新第0章プロロー1話
予定より遅れて申し訳ありません。
[ある世界 ある日 23:00時]
〈平原〉
現実とは違うファンタジー世界の盗賊の被害が頻発する平原。
今夜も近くでキャンプしていた商隊が襲われていた。
「おい!奴等盗賊だろ?!何でこんなに練度が高いんだ?!」
「落ち着け!お前はヒルとミンクの援護に行け!」
リーダーの女性が仲間に指示を飛ばしていた。
「ジュディ!後ろ!」
「伏兵だ!」
「クッ!」
隠れていた伏兵がリーダーの女性に襲いかかり、その刃が突き刺さろうとした時、
[ピシッ!]
空気を打つような音が響き、
[ドチュッ!]
盗賊の頭に風穴が空いた。
「?!な、何が起こった?!それにこの音は?!」
盗賊の対処に集中して気付かなかったが、バタバタと轟音が響いていた。
[グォォォォォ!]
竜が唸るかのような轟音と共に地面が抉れ、盗賊達が倒れていった。
「何だ?!」
「フェンリルか?!」
ファンタジーの世界に似つかわしくない、MH-6J 6機とAH-6J 2機が飛来し、空中で静止して、ロープが蹴りおとされ、機内にスナイパーを残し、黒い戦闘服と強化外骨格型のパワードスーツを着た完全武装の特殊部隊が降下してきた。隊員の中には、角や翼を持つ者もいた。
「HVTの安全確保を最優先に!各自自由に発砲を許可する!盗賊共を制圧しろ!」
降下してきた部隊の隊長と見られる若い少女の声が響き、暗視モードのHUDを起動した部隊が迅速に行動を開始し、盗賊達に正確に銃弾を叩き込み、命を奪って行った。
「待たせたな。フェンリル軍の救援部隊です。盗賊の撃滅に来ました。」
少女はリーダーの女性に近付き、そう言った。
「!後ろ!」
女性が警告した時には既に少女は振り向き、同時に腰の鞘から青白く光る刀を抜き、襲い掛かってきた盗賊に居合いを放ち、その体を両断した。
「ご忠告感謝します。」
[パン!]
少女はそう言って辛うじて息のあった盗賊の頭にレッグホルスターから拳銃を抜き止めを刺すと、刀を振って血を落とし、刀を1回転させ鞘に戻した。
「盗賊は私達にお任せを。もう終わります。」
少女の言葉の通り、剣が主武装の軍隊崩れの盗賊が銃で完全武装の特殊部隊にかなう訳も無く、盗賊達はあっという間に制圧された。
「状況!」
「クリア!」
「クリア!」
「クリア!」
「クリア!」
隊員の若い少女達の声が響いた。
「オールクリア!制圧完了です。負傷者がいるなら街まで一緒に連れて行きますが?」
少女はヘルメットを外し、長い銀髪を振り乱しながら言った。
「いや。幸い重傷者はいないようだ。お心遣い感謝する。」
リーダーの女性は仲間の様子を見て答えた。
「そうですか。では私達はここで。」
少女は敬礼をすると、着陸したMH-6Jのベンチシートに座り、降下した隊員を乗せたヘリは再び舞い上がり、基地のある街への帰路についた。
《楽勝だったね。フェアリー。》
ヘリのパイロットの少女が隊長の少女に言った。
「油断は禁物よ。昔から言うでしょう?家に帰るまでが遠足だと。最後まで気を抜いちゃ駄目よ。」
《了解です!》
ヘリは一糸乱れぬ見事な編隊飛行で飛行しており、ヘリの胴体と隊員達の胸には銀色の狼のマークが描かれていた。
次回はキャラクター紹介と兵器紹介になります。質問なのですが、オリジナル兵器だけでなく、実在兵器の説明も書いた方が良いですか?回答は感想にお願いします。
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