プロローグ終 王子と新たな一歩
〈フェンリル海軍 第3艦隊 旗艦”いずも”〉
フェンリル総帥 七海優香 コールサイン:フェアリー
”いずも”に到着した私達は直ぐに運び込まれた男性の所へ向かった。
「あなたはあの時の!危ないところを助けていただいたご恩は一生忘れません。」
幸い彼は既に目をさましていた。
「あの、あなたはアメックス王国の第2王子様なんですか?」
ジェニーが単刀直入に切り出した。
「!そうですが、どうやってそれを…」
「救出した冒険者の方から聞きました。それでなんですが、会っていただきたい人がいるんです。」
「そちらの女性はどなたですか?」
「こちらは軍事国家フェンリルの国王に位置する七海優香総帥です。」
「只今ご紹介にあいました軍事国家フェンリル総帥の七海優香です。」
「なんと、国王様でしたか。大変失礼しました。アメックス王国第2王子のミハエル・リー・アメックスです。」
互いに挨拶が済んだところで私は本題をぶつけてみる事にした。
「ミハエル様、今回私はこれからの事について話したいと思いここにきました。」
「ミハエルで構いません。親しい人はそう呼びます。それでこれからとは?」
「私達は数日前突然異世界からこの世界に転移しました。そのため私達はこの世界で生きていくための知識や他国との繋がりがありません。そこで私は調査隊を派遣することを決めておりましたが、今回の件を利用し一気に進めたいと考えています。」
「つまり我が国に部隊を派遣したいので許可を出してほしいと。……それを受けた場合のメリットは?」
「私達のもつ技術の一部を供与と調査隊は冒険者ギルドに登録させる予定ですので我々に依頼して頂ければ討伐から救助、工事などすぐさま対処に当たります。貴国に取って有益な話しだと思いますが?」
「我々が払う代償は?」
「そうですね。貴国の西海岸の一部地域を開拓する許可とその地域内での採掘権と他の街と街道を結び交易する許可をいただきたい。当然税も支払います。」
「調査隊の安全は保証出来ませんよ。」
「覚悟の上です。我々に取って仲間の安全が最優先です。危害が加えられるならば、容赦はしません。」
「わかりました。その条件なら大丈夫でしょう。帰国次第すぐに手続きを行います。」
「傷がある程度治るまでは安静にして下さい。現在最先端の再生医療を行っていますので後1ヶ月もすれば腕も元どうりになるかと。」
「腕が治るのですか!?何から何までありがとうございます!」
「いえ、当然のことをしたまでです。帰国の際に隊員4名を護衛兼連絡役として送りますがよろしいですか?」
「ええ、実際にいた方が上の説得も楽でしょう。是非お願いします。こちらの利益も大きくなりそうなのですぐに説得出来ると思います。」
「こちらこそよろしくお願いします。帰国の際にはお土産もお渡しします。」
さてこれでこれからの方針が決まったわね。
[1ヶ月と2週間後]
〈アメックス王国ディーフ地方近海 フェンリル軍特務派遣軍集団『フェアリー・ウインド』 フェンリル海軍第1艦隊あかぎ空母戦闘群 旗艦”あかぎ”〉
王子が帰国した時に随伴したデルタフォースから王子が上層部を説得しアメックス王国西海岸北部を統治する権利を得たとの報告を受けた。
「意外と早かったわね。1ヶ月はかかると思ってたのだけど。やっぱりお土産が効いたのかしら。」
王子には戦車が砲撃する写真と海賊討伐時のシーホークと”いずも”の写真に大量の塩、砂糖、コショウを持たせた。輸送の為にハンヴィー2台を使う事になったけど。
「さてそれじゃあ甲板に出るとしますか。」
甲板に出ると既に多くの兵士が私を待っていた。
「さて諸君ついにこの時を迎えた。我々はこれからアメックス王国西海岸北部に位置するディーフ地方に入る。だが、これは侵略ではない。アメックス王国との友好を絶対たる物に変える為に我々その地に街を作り上げ、ギルドに登録し、困窮に喘いでいる市民を助ける。諸君は野良犬ではなく誇り高い狼だ。その事を決して忘れるな。以上だ。出撃するぞ。」
「「「「「了解!!」」」」」
ゲームの中からやってきた軍隊はファンタジー世界で新たな一歩を踏み出した。
やっとプロローグが終わりました。
次は特務派遣軍集団参加部隊の紹介とかキャラクター紹介とかになる予定です。オリジナルの艦艇も少し出てきます。
デルタフォースは言わずと知れたアメリカ陸軍の最精鋭と言える部隊です。主に特殊部隊から人員が募集される為、アメリカで最強の特殊部隊と言えます。ちなみにアメリカ政府はその存在を公式には認めていません。
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