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CASE-1 不運

Name; 小沢美奈子(おざわみなこ)

Ozawa Minako


Country; Japan


Age; 16


Sex; ♀


Occupation; Highschooler




「何でこうついてないんだろう?」


私は小沢美奈子。高校一年生にして不幸街道まっしぐらなこの頃…



昔から私は何かにつけて運が悪い。

この運の悪さは生まれた時から付きまとっているらしい。

私が生まれてからすぐ両親が死に、親戚が事故り、祖父母は病気で寝たきり。

引き取り手がいなかった私は、養子としてどこかの家に引き取られるも、一年以内に何らかの不幸が襲う。それは火事だったり、地震だったり、交通事故だったり…

なんとか中学を卒業し高校を受験すると、試験当日に盲腸で入院。そのころの里親の努力もあ

り、何とか高校に入れたものの、その高校が不審者に襲撃され7人も死ぬこととなった。その頃里親の会社が倒産。同時に私は一人暮らしを始める。

一通りの事故に遭い、懸賞などは当たった事がない。この運命的な悪運はいつまで続くんだろ

うか…


「家帰っても何にも無いし、その辺を散策するかな。」

この辺の商店街はよく店が倒産する。倒産しては新しい店が入り、また倒産してはまた新しい店が入るのだ。日増しに新しくなっていく商店街は見ているだけでも楽しい。

「…あれ?こんな所に何か出来てる。」

この前まで廃ビルだったのにもう新しくなってる。工事してる所見たこと無いのに。

「まあいいや。えーっと…

弐階 ロード契約事務所 貴方の願いを助けます。いかなる願望でも手助けいたしましょう。

だって…変なの」

(いかなる願望でも…か。面白そうだな。行ってみようか)


私は中へと入っていった。


「すいませーん。誰かいらっしゃいますか〜?」

…しーん

「なんだ居ないのか」と帰ろうと後ろを向くと、

「御用ですか?」

そこには、20代前半くらいの青年が立っていた。整った容姿に黒髪、紅い眼をもったどこか怪しげな雰囲気をかもし出す人物がそこにはいた。

(いつから居たんだろう?後ろに人が居た気配なかったのになぁ)

「ご心配なさらず。散策から戻ってきただけでございます」

「え?」

(読まれた?)

それにしても見た目と話し方がかけ離れてるなぁ

「さて、御用ならば中のソファーにでもお座りください」

「あっはい」

(立っていてもあれだ。とりあえず話を聞いてみるかな)

と、ソファーに座るとまもなく、

「コーヒーでもどうぞ」

「ありがとうございます。あの…」

「何でしょう?」

「貴方は…?」

「私はここの事務所の所長のロード。と言っても私しか居ませんがね。」

「あと、ここって一体何なんですか?」

ここで率直に聞いてみると、待ってましたかと言うかのように説明を始めた。

「ここは、依頼人の願いを叶える手助けをする事務所になっています。ここでは、正しいとか間違っているとかは関係なしに、純粋にあなた方の願いをかなえるためのお手伝いならいくらでもします。たとえば、貴方が誰かを殺したいとします。そのときに、犯行のプランや凶器の用意、必要な能力の提供など等。私は直接手を下しませんが、貴方の願いに必要なものは全て提供いたします。貴方は何通りかあるプランの中から好きなものを選択できる権利もお持ちです。もちろんその対価はいただきますがね。」

「対価って一体・・・」

「寿命の一部と、死んだ後の魂の自由をいただきます。」

「…へ?」

(まったく意味が分からない。寿命?魂?どこの世界の話?)

「まあ、依頼して死ねば分かる事です…」

「…どんな依頼でも。と言ってましたけど、本当にどんな願いでも叶うんですか?」

「ええ。まず叶うでしょう。」

「じゃあ例えば、運勢を逆転させたい…とかも?」

「ええもちろん。それが貴方の願いですか?」

(うっ鋭いなぁ。それにしてもどうしようか…かなり胡散臭いけど、話が本当なら人生が変わる。この悪夢のような人生が変わるんだ。)

私が考えていると、ロードはそれを察したかのように

「運勢の逆転、その依頼なら無料で承りますよ。魂の束縛も無しと言うことです」

「本当ですか!?」

「私は嘘は嫌いです。」

「じゃあお願いします。」

そういうとロードは口元で微かに笑った。

「では、こちらの契約書にサインを」

とロードが渡した紙には、でかでかと「契約書」とかかれ、「依頼品; 運気反転プログラムX1回 以上 報酬; 無償」と並んでいた。

私は迷わず渡されたペンを滑らせると、ロードに渡した。

「承りました」

と彼が言うと、頭に謎の機械を取り付けられた。

(これが運気反転プログラム???)

「これで貴方の明日からの運は180度変わります。それではGOOD LUCK」

そこで私の意識は闇へと引きずり込まれていった。


「はっ、朝か…」

自分の部屋、自分のベッド、見慣れた風景。そこは、昨日の事務所ではなかった。

(昨日は変な事務所にいた気がするんだけど、夢かなぁ)

と、時計を見ると、バス出発10分前

「げっ、マズイ遅刻だ!」

急いで身支度を整えると、猛ダッシュでバス停へ。普通に行けばバス停へは3分かからないのだが、大抵何かがあって15分くらいかかってしまう。しかし

(あれ?今日はいやに順調だなぁ)

なぜか今日はなんのアクシデントも無くバス停に着き、バスも渋滞なしに学校の近くまで走った。

今日は全てが順調だった。例えば、朝のごたごたで宿題一式忘れてきてしまったが、全ての先生が宿題の存在を忘れていたため難を逃れたり、テストでは、開始5分前に勉強した部分がそのまま出たので楽勝だったとか、すごく運が良かった。

(やっぱり夢じゃなかったんだ!しっかり運勢が変わってる!)

その後私は、宝くじを買い続けていた。そしてそれは必ず一等3億円で、宝くじがあるごとに私は大金持ちになっていった。世間では何らかの不正があるとか騒いでいたけど、そんなものあるわけが無い。ただ運がいいだけなんだから。

そして私は、持ち前の運のよさを発揮して、様々な分野で活躍した。私の人生はまさに絶頂を迎えていた。


しかしそれは突然終わりを迎える事となる。


ある日私は、不健康な生活のせいか、風邪をひいてしまった。病院にいって「ただの風邪です」と風邪薬を飲んで寝ていた。しかし風邪が治ることは無く、症状は悪化した。風邪をこじらせ、高熱で体の細胞がやられ、回復は絶望だと思った。


最後の瞬間、私は思った。


(運が良くなったんじゃなかったっけ…)


「愚かな女だ。」

事務所でロードは窓をぼんやりと見ながらつぶやいた。

「どんな事故、病気や災害にあっても死なない運のよさ、それを反転させたばっかりに…風邪で死んだのはある意味運が良かったのか…」


「どんなに俺が手助けしようと、本人が努力せねば意味がないというのに。」

こんにちは、ジュリアです。今回はなんとなく漠然としてしまいましたが、次はこうならないようにしたいと思います、御意見御感想をどしどしお寄せください。できる所から改善していきたいと思います。

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