写真になります。」
渡された写真を見てみると北アメリカ大陸に当たるところに私達の国があり、南アメリカ大陸に当たる地域は、広大な海、そして東西に海を挟んで巨大な大陸が存在していた。
「わぉ、本当に異世界ね。これ以外に情報は?」
「現在グローバルホークと衛星を使い偵察を行っています。ヘレン参謀長が衛星写真の解析を行っています。」
それで母さん此処にいないのね。
「優香、この状況では偵察の結果が出るまで治安維持につとめるのが最善だと思うが?。」
「……。確かに父さんの言うとおりね。偵察の結果が出次第、調査隊を派遣します。各自準備と編成を行ってください。」
会議を終えようとしたとき、会議場の扉が荒々しく開かれ母さんが入ってきた。
「母さん?一体どうしたの?」
「緊急事態よ。全員聞いて。グローバルホークが大陸へ飛行中に2つの船団を補足したわ。先頭船団は3隻の木造船で甲板上に負傷者が確認されており、損傷している模様。また、当該船舶に武装は確認されていないわ。対して後方船団は大砲などで武装した船で構成され、先頭船団への攻撃が確認されているわ。」
「…つまり、海賊が領海内に出たと。」
「ええ。」
私達の国の領海で海賊行為だと?
「海軍に出撃準備は?」
「既に”いずも”を旗艦とした第3艦隊にヘリと『SBU』の出撃準備させているわ。後1時間で準備を終えるそうよ。」
「……よし。情報を得るためにもこれはまたとないチャンスよ。先頭船団の救出作戦を行います。第3艦隊に出撃命令を出し、”シーホーク”から『SBU』を降下させ、後方船団を制圧して下さい。このとき可能であれば、船団の指揮官かそれに準ずる身分の人間を捕らえてください。交渉の材料になります。」
「船団が攻撃してきた場合は?」
山本大将が質問してきた。
「各自発砲を許可します。仲間の安全が最優先です。」
「了解しました。」
「他に意見はありませんね?では、作戦開始といきましょう。」
この世界に来て最初の戦闘がいま始まる。
次は幕間を挟んでから、『SBU』の闘いを描きたいと思います。
文構成がおかしい気もしますが、勘弁してください。作者の文才ではこれが限界のようです。