第二話 陰キャ達は転生する、そして会う日まで
「達季ぃぃぃぃ!」
俺は戦犯の名を叫ぶ。運転中にスピリタスを渡すとか・・・死んだらどうする!
「達季ぃ、何処だぁ、いるんだろぅ?」
達季を探すため俺は辺りを見渡す。だが見当たらない、おのれ逃げたな。
「残念ながらその声は届かないよ?」
俺の後方から声がする、背後を取られた?
誰だと、声に出しながら俺は後ろを振り返る、そこにはロリが仁王立ちしていた。
「そう、私だ」
「いや、誰なのか分からない。そしてココはどこだ」
うん、このロリは見たことのないロリだ。あと回りを見渡すも知らない景色だ。何か祭壇みたいなのあるし、教会っぽい?
「おっと、人の名前を聞くときは自分からと学校で習わなかったのかい?當銘遥くん」
「何故俺の名前を?あと、それは学校で習わない」
えっ、習わないよね?
「まぁ、それはいいか。私は女神ミクだよ、よろしくね。そしてここは君のご存知の所の転生の間というやつだよ」
転生の間か・・・あれ、死んでる?俺死んでる?達季に殺された?
「死ぬならせめて・・・パソコンの中身をどうにかしたかった・・・」
いくらマトモ(自称)な俺といっても見られたくないものの1つや2つあるというものだ。
「まぁまぁ、そこは諦めてほしいな。女神にも出来ることと出来ないことがあるんだよ、遥くんが生きていた世界と私の管轄の世界は違っているしね。だけども達季くんや他のお友達に会うというのなら可能性がある」
「つまり・・・他の4人も女神様の管轄という世界に転生しているから探せば会えるということだな?」
「お約束を分かっているのは助かるね。そう、君には君たちのいうところの異世界に転生してもらう。剣と魔法の世界はお好きでしょ?」
あぁ、大好きさ。しかしながら、異世界転生は何度も漫画やアニメで観ただけに実際にするとなるとリスクが頭をよぎってしまう。生まれ変わった先の安全性や力をふるえる歳になるまでの立ち回りなどついつい考えてしまう。ここは交渉せねば・・・。
「ではおまちかねの転生特典・・・つまり君の願いを1つ叶えてあげよう。君は何を望むの?」
えっ、転生特典もらえるの?じゃあ話が変わる、俺が欲しい転生特典はただ1つだ。
「『無限収納』が欲しい。許容量に制限のないアイテムボックスがな」
ずっと考えていた事だ、『無限収納』の有用性はどんな力や能力の中でも1番だと思っている。『無限収納』を使えればあーんなことやこーんな事ができるしな、それ以外は自分で何とかすればいいし。
「もちろん大丈夫だよ、ではそれで早速いってみようか。準備はいいね?できていなかったらごめんね?」
待て、早ない?余韻とかチュートリアル的なものとか・・・。
「遥くん、人生とはいつも突然にだよ?べ、別に説明が面倒くさいとかそういうことではないよ?」
面倒くさかったんだなと察しながら、俺は光に包まれて・・・。
そうして、俺は何の覚悟もないまま異世界転生をすることとなった。
ミク様「いや、4人に同じ説明するって面倒くさいよね?というか、作者の怠慢だよね?だから私は悪くないよ?」
見切り発信で投稿しました。がんばります。