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初恋の後悔  作者: お風呂かこ
五章 大学生編 二年生
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一節 読書

 二年生になり、電車通学に変わった。定期的になくなる金は、家賃よりもはるかに少なくなった。

 片道一時間の通学時は、本を読むことにした。


 週末になると僕は、図書館に興味の惹かれる本を探しに行く。そうして手に取った本を、毎日の通学時間でゆっくりと読んだ。

 退屈だと思っていた通学時間は、本の内容によってはむしろ毎日の楽しみにさえなることもあった。

 アルバイトは、時間があるときにだけ単発のものをすることにした。

 薬局のときのように、私生活を束縛されることは避けた。



 二年生になって、語学のクラスも変わった。貴久や和也とは、顔を合わせる機会がさらになくなった。

 そして僕は、新しい語学クラスの人と話をするようになった。

 会話をする人が増えるので、交友関係もだんだんと広くなっていく。


 しかし所詮は講義が同じというだけなので、お互いに深入りすることはなく、世間話をするだけの関係に落ち着くのが常だった。それは同じ学部の人でも、語学の人でも変わらなかった。

 それでも前より僕は、よく笑うようになった気がする。

 上辺だけの関係でも、うまく笑えていなくても、笑うことへのためらいはなくなっているように思う。僕は少しだけ、自分に素直になれている気がした。



 新しい生活にも慣れてきたころ、僕は通学時間以外にも本を読むようになっていた。

 昔から本を読むことは好きだった。しかし、この電車通学を始めるまでは、本を触る機会はほとんどなかった。

 だが実際に読み始めると、僕はいつも夢中になって読んだ。そして同時に、懐かしさもあった。


 僕は小学生のとき、よく本を読んでいた。

 当時の僕にとって本の世界は、数少ない逃げ場でもあったのだ。読むのは小説がほとんどで、自分ではない主人公がいてくれる世界に、僕は安らぎを感じていた。

 その名残もあってか今でも読むのは小説ばかりだが、昔よりは純粋に登場人物を追えるようになっていると思う。

 今の僕にはもう、壁を張るための読書は必要ない。


――――登場人物――――

玉木悠太たまきゆうた 僕

 中学時代はバレーボール部。

 父親と兄との三人暮らし。


永野司ながのつかさ かさ

 小学校からの付き合い。

 僕をまこと呼ぶ。

 京都に住むために勉強をしているらしい。

 人との接し方が似ている。

 小学生のときに転校してきた。

 僕にとっては貴重な、家のことを話せる関係。


前川倖成まえかわこうせい 倖成くん

 中学時代は、僕と同じくバレーボール部。

 二年間クラスも同じでよく話をした。

 僕をまこと呼ぶ。

 高校でもバレーボール部に入った。

 最初だけは僕を玉木くんと呼んでいた。


中里佳世なかさとかよ 佳世ちゃん

 小学三年生のときに知り合った。

 いつもくだらないことで笑わせてくる愉快な人。

 一緒にコスモスを見に行った。

 中学二年生の終わり頃から話さなくなった。


浅羽慎二あさばしんじ 慎ちゃん

 中学一年生のときに同じクラスだった。

 やさしい言葉をかけてくれた。

 僕はそんな慎ちゃんのやさしさの在り方に、憧れを抱いている。


今井俊いまいしゅん 今井くん

 僕と似た空気を感じる。

 親戚の家で暮らしており、少しだけ僕と境遇が似ている。

 曜子という人ともめたらしい。

 一年生の文化祭のときに、曜子という人ともめた話を聞いた。

 それからは、距離が開いてしまった。


小林正樹こばやしまさき 小林くん

 昔やっていたゲームの話をした。気が合わないわけではない。

 勉強に打ち込んでおり、部活もしている。

 高校一年生のときは室長もしていた。

 修学旅行のときから、僕をたまちゃんと呼ぶようになった。

 思っていたよりも、ずっと仲良くなれた。


田原友貴たはらともき 友貴

 中学は同じだが、話したのは高校受験の日が初めて。

 部活をやっている。坊主頭。

 修学旅行のとき、急に僕のことをたまちゃんと呼んできた。

 おせっかいだが、悪い人間ではない。


森島もりしまさん

 今井君のことを教えてくれた人。

 曜子という人の友人。

 友貴と付き合っていたらしい。

 冷静な人のようだが、友貴に似ておせっかいな面もある。


伊藤恵いとうめぐみ 伊藤さん

 吹奏楽部。フルートが上手らしい。

 わかりやすい感情表現をする。

 気さくな人でクラスの中心的存在。

 随分と、僕を気遣ってくれていた。

 僕の字を褒めてくれた。

 何事も一生懸命に取り組むことができる。


江口えぐち先生

 高校一年生のときの担任。担当科目は国語。

 役者めいた話し方をする人。

 表面を繕って核を守る振舞いが、僕に少し似ている。

 気を許せる先生。


中川なかがわ先生

 高校二年生のときの担任。担当科目は国語。

 やさしい笑顔が特徴。

 いろいろと見抜かれている気がする。

 あのやさしい笑顔は、葛藤の末に得たもののように見える。

 人にやさしくあれる強さをもっている。

 尊敬できる先生。


渥美あつみ先生

 高校三年生のときの担任。担当科目は数学。

 弱さを隠さない人。

 だからこそ、信用できる。

 人間味あふれる先生。


山瀬貴久やませたかひさ 貴久たかひさ

 大学からの友人。柔道部所属。

 一人暮らしをしている。語学のクラスが同じ。

 同じ部活の人と付き合っている。


出口和也でぐちかずや 和也かずや

 大学からの友人。空手部所属。

 実家通い。語学のクラスが同じ。

 アルバイトに明け暮れており、講義はほとんど寝ている。


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