【自爆】美女軍団の自爆攻撃【攻撃】
ヘルヘブン女戦闘員があらわれた!!
「ふふふっ」
目の前には――ビキニ美女達。
ダンジョンを攻略する俺の前に美女達がズラリとあらわれた。
(ヘルヘブン女戦闘員、黒ビキニの……ブラックパイルか)
この戦場において男は女戦闘員の多くを倒している。
数で勝負するヘルヘブン女戦闘員といえど、今回の敵拠点においてその数が底をつきつつある。
このままいけば男は順当に、ここのヘルヘブン女戦闘員を全員倒せるだろう。
正攻法ならば。
「ふふふっ……」
その時、女戦闘員達が大きな胸を持ち上げた。
美女達がビキニに覆われた巨乳を大胆に弄ぶ。
巨乳美女、ヘルヘブン女戦闘員の――魅了攻撃。
正攻法では男に勝てないと判断した、ビキニ美女達は女の武器で男を落とす戦術をとったのだ。
(この魅了攻撃は……ちょっとまずい)
美女達が自身の大きな乳を惜しげもなく弄んだ。
「うふふ」
女達がチロチロと舌を出す。
蠱惑的に舌を動かす女戦闘員達。
――魅了攻撃。
グラマラスな肉体、魅惑的な容姿を持つヘルヘブン女戦闘員の得意技の一つだ。
(これにかかるとまずい)
敵の女戦闘員からの魅了攻撃。
これは誘いにのったらまずいやつだ、そう判断する。
(それに……)
何か見落としてる気がする。
只の魅了攻撃ではないような。
(……どうする)
冷静に考えれば乗るべきではない。
この誘いにのるか。
ボインボインボイン。
だが断らない!!
――草薙は馬鹿野郎だった。
草薙は魅了にのった。
目の前におっぱいがあるからだ。
この男、馬鹿野郎である。
◆
「ふふっ」
その時、美女軍団に異変がおこった。
「うふふっ」
美女軍団が魅惑的な微笑みがその深度を増す。
美女達が手を広げる。
男を招き入れるように受け入れるように手を広げる様子はさながら雌の求愛行動。
(これは倒しづらい)
男はそう思った。
世界中で悪事を働く悪の組織、ヘルヘブン。魔大国ガルディゲンの破壊活動に多くの支援をしている。
ヘルヘブンは男――草薙悠弥にとっての敵対者の一つ。
人助けも鬼畜行為も行う草薙だが、それでもヘルヘブン女戦闘員のような美女を屠るのに躊躇う時はある。
(美女が屠りづらいってのは、ある)
犬や猫などを食べる国があるとする。
犬猫を食うという行為を残酷と思う人間はいるだろう。
それは犬を可愛がるという経験や選択、理念がその国、地域において高い比率で浸透してる事が大きい。
要は美女は「愛すべき者」という常識が浸透しているのだ。
家族のように接する、家族にするという事ができるので、それを殺し食う文化など、とんでもないという話だろう。
草薙も感情としては十分理解できる(最も、その文化をやめろと、よその領分に口出しをするきにはならないが)。
そして犬猫以上に――美女は愛すべきものとして認知されている。
愛するという選択が生まれやすいのだ。
男にとって、グラマラスな美女は愛すべき者、愛したい者、セックスしたい対象として見るという理念常識が非常に深く浸透している。
お付き合いしたい、恋人にしたい、●●●したい、結婚したい――
男の本能でいえば、美女に自分の子供を産ませたいなど。
グラマラス美女に対して抱く感想は意識、無意識あわせるとこのようなものが多い。
つまり男にとって愛すべき対象なのだ。
グラマラス美女とは色々いい事ができるのだ。
(つきあいたい!! 色々な意味で!!!)
かくいう男自身もその感情は深く共感できる。男は俗物であった。
そんなこんなで、巨乳のビキニ美女は基本的には倒しにくい、殺しにくい相手なのだ。
「うふふっ」
美女を容赦なく屠るというのは人間感情として難しい、上級者向けすぎる。
しかもそれが――
ブルンブルン!!
むちんむちん!!
グラマラスな肉体を使って、自分を魅了してくるのだから、なおさらである。戦意が鈍るのが当然であった。
ワラワラ襲いかかってくるヘルヘブン女戦闘員を倒していた男も、この女戦闘員の魅了攻撃には参るものがあった。
女戦闘員が近づいてきた。
だが――その時。
「やああぁっ!?」
ばっと四肢を広げて、グラマラスな女戦闘員が草薙にとりついた。
女の腕が草薙の背に手をまわし抱きしめる。
女の魅惑的な脚が草薙の背に絡み付くように抱きしめる。
「んんっ!!」
女の豊満な肉体が男に、ガッツリっと固定される。
女のむちむちの太もも、足が「もう離さない!!」と雌の求愛行動のように、ギュウギュウと男の背中を締め付ける。
恋人が相手に「大好き!!」と伝えるような濃厚なホールドである。
男と美女の肉体がピタッと一部の隙間もないほど密着し、ぎゅむうぅっとグラビアアイドルのような巨乳が押し付けられる。
美女とガッツリ繋がる。
(どうする)
キスで情を交わしあった草薙は思う。
【「よし、このまま堪能しよう」】
【「この女戦闘員を死なせないようにしよう」】
◆
このまま堪能しよう。
草薙はそう思った。男の本能に従ったのだ。
「ふふっ……」
ヘルヘブン女戦闘員が更に濃厚に接触してくる。
ボイン、ボイン。
はちきれんばかりの肉体をこれでもかと押し付けてくる。
だがその時……
「ふふっ……」
女戦闘員が笑みを浮かべる。
「一緒に逝きましょう?」
女が魅惑的な言葉を吐くと同時に、女の肉体に異変がおこった。
「くぅんっ!!」
ビクン、と女がのけぞった。
ジュウゥ、と女の肉体が熱をおびる。
ドクンドクンドクンドクン!!
