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初恋の後悔  作者: お風呂かこ
四章 大学生編 一年生
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八節 春休み

 そうして何の予定のない春休みが始まった。

 ずっとアルバイトに縛られていた僕は、遠くにでかけてみることにした。


 僕は今まで行かなかったところに行ってみた。

 そうしてしばらく進むと、建物の数が目に見えて減った。

 思っていたよりも、都市部が大きくなかったことを僕は今になって知った。


 さらに進むときれいな川があった。

 落ち着いた気分になりながら、僕は川の水面をゆっくりと眺めた。

 大学生になってから、こうしてゆっくりとした時間を過ごすことは無くなっていたように思う。

 ずっとお金のことを考えて、やりたくもないアルバイトに明け暮れて、せっかく得た大学生活をふいにしていた。

 僕は、自由な生活がしたい。お金の面でも、時間の面でも。


 そして僕は、自分がしたいと思えることを見つけたい。せっかく時間を得ることができたのだから、自分が頑張れることを、頑張りたいと思えることを、見つけたい。

 もう少し、考えよう。


 そうしてまた、しばらく水の流れを見てから、僕は下宿先に戻ることにした。

 その帰りに、僕は市立の大きい図書館に寄った。

 久しぶりに本でも読みたい気分だった。

 たくさんの本がある中、何を読もうかと考えながら歩いていると、海が表紙になっている旅行のガイドブックが目に入った。


 その海に惹かれて、僕はガイドブックを手に取る。

 ぱらぱらとめくりながら、僕は沖縄の海を思い出していた。

 少し、また行きたいと思った。きれいな海が、見たいと思った。

 でも……そうして諦めようとして、僕はバイトをやめたことを思い出した。


 そうだ、時間はたくさんある。この時間を得るために、僕は高校に通って、それなりにではあったけれど勉強をしていたんだ。

 だったら、この時間を使って、やりたいと思ったことをやってみよう。


 それから僕は、なんとなくで眺めていたガイドブックを置いた。

 そして、今度は自分の興味が惹かれるものを手に取った。



 下宿先に戻り、僕はさきほどガイドブックで目を付けた場所を、携帯電話で改めて調べた。

 めぼしい所はだいたい遠かったが、せっかくの長期休みなので距離は気にせず、泊りがけで行くことにした。

 宿をとるのも泊まりでの旅行も初めてだったが、僕の心は期待に満ちていた。


 海の見える街に行こう。



――――登場人物――――

玉木悠太たまきゆうた 僕

 中学時代はバレーボール部。

 父親と兄との三人暮らし。


永野司ながのつかさ かさ

 小学校からの付き合い。

 僕をまこと呼ぶ。

 京都に住むために勉強をしているらしい。

 人との接し方が似ている。

 小学生のときに転校してきた。

 僕にとっては貴重な、家のことを話せる関係。


前川倖成まえかわこうせい 倖成くん

 中学時代は、僕と同じくバレーボール部。

 二年間クラスも同じでよく話をした。

 僕をまこと呼ぶ。

 高校でもバレーボール部に入った。

 最初だけは僕を玉木くんと呼んでいた。


中里佳世なかさとかよ 佳世ちゃん

 小学三年生のときに知り合った。

 いつもくだらないことで笑わせてくる愉快な人。

 一緒にコスモスを見に行った。

 中学二年生の終わり頃から話さなくなった。


浅羽慎二あさばしんじ 慎ちゃん

 中学一年生のときに同じクラスだった。

 やさしい言葉をかけてくれた。

 僕はそんな慎ちゃんのやさしさの在り方に、憧れを抱いている。


今井俊いまいしゅん 今井くん

 僕と似た空気を感じる。

 親戚の家で暮らしており、少しだけ僕と境遇が似ている。

 曜子という人ともめたらしい。

 一年生の文化祭のときに、曜子という人ともめた話を聞いた。

 それからは、距離が開いてしまった。


小林正樹こばやしまさき 小林くん

 昔やっていたゲームの話をした。気が合わないわけではない。

 勉強に打ち込んでおり、部活もしている。

 高校一年生のときは室長もしていた。

 修学旅行のときから、僕をたまちゃんと呼ぶようになった。

 思っていたよりも、ずっと仲良くなれた。


田原友貴たはらともき 友貴

 中学は同じだが、話したのは高校受験の日が初めて。

 部活をやっている。坊主頭。

 修学旅行のとき、急に僕のことをたまちゃんと呼んできた。

 おせっかいだが、悪い人間ではない。


森島もりしまさん

 今井君のことを教えてくれた人。

 曜子という人の友人。

 友貴と付き合っていたらしい。

 冷静な人のようだが、友貴に似ておせっかいな面もある。


伊藤恵いとうめぐみ 伊藤さん

 吹奏楽部。フルートが上手らしい。

 わかりやすい感情表現をする。

 気さくな人でクラスの中心的存在。

 随分と、僕を気遣ってくれていた。

 僕の字を褒めてくれた。

 何事も一生懸命に取り組むことができる。


江口えぐち先生

 高校一年生のときの担任。担当科目は国語。

 役者めいた話し方をする人。

 表面を繕って核を守る振舞いが、僕に少し似ている。

 気を許せる先生。


中川なかがわ先生

 高校二年生のときの担任。担当科目は国語。

 やさしい笑顔が特徴。

 いろいろと見抜かれている気がする。

 あのやさしい笑顔は、葛藤の末に得たもののように見える。

 人にやさしくあれる強さをもっている。

 尊敬できる先生。


渥美あつみ先生

 高校三年生のときの担任。担当科目は数学。

 弱さを隠さない人。

 だからこそ、信用できる。

 人間味あふれる先生。


山瀬貴久やませたかひさ 貴久たかひさ

 大学からの友人。柔道部所属。

 一人暮らしをしている。語学のクラスが同じ。

 同じ部活の人と付き合っている。


出口和也でぐちかずや 和也かずや

 大学からの友人。空手部所属。

 実家通い。語学のクラスが同じ。

 アルバイトに明け暮れており、講義はほとんど寝ている。


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