2話
やっと少しずつ動き出しました。
登場人物も描いて整理しなくては・・。
はてさて、やっと領地に戻ってきましたー!
王都のタウンハウスで倒れて、倒れてる間に船を用意してさっさと領地に戻るっていう準備の速さよ。
貧乏領主の使用人をやってると一人何役もこなさないといけないから必然的にスキルが強くなるらしい。
まさに少数精鋭かっこいい!!ひゅう!
そして私が倒れてる間に兄様と姉様は王都観光したって聞いて、兄弟愛とは?って疑ったね。
それを聞いたら、あれだけ叫んで嬉し泣きしてまた叫んで嬉し泣きして倒れたのなら心配するところ一つもないでしょ?だったら王都観光に繰り出してどこが悪いの?って開き直られました。そして僕は末っ子。兄弟には逆らえられないのである。うん。次僕が王都に行ったら絶対に観光するんだ。つーか次っていつなんだろうね??
まさか一生ない?いやいやいやそんなことは絶対にない!!なぜなら僕がカレーで無双するのだからー!!ふんす。
って貴族あるまじき鼻息荒くしてサーセン。
今日は僕のギフトのお披露目会。
家族に使用人の家族をだけの内輪のお披露目。
合計20人にも満たない。
さて久しぶりにカレー錬成でもしますかねえ
「カレー錬成!!」
(おー!具合が戻って何よりです。本日は何人分カレーを錬成しますか?)
謎声さんお久しぶりー!会話ができるってこのスキルすごくない??
みんなそうなのかな??
「今日は20人いるから、えっと20っと。」
僕は+を20に合わせる。
(20人前の錬成確かに承りました。カレーの辛さが選べますが?いかがなさいます??)
なんと!カレーの辛さが選べられるのか!すごいよ!!
子供はえっと5人で大人が15人。
「大人の皆さんは辛いの大丈夫ですか??」
「私は甘いのがいいわねえ」
「あ!じゃあ私も甘いのがいい!!」
「僕は辛いの食べてみたいねえ。」
母様と姉様は甘口。父様は辛口。初っ端から辛口を行くなんて父様チャレンジャーだな。
特になんも言わない人は全員中辛っと!!
「あ!そうだ食べる前にお水用意しなくっちゃ!!」
その言葉にメイドさんがすぐお水を人数分用意する。
僕は先ほどの数量を甘口を7中辛を11辛口を2に訂正する。
(カレー錬成中しばらくお待ちください。)
ぽんぽんぽんって音を立てながらカレーライスが錬成されていく。
蓋に甘口辛口中辛って書いてくれてるのもまさに日本的だなあ。
みんな蓋を開いて驚いてる。
そりゃあそうだよね。だって見た目が見た目だもん。
でもこの見た目を乗り越えたきっと君らの口はこのカレーがないと生きていけなくなるのだああー
ガーっハハハハけほけほ・・すぐ調子乗っちゃうの僕の悪い癖だぞ数秒前の僕。メッ。
「見た目があれですが、この匂いに抗えられないですなあ。どれ一口。」
お!早速料理長が一口含みました!!味の判定はどうなるでしょうか??
「こ・・・これは!!なんていう味の芳醇さ!!こんな複雑でいて尚且つ美味しいものは生まれてこの方食べたことありません!!旦那様。」
はい!一人確実にカレー沼に引き摺り込んだー!!いやったね!!
料理長はそのままガツガツとカレーを食べる。
それを皮切りにみんな一斉にカレーを一口入れる
「「「「「「うっまああああああああああいい」」」」」
「「「「「何これ??美味しいいいいいいい」」」」」」
上。男性の反応。
下。女性の反応。
子供達は、ハフハフしながら一斉に食べる。あー可愛い。ちびっこが食べる姿って可愛い!
いや僕も十分ちびっこだよって誰か突っ込んでいいんだからね??
