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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
1章 転生、異界『ラシル』の地にて。
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燃える森での攻防戦

更新が遅くなりました。

私事ではありますが、少し投稿するペースを落としたいと思います。


<ネスク>

  燃える森の中でヘヴラとの攻防が続く。

 赤黒い霧を纏わせた拳が、ネスクの刀とぶつかり合い火花を散らす。


 赤黒い霧は凝縮したことで、鉄のように硬く変化し、その上、ヘヴラの重い拳がその強度を更に増す。


まさに人から見ればこれほどの脅威はない。


一発の拳で重傷。


―――ヘヴラの拳が振られる。


 刀で受け止めるも、腕が痺れ、今にも後ろへ弾き飛ばされそうになる。そこへ更につ伊芸にとして拳が振られる。


「【霞み】」


 【霞み】を使い霧となり、消える。

 拳が霧を切り裂くもその場にネスクの姿は無い。


 ヘヴラの拳が空を切ると、ネスクが背後へと現れ、新たな魔法を発動させる。


「【昇華】、能力向上、威力増大、消費魔力軽減、そして発動。名称【朔月(ナヴァルーニ)】」


【昇華】

 魔法の威力、効果を一段階向上させる魔法である。


【朔月<ナヴァルーニ>】

【暗月・朔】を【昇華】により向上させた魔法である。空気に乗せて【付与・斬】を飛ばし斬り付けることで体の内側から斬り崩す魔法である。

 昇華前より魔力消費も押さえられている。


 ヘヴラの背中に【朔月】を掛けた刀で斬る。


  背中に切り傷が入り、そこから斬撃がヘヴラの体中を響き通る。


手応えは無いが浅い傷が入る。


 少量の出血から大量の出血になり、傷口から溢れ出す。


 ヘヴラの体中を【付与・斬】が切り裂く。


 普通の人間であれば、内側から斬りつけられ、動くことが出来ない程である。


しかし、ヘヴラは悠々と動く。


 追撃を加えようとするも体から例の霧を作り出す。霧を斬り付けるも間合いを開けられヘヴラへの攻撃は空振りに終わる。


『黒霧・邪の供給』


 ヘヴラは間合いを取ると直ぐに、黒い霧が体に纏わり付き全身を覆う。そして霧が晴れると斬り付けた筈の傷が消え元に戻っている。


 我ノ腕ヲ斬ッタノミナラズ更ニ傷ヲ負ワセルトハ中々ダ、人間。


褒美にコレデ終ワラセテヤロウゾ。


 そういうと拳の赤黒い霧を変化させていく。

 棒状の長い物に湾曲した刃物、『鎌』である。


『黒霧・断罪の鎌』


 鎌に赤黒い霧が覆い尽くし染まる。まるで血塗られているかのような鎌に変化する。


  ヘヴラは獣のように姿勢を低くして、一瞬で間合いを詰め、鎌を振りかぶる。


「くっ、【朧月】」


 ヘヴラの動きにギリギリ反応し、【朧月】を発動させる。鎌が霧の残像を捉えて斬る。


 霧の後ろに生えていた木が真っ二つに切れ、腐敗し消える。


 生命を吸い取り尽くすかのような木の枯れ方にネスクは肝が冷えた。


 ほんの数コンマ、【朧月】を発動するのが遅ければ、自分もああなっていたのだから。


「【霞み】」


 姿を霧に変え、姿を隠しながら高速で動き、ヘヴラを斬り付けていく。

 【朧月】の影響で残像が複数出来上がり、ヘヴラを惑わす。


「【朔月(ナヴァルーニ)】!!」


 斬り付ける毎に【朔月】を発動させて内側から切り崩していくも『黒霧・邪の供給』で元通りに戻ってしまう。


  その上、徐々にその残像がヘヴラの攻撃で切り裂かれ消えていく。


 そして遂に――。

 鎌がネスクの本体を捉え凪ぎ払われる。

 一度は刀を盾にして防ぐが、ニ擊目が直ぐに迫る。


  鎌が目前に迫り、頭を狩るために首へと振られる。その間は僅か◯.一秒である。



 その僅かな時間でネスクの技がやっと完成し発動する。



  ネスクがその攻撃を避ける。


 目では見えない攻撃を避けた。

 更に三擊、四擊と常人では見えない筈の攻撃を避けていく。


 ヘヴラの表情に驚愕の色が浮かぶ。


 その隙を見逃さずネスクが刀に魔力を込めて攻撃を入れる。


「【銀月の刃】」


 白い光が瞬く刀でヘヴラに攻撃を入れる。

 ヘヴラは鎌でガードをするも、後ろに吹き飛ばされる。

 ガードした鎌の一部の赤黒い霧が削り取られ鎌本体がそこから見えるようになっている。


【銀月の刃】

 雪が降る夜に浮かぶ月が放つ灯りの如く、刀身が白く澄み渡りあらゆる邪の力をもはね除ける効果を持つ。


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