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ゲームの軍隊と異世界攻略  作者: RIGHT
第1章 Operation Labyrinths Breakers
29/88

第1章終 Operation Labyrinths Breakers COMPLETE

まず始めに伝えておこうと思います。

私はバッドエンドはそれほど好きではありません。基本ハッピーエンドか、救いを作ります。

それでは作者の戯れ言はこの位にして、本編をどうぞ。

〈ダンジョン内 悪魔の城 応接間〉

「え?」


少女は涙に濡れた顔で唖然とした顔をした。


「…………いいじゃない。」


「え?」


「叶えればいいじゃない!」


私は刀を捨て、少女を力強く抱き締めた。


「世界は!本当はあなたを幸せにするためにあるのよ!あなたが見た事何て世界のほんの一握りでしかないの!誰にだって幸せになる権利があるのよ!」


「なら!何で私には不幸しか来ないの?!私がいなければ!あの子も生きていたかもしれないのに!?私が!あの子を殺したのよ!あの子も恨んでいるはずよ!罪は償うべきでしょう?!私を、私を殺してよ!」


「本当にそう思うの?!その子の最期の言葉を自分で言っておいて忘れているの?!」


「最期の、言葉。」


「その子はあなたに自分の分も幸せになってくれって言ったのよ!もし本当にその子の事を思うなら!その言葉を叶えてやりなさい!」


「私は、幸せになっても、いいのかな?

人を一杯殺してきた私なんかが。」


「あなたはさっき罪は償わなければならないと言ったわね?

それは私も同じよ。私は軍人で、自分の国や大切な物を守る為に沢山殺してきたわ。」


「え?」


「大切な物を守る為には相手を傷つけ、殺してしまう事もある。私は多くの死体を土台に今の場所にいる。後悔した事もある。でも、私は自分の信念に誓って、自分の夢を叶える努力は止めない。途中で止めたらそれこそ私が殺し、私の為に死んだ者達の死を無駄にする行為だとわかっているからよ。」


「そっか…私のしようとした事は、償いじゃなくて、家族の、私が殺した人達の、あの子の死を無駄にすることだったんだね。」


「それに気付けたのならまだやり直せるわ。

あなたの時間は家族を殺された夜から止まっていたのよ。そろそろ動いてもいい時よ。」


「うん。……ねえ。このまま胸を少し借りても良い?」


「ええ。まだちゃんと泣いて無いんでしょう?何時でも良いわよ。」


「ありがとう。……ぅ……うぁあ……うぁああぁあぁぁ!」


私は泣きじゃくる少女を強く抱きしめた。


「長い間良く頑張ったわね。もうあなたの好きに生きていいのよ。」


「寂しかった!今まで、ずっと一人で!皆と過ごした過去がつらくて!自分を無理やり変えて!」


「もう自分を偽らないで、元のあなたに戻って良いのよ。」


「もう一人でいなくても良いの?」


「ええ。これからは私が一緒にいてあげるわ。」


「ずっと?」


「ええ。私が死ぬまで一緒よ。」


「それでも良い!だから、一緒にいて!」


私は少女を決して離さぬよう、ギュッと抱き締めた。


[2時間後]

