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ゲームの軍隊と異世界攻略  作者: RIGHT
第1章 Operation Labyrinths Breakers
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第1章2 ギルド登録と貴族のボンボン

〈アメックス王国 フィールの街 東門〉

ギルド職員:ニーナ・ヴァレン


「一体何が起こってるの?」


その余りに現実離れした光景に思わずそう口にした。

突然やってきた20程の鉄の塊が凄いスピードで街と群の間に割って入り中から緑の服を着て杖のような物を持った人間が100人ほど飛び出してきたと思ったら杖から魔法のような攻撃で3000体ものオーガを全て殺してしまった。


「わからん、だが、敵ではないであろう。助けてくれたのだからな。皆!俺様はこの街のギルドマスターとして、この街を救ってくれた英雄達を全員で歓迎するべきであると思うが、違うか?!」


「その通りだ!」 「しっかりと礼をしてやらないと冒険者の名折れだ!」 「あの中にいた可愛い子と話せるなら…!」


いつの間にか近くにいたギルドマスターの言葉に多くの冒険者が賛同し、街をあげての宴会が開かれる事になった。


「ちょっと待って下さい!いつの間に来たんですか!それに領主様に話さずそんな勝手に、」


「構わんであろう。これはギルド主催で開かれる。あのいけ好かない野郎に文句言われる筋合いは無いのである!」


「……わかりました。」


「そんな事より、あいつ等に会いに行くのである!ついて来いニーナ!」


「ちょっ、マスター!これ、着いてこいて言うか、連れ去られてるんですけど!」


私はギルドマスターに小脇に抱えられながら謎の集団と接触した。


〈アメックス王国 フィールの街 東門〉

フェンリル軍特務派遣軍集団 七海優香


オーガを殲滅した私達は東門から20m程の所で待機していた。


「なんか凄い盛り上がってるんですけど。」


街から物凄い大きな歓声が聞こえてきていた。


《向こうはどうでますかね?》


アイアンホーネット隊隊長の河本美保少佐が不安を感じたのかそう質問した。


「このままあっさり済めばいいのだけど、望み薄ね。まあ、歓迎してくれるならありがたく受けましょう。二重の意味で。ん?」


その時、街から身長230cm程の爬虫類の尻尾と立派な角を持った大男が身長140cm程の少女を小脇に抱え、こっちに猛スピードで走ってくるのが見えた。


「なんか、来てるんですけど!総員警戒、まだ撃っちゃ駄目よ。」


全員の間に緊張が走った。

大男は50m程を3秒で走り抜け、車列の目の前で急停止した。脇に抱えられた少女は目を回ししていた。


「そこの君達!街を救ってくれて助かったぞ!感謝するのである!礼と言っては何だが、今夜宴を開くことになったので是非参加してくれ!」


異議は認めん!という勢いで大男はそう言いはなった。


「はあ、そう言うことでしたら、」


「そうか!所で君達は何者なんであるか?そんな乗り物や杖まど300年近く生きてきたが見たこと無いぞ。」


「それは後程、もう少し落ち着いてから話しましょう。」


そこまで話した時、今度は私の後ろの方から、大きな声が聞こえてきた。


「マスターじゃないですか!お久しぶりです!」


「エイミーではないか!行方不明と聞いたので心配しておったぞ!そういえばおぬしはニーナと仲がよかったであるな。ちょうどここにニーナもおるぞ。」


そう言ってマスターと呼ばれた男はニーナと呼ばれた少女をそっと下ろした。


「…マスター…この怨みはいつか返しますよ。それで一体どうしたんです、か。」


少女はフラフラしたまま、周りを見渡し、エイミーを見つけると目に涙を浮かべ駆け出した。


「エイミー!心配じたんですよ!」


「ごめんね。でも無事に帰ってこれたから、約束通り1杯おごるわね。」


少女とエイミーは1ヵ月ぶりの再開を果たした。



[10分後]

少女が落ち着いたので、私達は自己紹介を始めた。


「俺様はこの街のギルドマスターのガルド・ハーディーである。龍人族で年は今年で297になる。」


「私はニーナ・ヴァレンです。この街のギルドで受付嬢をしています。ドワーフ族なので力と弓の腕には自信があります!そこのエイミーとは30年以上の付き合いになります。」


