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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
2章 亜人連合国騒乱編
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日常その3

 

「さて、内装も今日中にしておこう。」


  完成した小屋へと足を踏み入れる。


 中はまだ何も作っていないため中は何も無い空間が広がっている。懐からアイテムポーチを取り出し中に入れておいた物を出していく。


――石である。

 表面はすべすべで丸みを帯びた石。


  それらは湖を西へと回り込むと川になっておりその側は河原のように流れてきた石がそこに積み重なっている。そこから大量の石を運んできたのである。


「【Hollow out(くり抜く)】」


  小屋の地面を円状にくり抜く。

そして、そこに石を敷き詰める。敷き詰めると円の中心にこれも又、ポーチから取り出した水晶を嵌め込む。


 この水晶はミレドに作って貰った物。

 水晶の中には【炎】と【水】、更に【浄化】の魔法が付与されている。

 床にも小石を敷き詰め、端の方に【浄化】と【乾燥】を付与した水晶を嵌める。


 最後にこの石を固定するための魔法を掛ける。


「魔力を制御して消耗を抑える。蛇口を捻る量は少なく、【空間固定(スペース)】&【練り込まれた土(ニードゥ・ソイル)】、」


  体に流れる魔力に集中して、手を翳す。手の内に光が集まっていき、発動する。

 あの夢の後、ケガが治り魔法の修行を始めた。



 夢の中で自分に言われた通り魔力のコントロールを制御しながら魔法を発動させる。


「合成魔法【繋ぐ土ディ・エピエシー・エス】」


  手の内の光が手から離れ小屋全体に広がる。

 光の粒子が石と石の隙間に積もっていき茶色へと変化し固まる。


 練り込まれた土<ニードゥ・ソイル>

 茶碗や土器に使うような粘りの土を手の平に作り出す魔法である。乾燥すると茶色に変化し固く丈夫なものへと変化する。


  この一ヶ月、魔力コントロールがてら土魔法【岩<ロック>】を右手に水魔法【水<ウォーター>】を左手と、片手ずつに別の魔法を使っている時に誤って小石に躓き二つの魔法を混ぜてしまったことで偶然作り上げてしまった魔法である。

 合成魔法とは違い意図的に混ぜていないため魔力の割合を変えることで変化する。


  例えば、水の割合を多くすると水分の多い泥へと変わり、土の割合を多くするとカサカサな泥団子のように水分は含んだいるが直ぐに砕けてしまうような土へと変化する。

 ネスクが今発動させたこの魔法。


  水魔法が五割、土魔法が五割である。


 合成魔法

【繋ぐ土<ディ・エピエシー・エス>】

 前世でいうセメントである。【練り込まれた土】と違い、物と物を繋げることに長けている。

 乾燥する速度も比べ物にならないほど早く、指定した空間全体にまんべんなく使える。


  乾く間にアイテムポーチから取り付ける扉を取り出し、再び魔法で取り付けてから入口近くに籠と桶をいくつか置く。


「よし、完成だ。

後は夜まで使えるようになるだろう。

――あっ、灯りつけるの忘れてた。

まっ、後にするか。」


  取りつけたばかりの扉から外へと出る。


辺りがオレンジ色に染まり日も傾いていた。

 集中して気付かなかったが、小屋を作っている間に日が暮れてしまっていた。

 遠くで鳥が鳴く声が聞こえる。


「お~い、ネスク!!飯だぞ!!帰ってこい!!」


 家の方からミレドの呼ぶ声が聞こえる。

 家へと足を進める。


(‥‥‥‥‥‥‥‥今夜が楽しみだ)


 その足取りは羽のごとく軽やか。

今にも飛び出してしまいそうである。



 うきうきと胸を弾ませながら、

夕食へとネスクは進んでいくのであった。

次回、作っていた物の使用が明らかに。

大体の方はおおよそ付いていると思います。

日本人なら誰でも分かるアレです。

後、捕捉になりますが、

ミレドは昼食もネスクを呼んでいましたがネスクは小屋作りに集中していたため気付かなかったようです。ネスクの分の昼食はミレドが美味しく頂きました。

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