私は泣き疲れて寝てしまった少女に膝枕をしていた。


「ん。」


「起きたわね。」


少女が目を両手でこすりながら起き上がった。


「あ。私寝ちゃったんだ。」


「ええ。そう言えば自己紹介をしてなかったわね。私は七海優香よ。」


「七海、優香。あの、お姉ちゃんって呼んでも良いですか?」


「構わないわよ。あなたの名前は?」


「思い出せないの。家族を守れなかった自分が、人を殺した自分が嫌で自分とは全く違う人になろうとして、自分を偽っているうちに忘れちゃったの。」


「そう。それじゃあ私が名前を付けても良いかな?」


「お願いします!」


私は記憶を巡らせて彼女に合う名前を考えた。


「そうねぇ。…………………よし!あなたの名前は『アナト』よ。」


「アナト?」


「ええ。私達の世界の神の一人で、愛と戦いの女神よ。とても美しい女神様よ。」


「女神様の?そんな名前を私なんかに付けて良いの?」


「あなたは可愛いわ。もっと自分に自信を持って。

それと、もう自分のことを、なんか、何て言っちゃ駄目よ。」


「うん。ありがとう。お姉ちゃん。」


アナトは笑顔を浮かべた。


「それじゃあ行きましょう。」


「行くってどこに?」


「私の仲間達を紹介するわ。」


「大丈夫かな?」


「冒険者達はわからないけど、少なくとも私の部下は大丈夫よ。」


私はアナトの小さな手をしっかりと握り、ヘリに乗り込んだ。


「さて、これから基地に行くけど、ボタンには無闇に触らないでね。それと、これを頭に着けて。」


私はアナトに角のある種族の為に作られた専用のヘッドセットを渡した。


「これで良い?」


「大丈夫ね。それじゃあ行きましょう。」


私はヘリのエンジンを起動し、離陸させた。


「CP、こちらフェアリー。お客様を連れてそちらに戻るわ。到着は30分後の予定。」


《CPコピー。到着をお待ちしています。》


「凄い!声が聞こえる!」


「私達の装備の1つよ。これからのことだけど、アナトの好きなように決めて良いわよ。世界を旅するでも、私の国で暮らすでも、好きなようにしなさい。」


「それなんだけど。お姉ちゃんと一緒に、お姉ちゃんの信念の為に戦いたい。」


「………戦う以外の道を選んでも良いのよ?それで良いの?」


「お姉ちゃんは私を救ってくれたし、私はお姉ちゃんのそばにいたい。」


「そう。わかったわ。これからもよろしくね。」


「うん!あ!そうだ!お姉ちゃんにこれをあげるね!右手を出して。」


「これで良い?」


私は左手で機体を操作しながら右手を出した。


「大丈夫だよ。」


アナトは私の右手をそっと包み、目を閉じた。

すると、前にも感じた、何かが流れ込むような感覚がした。


「これで良し!お姉ちゃんに私の寵愛をあげたよ。私の寵愛の効果は、魔力の上昇、寿命の延長、身体能力の強化、自己再生能力の付与、魔法の発動の短縮だよ。」


「凄いわね。ありがとう。アナト。」


「えへへ。後は知識の共有化さすれば終わりだね。」


「今はちょっと危険だからそれは後でしましょう。」


「は~い。」


2つ目の寵愛をもらい、新たな力を得ている間もヘリは順調に飛行を続けた。


[30分後]

