創めに。
はじめまして。
霄彼方と申します。
今作を始めるにあたり、登場人物と舞台詳細、用語などを予めまとめます。
随時更新する予定なので、初めてこちらを読まれる方はこの先の展開のネタバレになる可能性もあります。
≪ 人物紹介 ≫
ウリ(Uri)
:十七歳、身寄りのない孤児。隣国の戦火から逃れるために一人でやってきた。
身体が驚くほど頑丈で、喧嘩も強い。
癖毛こげ茶の髪に褐色の肌、目の色は新緑のようなペリドット。
何かの目的があり、大金が必要なようで、得意の身体能力を活かし暗殺業をしてお金を稼いでいた。
シャムシール(中東の曲がった剣)を腰に下げており、それはどうやら大事な様子。
ライラ(Layla)
:十五歳、かつての姫君。王都を取り戻すことを誓う。
腰まで伸びる栗毛の癖毛に小麦色の肌、目の色はシトリン。
クーデターが起こり、逆賊に王都を占領されその身を追われている王家の生き残り。
第三王女であり王位継承権も低いことから、世間に顔を出しておらずその顔は知れ渡っていない。
本名はシェヘラザード=ライラ=ティア・サンドリア。
一定の魔法が使えるようで、常に腰に魔法の絨毯を携帯している。治癒魔法が得意。
・ファギィール地区
アミル(Amir)
:三十五歳。サンドリア王国最大のスラム街のあるファギィール地区一帯を管理する土地主。
曽祖父の代から管理を命じられているが、アミルが長になってからは裏家業にも手を出している。
違法に暗殺依頼を高額で請け負い、スラム街に住む人間に暗殺業を少額の報酬でやらせていた。
ウリの雇い主。髭面の大男。三人の手下を常に従えている。
シバ(Siva)
:十七歳。あまり交友関係を持とうとしないウリの唯一の友達。
ウリと同じ天涯孤独の身でありながら、どこかいつも楽しそうで、元気な少年。
・王都
サンドリア王(King of Sandria)
:享年五十三歳。五百年続くサンドリア王家の滅亡を招くことになってしまった当代の王。
ライラの父でもあり、寡黙で厳格ながら、時に優しく育ててくれた。
税金の値上げなどから民衆より不満を募らせていた面もあったが、
一方でインフラの整備などで尽力している面も多々あった。
しかし、民衆からの人気は低かった。
ジャアファル(Jafal)
:三十五歳。国王の右腕とも称された敏腕の宰相。ジャアファル・アル=バルマク。
民からの信頼も厚く、王家からの信用もあった。
唯一、王様に意見を通せる人間でもあり、数々の功績をサンドリア王国へもたらした。
しかし、王都転覆を図った首謀者と目され、ライラの目の前で国王を殺した張本人。
ファルーズ(Faruz)
:十九歳。ライラの最側近の一人。ファルーズ・シャー。
癖のない黒髪に小麦色の肌、目の色はオブシディアン。
国王直属の諜報員でもあり、ライラお付きの衛兵でもあった。
王族のうち一人生き残ったライラの唯一の身寄りとでも呼べる存在で、幼少期からライラをよく見ていた。
今はライラの情報集めをしてくれている。
≪ 舞台設定 ≫
エジプト、イラン、トルコ辺りの中東地域のイメージ。
パルティア半島(Parthian Peninsula)
:大陸から突き出た大きな半島。
半島というか、もはや大陸のような大きさを持つ。
かつては一つの大きな国があったようだが、今は三つの国に分かれている。
アルドゥール共和国(Ardur Republic)
:亡国。
かつてサンドリア王国の隣にあり、パルティア半島で初めて王政を打倒し共和制を取り入れた国だった。
しかし、共和制政府内で内争が起き、国が破綻した。
今や毎日内紛の起こる危険地帯。
ウリの出身国。
サンドリア王国(Sandria Kingdom)
:代々サンドリア王家が治める砂漠の王国。
建国五百年を迎えていた。
クーデターが起こり、王家は一族郎党皆殺しにされている。
唯一、第三王女だけが生き延びている模様。
王都
:裕福な者しか住まうことのできない一等地。
サンドリア王国は住む場所が格付けられており、上級国民、中級国民、下級国民、以下の順に王都に近くなる。
ファギィール(Faghir)
:ウリが住んでいたスラム街のある地区。
王都から比較的近い位置にあるが、基本的には下級国民の住む地区。
マシュグール(Moshghul)
:ファギィールの隣町。
王都より少し離れたところにあるが、地方都市でもあり中級国民の住む地区。
≪ 用語解説 ≫
・五大神と知恵の魔神
半島に伝わる神話で、半島各地に点在する神殿に訪れ魔神の信託を聞けば、最後〝知恵の魔神〟に会うことが出来るという。
〝知恵の魔神〟はこの世の全てを知りえた神で、万物の願いを叶えてくれるのだという。
御伽噺くらいにしか捉えられていないが、半島に住む人間は全員それを知っている。
どうやら、本当に実在するようで、ライラはそれに会うことをまず目的としている。
ゆっくりと書き進めていきますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。