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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
2章 亜人連合国騒乱編
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神の天罰

 少し――遡る。

 大朏がネスクとして転生した後、


<???>


「……さてさて。

彼らだけ何も無いというのは見過ごせません。」


  水色の瞳が彼方にある世界へと向けられる。


「ЖЩЗй」

  世界の誰も理解出来ない言語でその女性が呟く。

すると、

―――細長く円を伸ばした形の鏡が出現。

 鏡には光る線のような物が浮かび上がっている

  一本の線から幾つもの線。


それらが何千、何万。


  これはいわば『運命の線』である。


 人はその時、その瞬間の選択によって

その後の運命が決まる。


  例えば、じゃんけんをするとしよう。


自分が勝った場合、褒美が貰える。

  しかし、負ければ逆に褒美を与えなければならない。

 このようにじゃんけんというカテゴリーから勝利、敗北という未来によって先にあるものが変わる。

  この場合は――褒美の有無。

更に褒美によって発生する物である。


「フン♪フフーン♪」


  その女性は鼻歌を歌いながら、鏡に手を突っ込んで線を弄っていく。

 線を一本千切り、それを別の線にくっ付ける。そして、千切り残った方を自身の手の中に入れると霧散して消える。


「本当はこういうのはあまり宜しくないのですが、流石の私も"彼"を不幸にしたままにするのは黙って要られません。」


  プラチナバンドの髪を揺らしながら、

その作業を幾つかして終える。


「ふう、こんなものですか。後が楽しみです。フフフ」


  その女性の笑い声がその空間に響く。


  大朏がいた世界では、その作業の後、不思議な事が起きた。

 神の気まぐれか、彼を虐めていた彼ら五人の家のみが停電となり、彼らが大朏の家で起きている事を知る事は無かった。


  更に携帯もその停電の直後にバッテリーが切れた。そのせいで携帯も使えず、その停電が直ったのは彼らが登校する直後。

 更にその日は教師が早めに来たり、警察が来たりと様々な偶然が重なったのだ。


 これはまさに神の悪戯とも呼べる。


 ◯●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

<小夜>


「もういいの?」


 泣き止んで離れた恵に声を掛ける。

 目を擦り、涙を拭く。

そして、赤くなった目を向けてくる。


「うん、もう大丈夫。‥‥ところ、で。

捜し物は良いの?」


「あっ、忘れてた。」


  椅子を引いた机へと向かう。手で中を探る。

 すると、手に何か当たる。


―――それを引っ張り出す。

それは手に収まる位の本。


いわゆる、ライトノベルの本である。



「これは‥‥?」


  その本に見覚えがある。

兄さんがよく読んでいたシリーズ本である。でもなぜこの本がここにあるのか分からない。


「何かあった?」


 メグミンが覗き込んでくる。


「うん、これがあったんだ。

けど、何でこれだけ残っているのか分かんない。」


  本を見せる恵も考え込む。


 何気なくパラパラと捲ってみる。



すると、本から何か飛び出て下に落ちる。


「なんだろう‥‥‥‥。」


 それを拾う。栞である。栞に何か描いてある。


 白い紙の中にその文字だけがある。

『Wait at the place of memories. Tree of memories of childhood』


「?」

  更に謎が深まった。


「思い出の場所?思い出の場所‥‥‥‥‥思い出の‥‥‥場所‥‥‥‥」


  思い出があり過ぎて分からない。

 横で拾ったそれを見ていた恵がハッとする。


「サヨちゃん、あの場所じゃない?

 ほら、昔、三人で遊んだあの木じゃない?」


「あっ、そっか。」

 再び栞に視線を戻す。


『Wait at the place of memories. Tree of memories of childhood』


『思い出の場所で待つ。

      小さい頃の"あの木"で。』


  部分だけでは無く、全部を翻訳してようやく理解する。

 これぐらい翻訳出来ないと高校には上がれていない。こう見えて兄さんよりは頭が良い筈。


――多分?きっと?まあ、いいや。


  栞を本の一番後ろに挟んで閉じる。

 この本も兄さんの形見でもあるため持って帰ることにする。


「ナナミンはどうする?

今からあの場所に行こうと思うだけど。」


「私も‥‥行こうかな。うん、久しぶりに行く!!」


「生徒会の仕事の方は良いの?」


「あっ、うん。今日はもう終わってるから大丈夫。でも、荷物、置いてきたから、取ってくるから玄関で待ってて。」


  本を肩に掛けたポーチにしまい、二人で教室を出る。私はそのまま玄関へ、ナナミンは鍵と荷物を取りにそれとは別方向へと走って行った。


 ポテン


  ナナミンが再び転ける。あの場所、ワックスでも塗ってるのだろうか。それともナナミンの天然のせい、なのだろうか。


悪戯で彼らの運命がねじ曲がったのですから怖いですね。でも彼らには良い薬だと思います。

いじめは絶対にダメです。


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