「基地の上空に着いたわ。着陸しましょう。」


「大丈夫かな?」


「大丈夫よ。何かあっても私が守って見せるわ。」


私は不安そうなアナトを励ましながら、ヘリをエプロンに着陸させた。


「さあ、行きましょう。ヘッドセットは椅子に置いておいて。」


私はアナトの手を握りながら、ヘリから降りた。


「フェアリー。お客さんが来るって聞いたけど、その子が?」


「そうよ八重。このダンジョンを作った悪魔族のアナトで私達の新しい仲間よ。」


「ア、アナトです!よろしくお願いします!」


「よろしく。私は新島八重よ。それにしても、ちっちゃくて可愛いのにこのダンジョンを作ったなんて凄いね。」


「あの。私が怖くないんですか?」


「こんな可愛い子を怖がる訳が無いよ。」


そう言って八重はアナトに手を差し出した。


「これから長い付き合いになるだろうし、最初は戸惑うかもしれないけど、ゆっくり私達の事を知ってくれれば良いよ。」


「は、はい!よろしくお願いします!」


アナトは八重の手を握りながら言った。


「うん。こちらこそよろしくね。」


アナトと八重が握手を解いた所で私は2人に近づいた。


「さて、親睦を深めた所で悪いけど、アナトは少し私に付いて来て。」


「はい。」


「それじゃあ八重、また後で。」


「そっちも会議頑張ってね。」


私はアナトを連れて前線基地の指揮所に入った。


〈ダンジョン内 ダンジョン攻略前線基地 指揮所〉

私は指揮所の1室にアナトと入った。


「まず、私達がこのダンジョンにいるのは、ダンジョンを攻略する為で、アナトを殺す為じゃない事は理解してもらえたかな?」


「はい。」


「それで聞きたいんだけど、このダンジョンを無くすにはどうすればいいかわからないかな?」


「このダンジョンは元々小さな遺跡型のダンジョンだったんだけど、私が大量の魔力を注ぎ込んだせいで異次元型との複合型になっちゃって、元々あったダンジョンコアも消えちゃったから閉じる方法は…」


「そう。」


「あ、でも、もし外にある転移門を破壊出来れば、この空間も自動的に消滅するんだけど。」


「それよ!それでいきましょう。」


「でも、転移門はミスリルと同じくらい固いし、魔法や魔術も聞かないから今まで破壊出来た人はいないんだけど。」


「大丈夫よ。測定したミスリルのモース硬度は9、同じ硬度の炭化タングステンのロッドを直撃させてやればいい。」


「?もーす?たんぐすてん?」


「簡単に言うと、巨大な槍を空から落とすのよ。」


「空から?!」


「さて、忙しくなるわ。まずは全員を撤退させないと。」


私はオペレーターに声をかけ、撤退を始めさせた。


〈アメックス王国 フィールの街近郊 ダンジョンから5km地点〉

私は全員を撤退させ、ダンジョンから十分離れた位置にある丘に移動した。


「ここなら大丈夫ね。」


「フェアリー!あれを使うって聞いたけど、本当?」


八重が質問をしてきた。


「ええ。もうすぐ始めるわ。」


私は拡声器を手に冒険者達に声をかけた。


『皆さん!これから私達の持つ兵器を使い、ダンジョンの転移門を破壊します!』


「そんな事が出来るのか?!」


『恐らく可能です!それでは始めます!』


私は拡声器を置き、無線に手をかけた。


「アークエンジェル・コントロール、こちらフェアリー。サリエル起動。」


《こちらアークエンジェル・コントロール。サリエル起動了解。》


「北緯32度、東経147度地点のダンジョン転移門をロックしろ。」


《北緯32度、東経147度。衛星カメラによりダンジョン転移門を確認。ロックしました。》


「大型のスピアを1発投下。投下後は2発目の準備をして待機。」


《了解。スピア投下。弾着まで8秒。》


視線をダンジョンの上空に向けると、大気との摩擦で高温になったタングステンのロッドが、光と煙を引きながら降ってきた。


「な!」


「空から?!」


冒険者達が驚きの声をあげた時には既にロッドは転移門に突き刺さり、巨大な土煙をまいあげた。


[ズゴォーーーーン!]


少し遅れて猛烈な振動と共に轟音が響き渡った。


「七海さん!今のは何なんですか?!」


セシルさんが驚愕を顔に浮かべて詰め寄ってきた。


「私達の持つ兵器の1つよ。原理は簡単で、高いところから棒を落とすだけ。」


「それだけであんな事になるなんて!」


「まあこっちの人には理解できないでしょうね。

土煙が晴れてきたわね。転移門はどうなってるかな?」


私は双眼鏡を覗き、転移門のある所を見ると、転移門はロッドの直撃を受け完全に粉々になっていた。


「良し!成功ね!

アークエンジェル・コントロール、こちらフェアリー。攻撃目標は完全に破壊された。良くやった。」


《攻撃目標の破壊了解。攻撃を中止し、待機します。》


私は再び拡声器を持ち、声をあげた。


『えー。ダンジョンの転移門は完全に破壊されました。

これにてOperation Labyrinths Breakersは終了とします。皆さんの協力に感謝します。』


「「「「「ちょっと待てー!」」」」」


『どうかしましたか?』


「ダンジョンの転移門を破壊?!」


「そんな事が可能なのか?!」


『えー。そう言われましても、破壊出来てしまったんでそれが事実です。』


「むう。」


「もう考えるのは止めましょうよ。馬鹿らしくなってきたわ。」


「それがいいな。」


「俺はあいつ等が実は破壊神って言われても納得出来るぜ。」


冒険者達から諦めに似た空気が漂い始めた。


『無事にダンジョンを潰せたので、今夜、私達の基地で宴会を開こうと思うのですが、皆さん参加しますか?

