三度目の。極寒公爵を娶って魔王を倒します!
最終エピソード掲載日:2025/09/05
マリアは王国のモレッティ子爵という貴族家に末娘として生まれ、黒髪であったがゆえ不幸を招く呪いの子だと生まれた時から別館で隔離されて過ごしていた。
質素な食事により細く小さな体。
日中は部屋に積み上げらえている本を読むことだけで時間をつぶす。室内にある数百冊の本はすでに何度か読んだ者ばかりだった。それでも時間を持て余したマリアは気に入った本を何度も読み漁った。
ここ数年は時事関連の読み物を定期的に使いされていたが、何度も読み返すほど暇を持て余していた。
マリアが15才の誕生日の日、初めて父である子爵に呼び出され執務室までやってきた。入り口に立つと執事長が顔を顰めながらのお出迎え。
ドアを開けると無表情な子爵から「帝国の公爵家に嫁がせてやる」と伝えられた。
話はそれだけ。すぐに「出ていけ」と急かされ、別館へと連れ戻されていた。
自室から最低限の身の回りの品を纏め鞄1つで外に出る。
みずほらしいドレスを着たマリアは、指差された先にあった粗末な荷馬車へと乗り込んだ。御者はどこかで出来等に雇われた男のようで、マリアの黒髪に驚いた後、執事長に頭を何度も下げお金を受け取っていた。
粗末な荷馬車に揺られ続けて半日。
マリアは父である子爵の言葉を思い出していた。
嫁ぎ先のアロンツォ=フィエロ様は公爵家の中でも一番大きな家柄。周りからは極寒公爵と言われ恐れられているがそれでも嫁ぎたいと騒がれているほどの名家、さらには美形らしい。
公爵からは『慎ましくも賢い女』という条件が出され、貴族家が必死に娘をアピールしようと送り込んだが全員が不合格と送り返されていた。
マリアは、定期的に追加されていた時事関連の読み物はこの時の為に運ばれたものなのかもと思った。それは真実で、マリアの父は無駄に生きている末娘を送り出し、あわよくば、と考えていた。
失格の烙印を受けそのままどこへなりとも消えてしまえ、とも思っていたようだ。本当に嫁げると思ってもいない子爵はマリアを着飾って送り出すことすら考えてもいなかった。
子爵の思いを知ってか知らずか、慎ましくも賢い女。そのことを必死で反芻し、まだ見ぬ公爵様に娶ってもらえるよう彼是考えるマリアであった。
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全5回。終了は22日。更新ごとに読むもよし、終わってから読むもよし、盛り上げて頂ければ幸いです。
01 - 黒き髪のマリア
2025/09/05 14:00
(改)
02 - 過去をなぞる最強の
2025/09/05 16:00
(改)
03 - ときめきは何度でも
2025/09/05 18:00
(改)
04 - 憂いは全てなくなった
2025/09/05 20:00
(改)
05 - 魔王討伐と幸せな日々
2025/09/05 22:00