第一章
《アルファータ崩壊、20年後》
かつては栄えていたアルファータの時計塔広場。
時刻はもうすぐ0時を回ろうとしていた。
キュルルルル…
気味の悪い音を立て、一人の少女を追いかける小型戦闘用機械-デュア-の群れ。
手の平サイズでウサギの様な形をしているため、とても戦闘用機械とは思えない。
しかしその見た目とは裏腹に、口のような部分からビルをも粉々にしてしまうような光線が発射される。
「…もう!!鬱陶しいわねっ!!」
少女の小さい手に握られた拳銃から鉛弾が発砲される。
その弾は正確にデュアを撃ち抜き、デュアは粉々になる。
しかし、撃っても撃ってもデュアの数は減らなかった。
少女の体力は徐々に奪われており、遂に走れなくなってしまった。
「はぁ、はぁ…、ちゃんと体力トレーニングをしておくんだったわ…」
少女は深いため息をつき、追ってきたデュアに拳銃を向ける。
「…残っている弾はあと5発。デュアは1万はいるかしら?さて、どうするつもり?」
少女は額に汗を流し、苦笑しながら一匹のデュアに話しかける。
デュアは発射口を開き、少女に向けた。後ろにいたデュア達もそれに続けて発射口を開く。
「それが答えなの、ねッ!」
その声と同時に残っている体力を絞り出し、高くジャンプする少女。
発射口が真上を向いた瞬間、少女はポケットから爆弾を取り出し、デュア達に投げつける。
地面に降り立った少女は粉々になったデュアを踏みつけ、
「銃弾は5発、おまけに爆弾一個ありましたっと…」
と得意気に微笑んだ。
しかし…。
キュルルルル…
また気味の悪い音が少女を取り囲んだ。
「う、そ…まだいたの!?」
拳銃を構えようとしたが、既に体力は無くなっておりペタッと地面に膝をついてしまった。
デュアは容赦なく発射口を開く…
「……いや…!まだ…こんなとこで……」
刹那、少女の目の前が真っ白になった。
少女はとっさに目を瞑り、死んだのだと諦めた。
しかしその光は、デュアの光線ではなかった。
恐る恐る目を開くと、両手に刀を持ち黒いスーツを身に纏った青年が少女の前に立っていた。
辺りを見回すと、大量にいたデュアは粉々になっていた。