あ!お金はいりませんよ。』


「「「「「おー!」」」」」


宴会の話を聞いた冒険者達から歓声が上がった。


『それでは本日20:00時より基地を開放します。武器は預からせてもらいますが、出入りは自由としますので、楽しみにしていてください。

それでは街に戻りましょう。』


私達は街に向けて進み始めた。


[20:00時]

〈アメックス王国 フィールの街 フォート・ベアード〉

ギルドに報告に行ってニーナちゃんに怒られたり、報酬をもらったりした後、夜の宴会の為の準備を手の空いている全員でし、大量の食料や酒などの飲み物を準備した。

今は宴会の開催時間となり、基地のエプロンにはフェンリルの兵士、冒険者、ギルド職員、住人などが配られた飲み物を手に開催を今か今かと待っていた。

私はエプロンに用意された台の上にマイクを持って登った。

全員の視線が集まった。


『皆さん。今日はお集まりいただきありがとうございます。

今日私達は協力して1つの困難を乗り越えました。まずはその事を喜びましょう。

そして、死んでいった友人、仲間、名も知らぬ者達の為に祈りましょう。

それでは皆さんお手元のグラスを掲げてください。

今日を無事に生き抜き、多くの仲間を救えた事を祝いましょう。

乾杯!』


「「「「「乾杯!」」」」」


私の音頭で全員が乾杯をして宴会が始まった。

宴会ではある者は生きている事を仲間と喜び合い、ある者は仲間を救えた事を喜び、またある者は死んだ仲間を明るく送り出す為にと様々な過ごし方をしていたが、皆一様に笑顔を浮かべていた。


『優香姉さん?』


「お姉ちゃん、こんな所で1人で笑ってどうしたの?」


1人で宴会を眺めていた私の所に有希とアナトがやってきた。


「この宴会を見ていたのよ。」


「皆笑ってる。」


『楽しそうです。』


「そうね。これが私達の守った物よ。」


私がそう呟くと、2人は私の手を握った。


「それなら私はお姉ちゃんの笑顔も一緒に守れるように頑張るよ。」


『そうです。優香姉さんはあの中には自分も入ってる事を忘れちゃダメですよ。』


「2人とも…。そうね。それじゃあ私達も混ざりましょうか!」


『はい!』


「久々のあったかいご飯!お姉ちゃんも一緒にいっぱい食べよう!」


私は自分を慕ってくれる人達の暖かさを感じながら宴会に参加した。

空には元の世界ではお目にかかれない満天の星空と星の海に浮かぶ月が金色に輝いていた。

CPはCommand Postの略で、指揮所と言う意味です。


今回はトンデモ兵器の一つの宇宙兵器を出しました。簡単なスペックを。


対地攻撃衛星アークエンジェルズ

機数:12機

大型ロッド搭載型4機

中型ロッド搭載型4機

小型ロッド搭載型4機

地上にある管制施設からコントロールされ、地球上ならどこでも攻撃可能。核と同程度の破壊力があるため、後始末が面倒なので優香はあまり使いたがりません。


これで第1章は終わりです。第2章は新しいトンデモ兵器を出したり、祭りをしたり、戦争をしたりするつもりです。


それと優香は基本使える人材で仲間に出来そうな者はドンドンヘッドハンティングしていきます。


スレイ○ニ「戦場でヘッドハンティングか。」


こんな感じです。なのでこれからも仲間は増えていきます。


次回は第2章の1話となります。これからもゲームの軍隊と異世界攻略をよろしくお願いします。


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