なんとロリ美少女かと思いきや、ロリBBAだった!まあ、可愛いければどっちでもいいですけどね、私は。


「……それで君達は一体何者なのかね?」


ニーナさん(ちゃん?)を見ていたらガルドさんが私に質問してきた。


「おっと、失礼しました。私の名前は七海優香です。私達は1ヵ月ほど前にこの世界に転移して来た、軍事国家フェンリルの軍の者です。この国の許可を得てこの街から200km程の所に街を作った事の報告と、ギルドに登録するために来ました。」


私の答えにガルドさんとニーナちゃんは非常に驚いていた。


「異世界からきた国の軍隊…それなら見たこと無いのも納得であるな。」


「そんな事より、いえ、それも驚きですが、軍隊をギルドに登録するって本気ですか!?」


「ええ、その方がこの世界では動きやすそうなので。」


「それは、確かにそうですね。」


「であるな。所で七海殿はフェンリルではどのような地位にいるのであるか?」


「私はフェンリルの総帥、つまり国王です。」


「「………………はぁあああ!!!!」」


2人は目を見開き驚愕していた。まあ、予想していたけど。



〈アメックス王国 フィールの街 冒険者ギルド〉

私が国王と知ってから2人は”ご無礼を!!!!”と大変だったが、気軽に接して欲しかったので、”公の場以外では友人に接するようにしてほしい”と伝えると元の口調に戻してくれた。私が国王ということはギルドの極秘事項となった。


「それで、何人登録するんですか?」


「そうね、大体8万人位かしら?今日は取り敢えず146人ね。」


「………全員登録するならこの街に来てもらうよりそちらの街に行った方が良さそうですね。146人については1時間で登録出来ます。グループ登録となるので、グループ名を教えてください。」


「『フェアリー・ウインド』で」


「では、この書類を記入してください。全員分あります。」


ニーナちゃんはそう言って紙の束を渡してきた。


「なになに?名前、七海優香。性別、女性。年齢、18歳。職業、小銃手でいいか。近接職か遠距離職か?遠距離職ね。これでいい?」


私は紙をニーナちゃんに渡した。


「はい、大丈夫です。最後にこの水晶に触れて下さい。これで七海さんのステータスを調べて終わりとなります。評価は10段階で、力、体力、魔力、素早さの4種類で、人種の一般人なら3が平均的な値です、ベテランの方は5くらいで10は伝説級ですね。」


私が水晶に触れると、水晶が一瞬光った。


「出ました。七海さんのステータスは………」


「?どうしたの?」


「力10、体力9、魔力2、素早さ10……です。……化け物ですか?」


私自身その数字に唖然としていた。


「でも、本国にはもっと強い人がいっぱいいるんだけど。」


「私、この国が七海さんの所と戦う事になったら亡命します。」


その言葉に私は何も返せなかった。



結果から言って、この街にきた私の部下の魔力を覗いたステータスの平均は9で低くても7というとんでもない数字だった。一般部隊でこれなのだから特殊部隊は恐らく全員10だろう。

魔力の平均は1.4程と、人間族の平均の3より低かったが、特に問題無いだろう。


「七海さん、もう宴が始まってますけど、一緒に行きませんか?」


私は内心で歓喜した。


「ええ!是非そうしましょう!」



〈アメックス王国 フィールの街 中央広場〉

私は無線で部下に自由行動を許可した後、迷彩服を脱ぎ私服に着替え、ニーナちゃんと一緒に宴を楽しんでいた。ほんの数分前まで。


『めんどくさいわね』


私は5人のチンピラに囲まれながらそう思っていた。


[4分前]

私とニーナちゃんはこの世界や私の国について話しながら食べ歩きをしていた。


「そんな魔物がいるんだ。」


「ええ、めったに見つからないですけどね。」


その時やけに綺麗な鎧を身に付けた小太りの男が話しかけてきた。


「君!綺麗だね。僕の妾になれ!そうすれば一生不自由無く暮らせるよ。」


”何この気違い。”


”この街の領主の息子のヨーク・フィール様です。気に入った女性に妾になれと持ちかけて断ると誘拐して奴隷にしているという噂があります。”


気違いデブに聞こえないようにニーナちゃんに聞いた。


『見下げ果てた屑やろうね。』


「お断りします。」


私は笑顔を浮かべて真っ直ぐそう言いはなった。


「……良く聞こえなかったんだが今なんと?僕の父上はこの街の領主で君の家族なんて簡単につぶせるんだぞ?」


ああ、もううざいなぁ!