まだまだ子供だってチヤホヤされたい年頃なんだから。
と言っても8歳になるチヤホヤから大人の階段へ登り始める年頃と認識されているんだよね。この世界。
せちカレーなあ。カレーだけに。
あ!嘘!嘘だから僕を殴らないでやめてー!!滑りまくったって自覚してるから許してくれよーー
もうつまらないギャグ言わないからさあ。
みんな一巡したあとおかわりをしてはカレーを合計60杯錬成しました。
みんな美味しいものに飢えていたんだね。わっかるう。
僕は落ち着いてから父様の執務室に行く。
執事のマンクが父様と一緒に仕事をしていた。
「どうしたミゲルス?何か用事かな??」
僕は口を開いて一瞬ためらう。
「どうした。言ってご覧。」
僕は父様とマンクの目をみていった。
「父様。マンク。カレーいかがでした?」
二人は顔を見合わせて破顔する。
「とてもおいしかったねえ。あんな美味しいものとは知らなかった。」
「とても美味しゅうございました。長く生きていましたが初めて知る味で、癖になりますね。」
そっか。やっぱりこのカレーは領地立て直しの材料としてうまく行くんだな。
この二人のことだから、僕の言わんとすることを理解してる。
だったらと僕は提案した。
「僕のカレーをこの領地を立て直す材料にしてください。」
二人はこの言葉に目を見開いてすぐに真剣な表情になった。
「旦那様。今すぐ料理長を呼んできます。」
「ああ。頼む。」
マンクはすぐに料理長を呼んできた。
「旦那様。どうしましたか?」
父様は僕に目配せする。
「あ・・あのね。料理長。さっき食べたカレーって再現できるかな?」
料理長はその言葉にハッとした顔になって少し考える素振りを見せる。
「あの芳醇な味は何でできているんだ?スパイスだよな。そのスパイスの味はなんだ・・」
料理長はぶつぶつ呟きながら。「あのスパイスか?違う!あの・・スパイスだろうか?
少し違うなあ。じゃああれだな!うんあれだ!!でもあれなのか?」
料理長は僕をみて申し訳なさそうな顔でいった。
「ぼっちゃま。大変申し訳ないのですが、先ほど三種類のカレーをもう一度錬成できますか?」
僕は即座に錬成した。
料理長はそれぞれの味を比較して「やっぱりあのスパイスで間違っていなかったか!ほう。この甘口はあの果実も入ってるな。面白い!」
え?なにこの料理長ってもしかして一口含んだら味の解析ができるの??すごない??めっちゃすごない??
「あのう・・料理長ってもしかして一口含んだら、味の解析とかできるのですか??」
料理長は僕の言葉に軽くうなづいた。
うっわ!!まじかー。少数精鋭だと思っていたけど。これってチートじゃん。
料理長は水を含んでから父様を見ていった。
「このカレーでしたら。うちでも再現できます。ただ少しお待ちいただけませんか?
せっかくこの複雑な料理を作らせていただけるのであるなら、ぼっちゃまのカレーを少しアレンジさせていただきたいのです。」
「アレンジ・・ですか?」
「はい。このカレーは十分に美味しいのですが、これに手を加えればさらに味に深まりが出ましょう。
その味の深まりが料理人魂を刺激するのです。ぼっちゃまには申し訳ありませんかアレンジさせていただいてよろしいでしょうか?」
うっわー!料理長好き!探究心めっちゃ好き!!そう!そうなんだよ!!料理のことなんてこれっぽっちもわかってない僕だけどさ。カレーの味の複雑さはなんとなくわかるんだ。でもさその複雑を極めようなんて思ったこと一度もないんだよね。それをさ、料理長はやるっていうんでしょ?なんかありがたくって泣いちゃうよ。つーか泣いちゃったよ。
「料理長。よろしくお願いします。」
僕は料理長に頭を下げた。
父様もマンクも同時に頭を下げる。
3人に頭を下げられた料理長はめっちゃ恐縮してた。
そうだよね。貴族は頭を下げないものだもんね。でも僕は尊敬できる人は首を垂れるよ。
自分のプライドなんていくらでも捨てる。だってそれで領地が良くなるなら全然いいじゃん。
多分。父様もマンクもそうなんだろうね。だから簡単に頭を下げるんだ。
読んでくださってありがとうございます。
なにぶん初心者なゆえ、色々と抜けてることがあると思いますが、皆様の応援が力になりますので
暖かい目で見守ってくださるとありがたいです。よろしくお願いいたします。