女の心臓が異常な速度と強さで脈うつ。
消える前の蝋燭のような、パッとうち上がり手に爆発して消える花火を彷彿させた。
(まさかこれは――)
自爆攻撃。
草薙は察した。
このヘルヘブン女戦闘員は、自爆攻撃をする気ではないかと。
ヘルヘブン女戦闘員が最も戦果をあげてる手法の一つである自爆攻撃――ヘブン・ボム。
肉体の魔力を暴走させ爆発する決死攻撃。
長い間ヘルヘブン女戦闘員と戦ってきた草薙だが、その中でトップクラスにダメージを受けたのがこの攻撃である。
ビキニのグラマラス美女に組み付かれ「大好き」といわんばかりにホールドされる。
本来男にとってはたまらない状況だろう。
死と隣り合わせ、死とピタッと密着しながらの官能である。
だが――
「ヘルヘブンのために!」
瞬間、ヘルヘブン女戦闘員の体温が更に上昇する。
自分の肉体を食い込ませるように腰をふる女戦闘員。
そして――
「ヘブン・ボム!!」
女戦闘員が光を帯びた。
「くうぅんっ!?」
ビクンと電撃がはしったかのように、女戦闘員がのけぞり、喉を晒す。
「あああぁっ!?」
はちきれんばかりのダイナマイトボディが本当にはちきれ――
ボーーーーーーン!!
爆発。
ヘルヘブン女戦闘員の自爆攻撃!!
ボーーーーーーンと、美女の肉体が派手に爆裂四散。
はちきれんばかりのダイナマイトボディが――本当にはちきれ爆発する。
美しい女体が派手に爆散。
豊満な肉体が跡形もなく散華する。
もったないというレベルではない。
「ぐああっ!?」
草薙が呻く。
美女の自爆攻撃――爆発をもろにくらい、草薙はダメージを受けた。
通常の肉弾戦で受けるダメージよりも重いダメージを受けた。
先ほどまで草薙に抱きついていた美女の血と肉片が草薙の体に付着する。
(精神的にクるな)
草薙は心にもダメージを受けた。
プルンプルンプルン。
爆煙の中、他のヘルヘブン女戦闘員が接近する。
仲間が爆裂四散したというのに殆ど動じた様子は見られない。
「ふふっ」
その目は――
「ふふっ」
「ふふっ」
完全にイっていた。
(まずいなっ)
ダメージは大きく、草薙は隙をさらしていた。視界の悪さもあいまって、ヘルヘブン女戦闘員の接近を許してしまう。
「はああぁっ!!」
茶色のパッツンロングヘアーの女戦闘員が近づいてくる。
フェロモンムンムンのビキニ美女。だが先ほどまでフェロモンムンムンで迫ってきた美女軍団の一人は今やただのブスブスと焼け焦げる肉片となっている。そしてこのグラマラスな女戦闘員も――肉片と化そうとしていた。
「くうぅっ」
女戦闘員の一人が草薙を強く抱きしめる。
はちきれんばかりのダイナマイトボディが、草薙に密着。
「イクわよ!!」
「はぁっ!!」
ヘルヘブン女戦闘員が、肉感的な肉体を押し付けるように接近する。
ボイン、ボインのはちきれんばかりの肉体が蕩けるような熱を帯び
「ヘブン・ボム!!」
「ヘブン・ボム!!」
ボーーーーーーン。
ボーーーーーーン。
景気よく自爆する美女達。
美女達が豊艶な肉体を惜しげもなく爆発させていく。
グラマラスな肉体が爆裂四散し、草薙にダメージを与えた。
生き残りのヘルヘブン女戦闘員が更に接近。
「はああぁ!!」
波状攻撃だ!
男に接近するビキニ美女。
密着するとむにゅううぅぅっと柔らかくグラマラスな肉体が男に擦り付けられる。
色情を感じさせるカラダの大胆な密着。
一見、天国のようだが……
「ヘブン・ボム!!」
ボーーーーーーーン。
すぐに地獄に変わる。天国から地獄
正にヘルヘブン。
ボインボインの巨乳ビキニ美女が、自分にダメージを与えるために、ボンボンと自爆していく。
「ッ」
やはり、精神的にも、クるものがある。
普通の人間なら恐慌、発狂してもおかしくない。そこまではいかないにしても、動揺や戸惑いは少なからず発生する。
それは心を大きな基点の一つとする
能力者――神理者にとっては致命的な瑕疵となりうるのだ。
肉体と精神、両方の意味でダメージをおう、この自爆魔術は。
(やはり、有効な戦術ではあるな)
草薙は分析する。
散華した巨乳ビキニ美女だった女体がブスブスと焼き肉のような肉塊になっている。
匂いもきつい。
女戦闘員が自爆攻撃をする前、魅了攻撃をしてきた時は、甘い女の匂い、フェロモンを発していた。
爆散した今は、生々しい肉が焦げた匂いや血や中のものや人脂の匂いが充満している。
何番目に自爆した女戦闘員のものかは判別できない。
ヘルヘブン女戦闘員が自爆する時は
跡形もなく散華する時と、肉塊などが残る時がある。
今回は後者だったらしい。
「くっ……」
草薙は立ち上がる。
体にはダメージがあった。
予定よりも大きなダメージ。
目の前には――誰もいない。
先ほどまで、目の前にズラリと立っていたボインボインの美女達は残らずボンボンと散華した。
(もったいない)
そう思いながら、草薙は再び先へと進んだ。