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プロローグ

7月。

春が過ぎ、じめじめとした梅雨も過ぎ、夏真っ盛りを迎えようとしている月。

俺、葉原スズルはこんな炎天下の日差しが照りつける高校で授業を受けていた。しかもクーラーが利いてない。というより、先日、あまりの暑さに機械機能も耐えれなかったのか突然故障してしまったのだ。俺が所属する2-C組の担任、小野村は「気合いが足りない」と言ってた。機械に気合いとか、とツッコミを入れたかったが、如何せん、俺は目立ちたくない。

学校では基本、席に着き、本を読んでいるのが基本でもちろん弁当を1人で食べているのも常だ。部活などには入らず放課後はさっさと帰る。とくにすることもないし、出席数をとるためと将来楽になるために学校に来ているようなものだ。

しかしそんな生活は苦じゃない。むしろ自分からそれを望んでいる。

俺だってその気になれば友達の1人くらいは簡単に作れるはずだ。だが敢えてそれをしない。

何故なら、面倒臭く感じられるから。というか人と関わって、何が「楽し」くて何が「悲しい」のか理解できないのだ。

かと言って、全くの無感情、常に無表情という訳でもない。俺にだって楽しいときや悲しいときがある。ただそれを面倒臭く感じる、というだけなのだ。

誰にも関わらず、誰にも指図されずの自由な生活もこれからずっと続くんじゃないかと思っていた。

そう、今日まではーーーーーーーーーー


放課後、さっきも言ったがすることがないので帰宅準備をする。

「葉原、ちょっといいか?」

急に呼び止められ振り向くとそこには担任の小野村がいた。急いでいるのか自分の腕時計をいちいち確認している。

「…なんでしょうか?」

「沢村先生が呼んでいる。至急、生徒指導室に行くように」

「はぁ…」

用件だけを伝えて小野村はさっさと教室から出ていった。

生徒指導室?俺なんかしました?

と疑問はあったがとりあえず行ってみることに。

ー生徒指導室ー

一見、古びた扉だが中は何故かそこそこ綺麗な感じな生徒指導室へ入る。


するとそこには、こちらに背を向けて凛として立っている1人の女性がいた。

「来たか、少年。もとい葉原スズル」

こちらに背を向けたまま語り出す小野村。

「どうでもいいですけど喋るときは相手の目を見てください」

「お、おぅ…」

狼狽えて返事をしながらこちらに向く小野村。

「突然で悪いが、君、部活に入らないか?」

「…………………………………は?」


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