「お断りだといったんですよこのブタ野郎。父親の力を笠に着ないとナンパも出来ない軟弱なブタになびく程私は安くありません。とっとと帰ってパパとママに泣きついたらどうですか?」


私の言葉を聞いたブタは顔を真っ赤にして叫んだ。


「このアマ!下でに出ればつけあがりやがって!お前ら!痛めつけて二度と生意気な口をきけないようにしてやれ!!」


ブタが叫ぶと後ろにいた5人の男が動いた。


「悪いなぁ嬢ちゃん。」 「ヨーク様終わったら味見させてくださいよ!」 「そりゃあいい!」 「俺も賛成だ!」 「俺は横のちびっ子の方が。」


そう言って男達は舌なめずりをしながら出てきた。


『あああああ!気持ち悪い!速攻で片付ける!』


「ほんじゃ、嬢ちゃん。覚悟してっぶご!」


先頭にいた男は話し中にハイキックを食らい、口から血を吹きながら倒れた。


「獲物を前に舌なめずりは3流のやる事よ。軽く相手してあげるから纏めてかかってきなさい。」


私は左手に小振りなナイフ抜き、そう言った。

仲間を倒され、馬鹿にされた男達は一気に詰め寄ってきた。


「このアマ!その顔ボコボコにしてやる!」


そんな事を叫びながらチンピラは一直線に突っ込んできた。


「食らえ!」


チンピラその2がそう言いながら右腕で殴りかかってきたので右に避け、相手の腕を掴み自分の方に引くと、反射的に体を引いて踏ん張ったので、戻る力をそのまま利用し相手に踏み込むと同時に、相手の左足に右足を引っ掛けると、バランスを崩したので、顎に当て身を食らわせた。


「うがっ!」


あっという間に気絶したチンピラその2を見た3人が戸惑っているのを見た私は、斜に構えて一気に駆け寄り、1人の股間を左手で、首を右手で掴んだ。

股間を掴まれた男は反射的に腰を引いたので首を右手で下にに引き、頭を下げた所に、左肘を首に叩き込んだ。


「カッ!」


3人目が倒され、やっと動き出した4人目が何の考えも無く、殴りかかってきたので、右に避けつつ、腕をつかみ、相手の進行方向の向きに引いた。


「うおっ!」


そのままバランスを崩した男の首に手刀を叩き込んだ。


「ゴハッ!」


4人目を倒した所で、5人目が後ろから抱きついて腕を封じにかかった。

私は慌てず重心を後ろに倒し、右足を男の足にかけ、胸に右肘を押し当て、右足を軸に回転し男を後ろに押すと、男は私の足に引っかかり転倒した。

その隙を逃さず、男の頭を蹴り飛ばし意識を刈り取った。


「さて、あなたのお友達は静かになりましたけど、次はあなたがやりますか?」


私が笑顔でそう凄むと顔を真っ青にしたブタ野郎は、


「こっこれで済むと思うなよ!ナナミとかいったな!父上に頼んで貴様は絶対奴隷にしてやる!」


というテンプレな捨て台詞を吐いて脱兎のごとく逃げ出した。


「あの、いいんですか?」


少し離れた所に避難していたニーナちゃんがそう質問してきた。


「大丈夫よ。あのブタ野郎より上の人とかに動いてもらうから。今日はもう帰りましょう。」


『さて、帰ったら、父さんとミハエルに連絡をするか。』


ブタ野郎は図らずもこの世で最も怒らせてはならない連中を激怒させることになってしまった。

えー次回は親父の潜入と王様登場の予定です。

前回の後書きで初依頼の予定と言ったのですが書けませんでした。すいません。


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